サンタの仮説検証
ごめんなさい結構サイコです。正直書いてて気分悪くなりました。
「サンタさんってどうやってみんなにプレゼントを配っているの?」
少年はまだ幼いながらある日不思議に思った。誰もが一度は抱く疑問だろう。
「そうだねえ。きっと魔法でも使っているんじゃないかな?」
少年の父親はそう言ってはぐらかしたが、それでは彼には納得がいかなかった。そこで、少年はその年から実験を始めた。
少年は優秀だった。現在の状況下において、サンタクロースなる人物は現れている。では、条件を変えて果たしてサンタクロースは訪れるか比較実験をしてみようではないか。そう考えた。
その年のクリスマスイブ、少年は寝る前に家中の戸締りを確認した。そして自分の部屋でぐっすりと眠った。
翌朝、プレゼントは届いていた。
次の年、少年は思いっきり悪い子になってみた。クリスマスイブの日だけちょっとしたことで駄々をこねたり、拗ねたり、親に迷惑をかけてみた。結果がどうなるかワクワクしながら眠ると、翌朝プレゼントはしっかり届いていた。「いい子にしてないと来年はプレゼントをあげないぞ」とお叱りの手紙も添えてあった。
そうやって数年間、いろんな条件を変えてサンタさんがやってくるか実験したが、毎年必ずサンタさんはやってきた。芳しい実験結果が得られていないことに少年は不満だった。
その年のクリスマス、少年はあれこれ考えた。あとは何を試せば良いだろうか。鍵があるかどうかは関係なかった。いい態度であるかどうかも関係なかった。他のあれもこれも「ある」と「ない」で結果は変わらなかった。そうだ、試していない条件がまだあったぞ、これまで毎年「ある」だったものが。
翌朝、プレゼントは置いていなかった。
少年は少し冷めた目で、実験の成功を噛み締めた。「なんだ、これを亡くせば良かったのか」