1.前世断罪
私は、夫である国の王に断罪された。
生まれる前から、将来国の王となる皇太子とは婚約の約束を交わしていた。
幼少期は、国の王妃となるべく徹底的に教育をされ、誰の目から見ても、王妃の模範と言われるような女性となる為に努力した。
私がここにいるのは、努力した結果なのだ。
最初から何もかもできた訳ではない。
私にだって苦手なものはある。
それを分からない外野は色々妬み、嫉妬し、妨害を企てたりもした。
それでも頑張れたのは、将来一緒になる相手の温かい言葉のおかげだ。
お互い、この国を担う立場になる事は分かっていた。
幼い頃から一緒にいて、支えあい、良き理解者になれるよう、王妃となってからも尽くしたつもりだった。
今となっては、それらが良くなかったのかもしれない。
言葉で例えるなら「幼馴染」であった私と王は、人生の伴侶にはなれど、男と女の関係には発展しなかった。
友人と思っている相手と体を重ねるなど、想像が出来ない。
お互い、相手の気持ちは分かっていた。
だから強要もしない。
自然の流れに任せようと思っていた矢先だった。
王は、側室との子供を身ごもったのだ。
私はショックではなかった。
むしろ、後継者が出来た事で、王の負担が少しばかり減った事に安堵した。
世継ぎは国の最大の重要事項だ。
その問題をクリアしたのだから、私は心から喜んだ。
その後、それぞれ別の側室との子を2人、計3人の男子が生まれた。
相変わらず、私と王の間に子は生まれなかったが、夜の時間はお互いを理解し、慰めあう癒しの時間であった。
時には政治について討論し、夜深くまで話す事もあった。
他の側室はしない、私だけの特権なのだ。
最初の子が次第に大きくなると、私は次期王を引き継ぐ立場となる皇太子としての教育を、承る役割を担った。
これから忙しくなる。
そう思っていた時、事件が起きた。
私が、第一子の側室の生母を、毒殺しようと企てたと、噂が流れたのだ。
実際、茶会で彼女は毒を飲んだが、命に別状はなかった。
嫉妬に狂い、毒を盛ったと言われたが、そんな事はありえない。
側室には誰に対しても対等に接し、叱責する事はあるけれど、怒りにかまけて怒鳴り散らすなどといった下品な行為はした事がない。
ただ、私自身感じなくても、自然と恨みを買う事があったのかもしれない。
今いる立ち位置は、そういう脅威に揺らいでしまう場所なのだ。
私は否定したが、王は聞き入れてくれなかった。
重鎮のくだらない噂話ばかり聞き入れ、私の話は遮断されてしまった。
あんなにもたくさん語り合い、支えあってきた2人であったのに、こんなにも脆く崩れてしまうのかと。
怒りや悲しみはなかった。
ただ、虚無感だけが心に残る。
自分は無力だと。
味方はいなかったのだと。
早急に判断が下され、私は斬首台にて、首を落とされた。
何がいけなかったのかわからない。
何がそうさせたのかわからない。
私には、後悔しか残らなかった。




