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魔道士と整理係  作者: 春隣 豆吉
第4章:好奇心は整理係を巻き込む
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27.ガラスの花始末―おまけ2

デルレイ、ヘタレ返上か?の巻

 その後、フローラの恋人・ヒースさんが迎えにきた。「フローラ!!」といきなりフローラに抱きついたヒースさんは、「ちょっと、離れてよ!!ヒース!!」と押し返されていた。

「ナナオ、私はまた王都に来るわ。そのときはスイーツ食べ歩きしようね。テオファリアにもぜひ遊びに来て。シュロチクを紹介するから」

「うん。フローラ、元気でね。」そういって私たちは別れを惜しんだ。

「さあ、フローラ。帰ろう。おじい様が待ってるよ。」そういうとヒースさんはいきなりフローラをお姫様抱っこしたのだ。

「ちょっと、ヒース。何?おろしてよ!!」

「おろさない。このまま帰る。」そう言いきったヒースさんは「じゃあな、デルレイ。ナナオさん」といい移動魔法で帰って行った・・・。


 あとに残された私とデルレイは、ヒースさんの溺愛っぷりに圧倒されてしまい何も言えなかった。

 お姫様抱っこなんて、映画くらいでしか見たことない。いやー、身近な人間でそれを見る日がこようとは。

「ヒースさんって、なんというか・・・フローラ大好きなんだね・・・ていうか溺愛?」

「・・・・学生時代からフローラが好きで押しの一手だったからなあ。フローラが婚約破棄してテオファリアに行ったときに王宮に異動届だして、テオファリアの宰相府に行ってしまった。で、アプローチし続けて、現在はさっき見た感じだ。」

 しかし、本当にフローラに恋人いたんだねえ。てっきりデルレイの元カノか恋人と思ったら。

 デルレイをチラリと見ると私の視線に気がついたらしい。

 私の顔を見て「フローラと俺は恋人でもないし、そんな関係になったことはないからな。」と言う。

「・・・なんで、私が考えてることが分かるのよ。だって、デルレイ好みのゴージャス美女じゃん。」

「俺の好みを勝手に推理するなよ」

「だってさー、人の顔見てがっかりしたってことは真逆のタイプが好きってことでしょ。私、ど平凡な顔だし~。」

「・・・・根に持つタイプか。ナナオは」

 確かに、人の顔を見てのあの言動は忘れられないっすよ。根に持っているといえば持っているともさ。


「・・・溺愛してくれる彼氏がいるってなんとなくいいなあ。フローラだってさ、何のかんのいって好きだからお姫様抱っこを許してるんだろうし」

「俺だって、愛する女性にはそれくらいする」

「へえー。王国の男子は愛情表現が情熱的だね。」

 私は何の気なしにそう答えた。

「ナナオには俺がいるから」

「は?」

 いきなりの発言に私は驚いて間の抜けた返事をしてしまった。

 デルレイは私が驚いたのを見て、繰り返した。

「だから。ナナオには俺がいるから」

 そう言って、デルレイが私に近寄って抱きしめようとしたときにドアの向こうから「当主様。王宮から遣いがきております」というクロードさんの声がした。

 デルレイが残念そうな顔をして「もう少しでナナオを抱きしめることができたのに」そう言って妙に色気のある微笑を私にしてきた。

 そのとき、初めて私はデルレイを「恋愛対象になる男の人」だと思った。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


デルレイのヘタレっぷりに、ちょっとイラっとしていた皆さん!!

(いるのかな)

「クロード、ここで来るか」と作者にツッコミを入れたいでしょうが、

そこはお手柔らかにお願いします。←いるのかな(2度目)

やっと彼が動きましたよ。

「ガラスの花」編はこれで終わりです。



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