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サッカーアイス

サッカーアイス。

普通のカップアイスで、味はバニラ。ふたには、いつのどこのだれの写真かわからないサッカー選手がプリントされている。

本当にただのアイスだけど、私にとってはとても大切な思い出があるー。

――――――

「悔しいよぉ(泣)」

――――――

私、沢村花陽(さわむらはなび)中学2年生はとても悔しい事があった。

それは、今日の体育の高跳び(走り)で、118㎝を跳んで自己ベストだ!と喜んだけど、実は97㎝で、失敗してた。

けど、私が喜んでたから審判してた子も言うに言えなかったそうだ。

「えー、どうしよう。」

最初に聞いた時はすっごく悩んだ。

だって、118ならそこそこ良かったし、なにより友達が喜んでくれたのにそれが、無かったかもしれないなんて聞いたらどうして良いか分からない。

友達は、

「他の人もだし大丈夫じゃん?」

と言ってくれたけど、私は気持ちよく高跳びを終えたかった。

正直に先生に伝えることにした。

先生も

「他の頑張りとかもみるからあんま気にすんな」

と、言ってくれたけど、何だか悔しくなった。

なんで、喜んだんだろう。何で、気づかなかった?なんで、跳べたのに。

「やばい笑なんか…泣きそう」

気づいたら泣いていた。

周りの人は誰も慰めはしなかったけど、大親友の寺崎嬉々(てらさき きき)ちゃんは

「花が泣いてるの見たらどうしようってなる、」

「どうして?」

「だって、こういう時、私は花にどうして良いか分からないし、慰めたくても慰め方わかんない。」

なんて、優しいんだろうと思った。

テキトーに慰めるなんて簡単なのに、ききはそんなの嫌だと考えてくれた。

ききの、優しさにまた涙が出てきた。

「大丈夫。花の良いところは、そうやって一つのことを大切にできることだから。大丈夫だよ。」

家に帰ってからも、何だかずっと悔しいまんまだった。

だって、きき以外にも近くにいた人は居たのに、慰めてなんてくれなかった。

「あー、私そんなもんだったか。」

ピンポーン

玄関のチャイムだ。誰か出るでしょ。

ピ、ピンポーン

なんか、なり終わる前に押さなかった?

しかもなんで、誰も出ないの?

仕方なく降りて出ることにした。

「はーい」

別に急がずゆっくり向かい、扉を開けた。

「はよ、あけんかー!」

突然の大声に驚いて、思わず尻もちをついた。

「あはは、ごめんごめん、びっくりした?」

ききだった。

サッカーアイス(これ)食べよ?」

―――――

別に特別美味しいわけではない。(もちろん美味しいけど)

一番好きなわけでもない。

でも、これを食べると懐かしいような気持ちになる。

ききが居ると、明日も頑張ろうと思えるー。

―――――――

「懐かしいー、そんなこともあったね」

今日は、今よりずっと大人になったききと、久しぶりに会っている。

懐かしいと笑う姿は小さい頃のききと、重なる。

私は今自分に込めれるだけの感謝と共に

「ありがとう。」

と言った。

「ん?なに言ってんの?」

「え?」

「これからも、うーんと頼りなさい!!今感謝したら終わりみたいでしょ!!」

「ふふ、そうだね、じゃあ」

「「これからもよろしく」」

「なんで、被せるの〜」

おかしくって笑ってしまう。

「これからも大親友って証じゃん!」


そう笑い合う2人の手にはサッカーアイスがあの時と同じようにそこにあった。

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