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魔道士と整理係  作者: 春隣 豆吉
第3章:好奇心は整理係を困惑させる
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16.魔道士と晩酌

異世界でウイスキー。の巻

魔力があるって言われても、何に使えばいいんだろ。手から魔力が出てるらしいけど・・・私は思わず自分の手をじっと見つめてしまった。

「さて、私は部屋に戻るよ」と、椅子から立ち上がった私をデルレイが引き止めた。

「もう少し付き合わないか?」と取り出したのは、琥珀色の液体だった。

「なにそれ?」

「アレン叔父からもらった、ウイスキーとかいうナナオの世界の飲み物だ。結構、うまいよな。これ」

「ここでウイスキーが飲めるとは思わなかった」そういえば、こっちに来てからお酒を飲んでいなかったなあ。

「叔父はそのまま飲むか、水割りがいいと言っていたが・・・ナナオはどうやって飲んでいた?」

「炭酸水で割ってた。ハイボールって言って美味しいのよ。」

「そんな飲み方もあるのか。でも、炭酸水はないが」

「水割りでいい」

「わかった」デルレイは、私に水割りを作ってくれた。デルレイはロックが好きなようだ。

 デルレイから渡されたグラスを手に取り、二人とも黙って一口飲む。


「ナナオは魔力はいらないのか?」デルレイが切り出す。

「デルレイは遺伝子で魔力が伝わってるから、持ってて当然かも知れないけど、私みたいに、いきなり魔力がありますよって言われたら戸惑うに決まってる」

「よくわからんが、そういうものなのか。」

「なーんか、無理やり押し付けられたプレゼントみたい。あの石が間違えちゃったなんてことはないの?」

「ない。あれは100%確実だ。俺の先祖が作った魔力判定装置だからな」

「デルレイの先祖は、なんというか・・・ユニークな感じだね」

「そろいもそろって出世や名誉より自分と家族の人生を楽しむことを優先させた人間ばっかりだからな」

「ほほお。でも、魔力があるなんて誰にも教えたくないなあ・・・・ろくなことにならない気がする。」

「ナナオは内緒にしたいのか」

「決まってるでしょ。私は整理係なの。仕事に支障が出るようなことは避けたいのよ」

「ま、そりゃそうだな。」

「もとの世界に戻ったら友達と女子会するんだ。合コンもセッティングしてもらおうかなあ~。はあ・・・・」

「ジョシカイとゴウコンってなんだ」

「女子会ってのは女性ばかりの飲み会。友達同士でしゃべって食べてストレス解消するのが目的。合コンってのは、男女混じってする飲み会。パートナーのいない人たちがすることが多いわね。それより婚活が先か・・・なんにせよ、私は頑張るよ。デルレイ!!」

「ナナオ、コンカツってなんだ」

「結婚をするために、いろいろ活動することよ。」

「・・・・ナナオは結婚したいのか?」

「今すぐって訳じゃないけどね~。そのうちしたいわね。」

「相手とか、いるのか?」

「いたら、こっちの世界に来るわけないでしょう。これから探すのさ。」

「そうか、そうだよな」なぜかデルレイが嬉しそうだ。変なやつ。


 その後、私の持ってる魔力の話に戻り、植物系魔力があることを口外せず整理係の仕事をしていくことを二人で話し合って決めた。

 そしてなぜか、ときどき一緒にお酒を飲むことを約束させられてしまった。

「ナナオ、王国の酒も飲んでみたくないか?なかなか美味いのがあるぞ」

 この言葉に思わず「飲んでみたいっす!!」とつい言ってしまった私はバカかもしれない。いや、バカだろう。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


七生同様、ハイボールが好きな作者です。

色々なハイボールが出ていますが角が一番好きです。

焼酎ハイボールってソーダ割りじゃないのかよ、と見かけるたびに

心の中でツッコミを入れてしまいます。

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