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常日-トコロビ-  作者: 白姫真夜
00章
1/5

【1】暇-ニチジョウ-

[1]

極めて遺憾である。いや、退屈である。


僕、高校2年常盤平丈(トキワヘイジョウ)の日常とは、

ぐつぐつと煮詰められたなべ底にこべりついた「青春」の残りかすだ。


まったくもって暇だ。時間を持て余している。

色々な言葉で言い換えて今の現状を現したとしても無駄なくらいには非生産的な毎日だ。


じゃあ何かすればいいじゃないか。とそんなニュアンスの事を言い返してくるのが周りの言い分なのだが、それが出来るのならそもそも苦労しない。出来る人はそもそもそんな思考に行く前に既にその問題を解消している。

僕みたいにこんな底辺な悩みを持つという事はそういった暇を持て余す力を持ち合わせていないからなのだ。


散々言われましたよ。


「取りあえず何かしてみるのが吉」「そんな事考えている暇があるならさっさと何かしてみろ」

行動してみて、それでいてそれが僕の性分に合わないと判断されたのなら途中で打ち切ればいい。そもそも行動して何かの結果を生まなければ話のたたき台には何も上がらない。

なるほど。確かにその言葉には一理ある。そんな君の意見を大いに参考にさせて頂こう。ありがとうありがとう。


よし、そうと決まればまずは行動だ。さあてさて、じゃあ早速何をしようか。


...。


そう。無理である。


何故なら「何をすればいいのか」さえ分からないのだから。


何かをすればいいのは分かる。

それでいて「何か」という大きな枠組みで全体を括って取りあえず腑に落ちておこうというその心意気が立派だという事も分かる。

だが、実際問題。


僕は「何」をすれば正解なのかが皆目見当も付かないのである。


曖昧な言葉は便利な言葉だが、それを行動に還元するとなればその曖昧な言葉を細分化するだけの力が必要になる。「何か」を「これ」という単一に置き換えるだけの力が必須になる。


無理だ。荷が重すぎる。僕には出来ない。

出来ないから行動しない。行動できない。






今の僕は暇を持て余すだけで、何も出来ない。


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