コント「お嬢様学校のスカウト」
少女:
うわぁ、とち狂ったようにキョロキョロしてる女性がいる…
あれ首に深刻なダメージが蓄積されそう…
女性:
はっ…!
ちょっとそこのあなた!
少女:
うわ、声掛けられた…
女性:
ついにみつけた…!あなたはとてつもない輝きを放つダイヤの原石よ!
少女:
え?ありがとうございます。
でもなんですか急に?
女性:
あなたは今はまだその辺の石ころ、いや鼻をかんだティッシュと同じだけど、
私があなたを極上のダイヤモンドに…
いや今は黒カビと同じだけど、私があなたを
少女:
どんどん酷くなってくな!訂正する必要ないでしょ!
黒カビからダイヤになれる人いないですよ!
女性:
いいえ、私の元へ来ればなれるわ。
私はSAロイン学園という女子校の理事長をやっている者よ。
あなたそこに来る気はない?
少女:
SAロイン学園?カッコいい名前ですね。聞いたことはないですけど…
女性:
だってそこは超超超お嬢様学校だもの。
知らなくても無理ないわ。あなたのようなヘドロの濃縮液なんかじゃ。
少女:
更に酷くなったよ!
そんなところがあったんですね。
でも一般庶民の私なんかがそんなところにいっても…
女性:
大丈夫。あなたなら間違いなく上手くやれるわ。
学費も全額免除でいいわよ。
少女:
え?そこまでしてくれるんですか?
女性:
当たり前じゃない。
ヘドロにはとてつもない魅力があるんだから。
少女:
ヘドロって呼ばないでください。
とてつもない魅力?
女性:
まずあなたの大きな目!
それは周りをよくみるためだわ。
女性:
そして大きな耳!
それは周りの声をよく聞くためよ。
女性:
そして大きな口!
それはお前を食べるためだよ!!!
少女:
赤ずきんの狼みたいになってるじゃないですか!
女性:
是非うちの学園へきてちょうだい。
少女:
ちょっと気になってはきましたけど、そこはどういうところなんですか?
女性:
そこには3つの組があって、その人に合った組へ振り分けられるわ。
少女:
3つの組?
女性:
一つ目は気高きバラ組。
凛とした子が選ばれるわ。
少女:
わぁかっこいい。
女性:
二つ目は可憐なモモ組。
お淑やかな子が選ばれるわ。
少女:
可愛らしい感じですね。
女性:
三つ目は骨のあるカルビ組。
ジューシーな子が選ばれるわ。
少女:
ちょっと待ってちょっと待って!
カルビ組!?何それ?
急にお肉の組が出てきてどうなってるんですか?
女性:
え?全部お肉だけど。
少女:
全部?…あ!バラとかモモとかお肉の種類だったの?
てっきり植物の方だと思ってたよ!
そして骨のあるカルビ組ってただの骨つきカルビじゃん!
ジューシーな子も意味わかんないし!
女性:
そもそも学園の名前からしてお肉じゃないの。
少女:
え?『SAロイン』…あっ、サーロイン!?
めっちゃ肉じゃん!全然カッコいい名前じゃなかった!
女性:
是非うちへいらっしゃい。
あなたならカルビ組のスターになれるわ!
少女:
なんでカルビ組!?私全然ジューシーじゃないですよ!
女性:
そこであなたを一流の牛農家にしてあげる!
少女:
絶っ対嫌!!!