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魔道士と整理係  作者: 春隣 豆吉
第5章:整理係と王国の人々。
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29.整理係とカフェ店主

七生、ご対面。の巻

 デルレイがカフェの扉を開けると、そこには黒い髪に藍色の瞳の可愛らしい女性がいた。

「いらっしゃいませ・・・あら、クロスビーさん。あの、そちらのかたは?」女性はデルレイに目を留めたあと、私に視線を移した。

「私の屋敷で整理係として働いているナナオ・サクラギだ。ナナオ、ここの店主のベル・クラドックだ」

「初めまして。ベルです。」

「初めまして、ナナオです。こちらのカフェが評判なので一度来てみたかったのです」

「まあ。ありがとうございます。もうすぐケーキが焼きあがりますから、席に座ってお待ちくださいね」そういうと、ベルさんは厨房に入っていった。


 ベルさんって可愛いよなあ。フローラは妖艶とかセクシーとかピッタリだけど、ベルさんは可憐って感じ。へー。あれで人妻かあ。私より7つも若いけど。

「ナナオ、親父くさい思考が顔に出てるぞ」

「は?なんですと?デルレイって、サラッと失礼な事言うよね~。イケメンなのに残念なヤツ」

「俺に分からない言葉を混ぜるなよ。イケメンってなんだ」

「顔がハンサムな男子のことを、気軽に言うときの表現だよ。」

「それは、褒め言葉か?」

「イケメンは、まあ褒め言葉ね」

「じゃあ、残念ってなんだ」

「それはそのままの意味だよ。デルレイはハンサムだけど、がっかりなところがあるってことだよ」

「ナナオも、たいがい失礼じゃないか?」

「それは悪うございました。当主様」

「・・・・謝罪に聞こえないのは俺の気のせいか?」


 二人で不毛な言い争いをしていると、そこに「お待たせしました」ってベルさんが私にケーキとお茶のセットを、デルレイにはお茶を持ってきた。

「今日のケーキは、はちみつとくるみのケーキです。ナナオさんのお口にあうといいのですけど」とニッコリ笑うベルさんは、可愛すぎるんですけど。

 私はケーキを一口食べた。・・・美味しい!!

「デルレイ、このケーキおいしいっ」

「そうか、よかったな。」

 美味しいケーキを食べているときに不毛な争いをしてはいけない。和やかな会話が大事。

「デルレイは、ここによく来るの?」

「いや・・・・まあ・・・たまに」

「なにその返事」

「ほとんど来ないよな?甘いものが苦手なんだから」後ろから男の人の声がした。

 振り返ると群青色の髪の毛の男の人がいる。

「いらっしゃいませ。ベルのケーキを気に入ってくれてありがとう。あなたがクロスビー家の整理係ですね。この間は兄と会ったそうですね。初めまして、ジュード・クラドックです。」

「は、初めまして。ナナオ・サクラギです。」

 奥さんのベルが可愛いタイプなら、夫のジュードさんはクールなハンサムってところ。デルレイとはまた違ったイケメンだよ。

 王国って・・・・というかデルレイの知り合いって、容姿に一定の基準でもあるんだろうか。美人とイケメンしか見たことないんですけど・・・。


「ジュード。今日は出勤のはずだろ?」デルレイが渋い顔をする。

「休憩時間に妻の顔を見に来てなにが悪い」そういうとジュードさんは、ベルさんが入れた紅茶を一口。

 ベルさんを見ると顔が真っ赤だけど嬉しそうだ。言われ慣れてるということだろうか。ここにも溺愛が一人。

 夫婦のラブラブ光線にでも当てられたのか、カフェを出ると私は軽く疲れが・・・。

「それにしても、デルレイの友達って溺愛する人が多いの?」

「・・・ヒースとジュードが突出してるだけだ。俺はもっとあっさりしている」

「そう言いつつ、デルレイも溺愛しちゃうんじゃないの?」私がからかう。

「・・・・まあ、相手によるな。ナナオ相手ならそうなるかもしれんぞ」

「はぇ??」私が驚いてデルレイを見る。

「ナナオの驚いた顔はかわいいな。さあ、次はどこに行きたい?」デルレイは楽しそうに笑った。

 ・・・・デルレイから”かわいい”って言われちゃったよ。

読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


デルレイが積極的になってきましたねえ。

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