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本物の魔法少女、幹部と戦うようで。

フラワーバッド視点です。いい子。

5

「…っ!」

 わたし──魔法少女、フラワーバッドは、目の前にいるダークマ団の怪人…スパイダー伯爵につかまっている子からとたんに力が抜けるのを確認した。

 それと同時に服装が魔法少女のそれから、普通の服装に変わる。

 気を失ったのかな。

 きっと身動きがとれない怖さかもしれない。

 あの子が一体だれなのかは、まだわかってないけど、怪人に襲われる怖さはわかる。

 わたしはポルるんが来てくれたから、魔法少女になることを決められたけど…。

 きっとあの子は、自分でなりたくてなったんじゃないんだと思う。

 妖精の姿も見えなかったし、それにポルるんが感じたって言う悪い魔力。

 それに今のつかまっているあの子は見ればわたしだってわかる。きっと、あの子はダークマ団に無理やり魔法少女にされてしまったんだ。

 そして、なんとか逃げ出したけれど、ダークマ団の怪人にまた見つかってしまった。


 わたしのせいだ。もっとあの時、あの子によりそってあげれていたら。そしたら何かがかわったかもしれない。

 いや、まだ間に合う。

「フラワー!集中するポ!まだ間に合うポ!」

「わかってるよ、ポルるん。スパイダー伯爵をたおして、あの子を助けだす!」

 スパイダー伯爵にフラワーステッキをかまえる。

「ほぉ、たかが魔法少女一人がこの!ダークマ団幹部であるスパイダー伯爵に歯向かおうというのかね!」

「はむかうんじゃない、あなたをたおすんだ!」

 本当のことを言うと、わたしも怖い。

 スパイダー伯爵は自分のことを幹部って言っている。

 幹部って言うのは、確かすダークマ団の中でもすごく強い怪人たちだって、ポルるんから聞いたことがある。


 …わたしは、魔法少女としてはまだまだ半人前だ。

 先輩の魔法少女のソードちゃんなんかとくらべると、本当にそう思う。

 でも。

 それでも。


「それでも、わたしがここであの子をみすてていいことにはならない!」

 集中するんだ。

 魔法少女の力は、思いが大事。

 だれかをたすけたい、世界を平和にしたいって。

 そういう気持ちが、わたしたちにはたくさんの力をくれるんだ。

 だから。

「絶対に!あの子を助けるんだ!!!!」

 ぎゅっとフラワーステッキをにぎって、スパイダー伯爵にむけて走りだす。


「はっ!近づいてくるのであればそれはこのスパイダー伯爵の蜘蛛の巣トリングスの餌食になるだけのことよ!くらえい!蜘蛛の巣!トリングス!」

「やああああっ!!!」

「なにっ、蜘蛛の巣トリングスがこうも容易く千切られるだと!?なんだ貴様、その力は!」


 わたしに目がけておそってきた蜘蛛の糸を、がむしゃらにフラワーステッキをふりまわして千切る。

 なんでだろう、今のわたしは、負ける気がしないよ!!!


「フラワーの魔力がどんどんあがっているポ!それだけあの魔法少女を助けたいという気持ちが強いんだポ!」

「ふざけるな!なぜ実験体0号にそこまで真剣になれるのだ!貴様とてわかっているはずだ!実験体0号が、我々ダークマ団の開発した人造魔法少女だと──」

「知らない!」

「なにぃッ!?」

「わたしは、その子のことをなんにも知らない!!だから!助けるんだ!その子のことを知るために!仲良くなりたいから!!!くらえ!フラワー・ボム!!!」

「あり得ない!このような魔法少女に!この、スパイダー伯爵がっ…!!!」


 わたしの全力のフラワー・ボムが、スパイダー伯爵にあたる。

 た、たおした…のかな…?

 もくもくとしたけむりが晴れると、そこにはダメージを負ったスパイダー伯爵がいた。

 せなかから生えてる足の数もへっているし、ちゃんとダメージはあたえられている…んだけど…。

「た、たおせなかったの…!?」

「今のはこれまでのフラワーの中でも最高の威力だったポ!か、幹部はやっぱり強いんだポ…!」

「よ…くも…この…オレに…これほどのダメージを…!許さんぞ、許さんぞ魔法少女がぁ!!!」

 スパイダー伯爵が、キズだらけの体でさけんでいる。

 本当なら、もっとフラワー・ボムをうちこまないといけないんだけど…、わたしの体は、言うことをきかずにその場にたおれこんでしまった。

 ごめん…ごめん…助けられなくて…ごめん…!


 わたしがそんなことを考えながら、あの子を見ると。


「………助けてくれて、ありがと」


 奇麗な銀色の髪の毛が、風にゆれて。

 白黒の魔法少女が、そこに立っていた。


ブクマがじわっとしてもらえて大変嬉しい。

評価、コメント、ブクマは物書きの永遠のモチベである。

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