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魔道士と整理係  作者: 春隣 豆吉
第2章:整理係ゴー!!
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閑話:世話係エルシーの観察

世話係から見た七生。の巻


4~10話までの裏話およびエルシー視点です。

 私はエルシー・ブラン。王国の魔道士デルレイ・クロスビー様の家でメイドをしております。

 ある日、私は家政婦のヴェラさんとともにご主人様の執務室に呼ばれました。

 私、なにかしてしまったんでしょうか??どきどきしながら執務室に向かうと、言い渡されたのは全く予想していなかったことだったのです。


「ヴェラ。一番優秀なメイドとは彼女のことかな?」

「はい。デルレイ様。エルシーは気も利きますし働き者です。口も堅く軽はずみな行動をする娘ではありません。」

「そうか。では、エルシー」ご主人様は、私をまっすぐ見ました。

 当主様は、王国でも古くからある名家の当主であるとともに魔道士としても優秀。なおかつそのハンサムぶりもあって、とても女性に人気のある方です。私には全く縁のない人ですが、それでもまっすぐ見られると、どきどきします。

「1週間後に、アレン叔父の部下がこちらに来る。彼女の世話係を命じる」

 アレン様は先代の当主様(当主様のお父様でお亡くなりになりました)の弟で、現在は旅三昧だと言われている方です。どうして当主様はアレン様の居場所を知っているのでしょうか。

 ヴェラさんと当主様は私の不思議そうな顔に気づいたのでしょう。私に決して口外しないようにと言いアレン様の居場所を話してくれました。

・・・驚きました。この世の中に別の世界があるなんて。ということはアレン様の部下の方は別の世界の方!!

「エルシー、このことは絶対に秘密にしておくように。お前が約束を破ったことが分かったときは、それ相応の手段を考えなくてはならないからね。わかったね」

「私、誰にも言ったりしません。」私はこの国で秘密を守るときに行なう沈黙の誓いをしました。


 1週間後、当主様に連れられてやって来たナナオさんは、あごのラインで切りそろえたこげ茶色の髪の毛と黒い瞳の持ち主です。第一印象はとても淡々とされた方だなあと思いました。

 しばらくしてヴェラさんとともにナナオさんの部屋へ挨拶に伺うと、ナナオさんは部屋を見て、とてもうれしそうに興奮していました。どうやら部屋を気に入っていただけたのは間違いないようです。私たちの視線に気づくと、とたんに真っ赤になられて、先ほどの態度とのギャップに私は正直戸惑ってしまいました。

 その後も、自分のことは“様”付けはいらないとか世話係も特に必要ないと言い、気さくで自立された方だというのが分かりました。二人きりになったとき、やっぱり世話係はいらない・・・と言われそうになり、慌てて私が「クビになってしまいます」と訴えたところ、ナナオさんはクビになるのは気の毒だと思ったのでしょう。世話係がつくことを納得してくださったのです。しかも、私の入れたお茶をとても気に入ってくださったようで・・・お優しい方です。


 先週の休日には、ナナオさんの服選びにお付き合いしました。

 ナナオさんの好みであるシンプルな服が多かったですが、身の回りのことや部屋の掃除は自分でしてしまう方なので、世話係として満足なことができず歯がゆい思いをしていたのですが、今回は存分に働くことができました!!

 そういえば、休日の次の日からナナオさんが、それまで当主様のことは「クロスビー」と呼んでいたのに「デルレイ」に呼び方が変わりました。

 夕食のときに何があったのでしょうか。気になります!!


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


閑話としてエルシーから見た七生を書いてみました。

次回以降、少しは七生とデルレイが少しは接近するといいのですが。

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