5話 少年はこうして道を引き返し、少女は道を突き進む
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「さあここがニブルヘイムだ。」
男はそう言うとさっきまで電話していた相手にもう一度電話をかけ直した。
「ああーもしもし俺だ。例のターゲットを連れて来たぞ。あーでどこに連れて行けばいいんだ?」
「その心配は無い。丁度迎えに来たからな。」
すると男と電話をしていた?らしき長身の青年が急に現れ、俺の手を掴んだ。
「へえこの子がね…じゃあ早速だが行くとするか。」
青年は俺の手を掴み駆け出そうとしていたところを俺は慌てて引き止めた。
「ちょっと待ってくれ…その前にお前は一体誰なんだ?」
「ああ悪かった。僕の名前はレオ・ブルースト。気軽にレオとでも呼んでくれ。」
「俺の名前は津雲 煉だ。多分と言うかほんとどの確率でお前らのターゲットで無いことをただただ祈っている。」
「ははこれは嫌われたもんだな。そうだ、マスルお前自己紹介くらいしたのか?」
「いやしてねえや。」
「だからこんなに警戒されてるんじゃないか?まあいい。こいつの名前はマスル・ブルースト。僕たちは兄弟なんだ。どちらもこのニブルヘイムの姫マシロ・キョウレンジ様に使えてる身だ。今日は…」
「その姫の探してる人が俺かもしれないと?」
「おおなんだ分かってるのか。なら話は早い。そう君が言っていた通り、姫様が奇遇にも君と同じ名前の人を探しているという事でね、早速だけど姫様に会ってくれないか?」
「嫌だ。」
「どうして?」
「第一にマシロと言ったか…そいつは間違いなく日本人だという事だ。お前たちみたいな外人が使えてる相手が日本人とか胡散臭くて仕方がないな。」
「なるほどね…推理力は結構あるのか…」
「なんか言ったか?」
「いや。んーそうなると困ったもんだなぁ…君を連れてかないと行けないのに…そうだじゃあ交換条件として姫様と会ってくれたら君にニブルヘイムの魔法を教える。それでいいかい?」
「魔法か…正直空想のものだけとばかり思っていたが…わかったそれならマシロという姫やらに会ってやる。」
「そうかいそうかい。いやー君が了承してくれて本当に助かったよ。これで手荒な真似はせずに済んだからね。」
「お前…俺に何する気だったんだよ…」
「なんでもなーい。それじゃ早速行こうか。僕の腕に掴んで。」
俺がレオの腕に捕まるとレオは静かに目を閉じた。 すると俺の体はまたもや光に飲まれて消えていった。無詠唱でもいいのか…
「ほいっ到着っと。」
俺たちは移動魔法とやらでやたらと豪華な扉の前に 飛んで来た。
「ここが玉座の間の扉だ。マシロ様はこの中に居るから行っておいで。」
「なんだお前は来ないのか?」
「いやーうちの姫様はぼっ僕にはあっ合わないかな〜」
「レオ…お前…」
仕方がないので俺は一人扉を押し中へと入って行った。すると…
「やっと来たわね津雲君。ようこそニブルヘイムへ。君を歓迎するわ。」
そこには俺の一つ前の席に座っていて中学からずっと一緒のクラスだった緋色 鈴鹿の姿があった。
鳴神 深鈴
「うーん痛ったー」
津雲君を追いかけて光の中に飛びこんだ私は気がつくと辺りが氷で覆われてる世界へとたどり着いた。
「あっやっと目を覚ました。大丈夫ですか?深鈴さん。」
するとそこには何故か津雲君のクラスメイトで私が作った津雲君レッドリストの上位にいる五月 千尋の姿があった。
「千尋さん?なんで貴方がここに?」
「それはこっちのセリフなんだけどなぁ…」
「それってどういう…」
「私はね津雲君のいわば監視役なんだ。」
「監視役?」
「そっ監視役。私はねって言ってもわからないと思うけど、ここニブルヘイムと敵対関係にある欧州連合の工作員なんだ。」
「欧州連合?なんで千尋さんが?」
「まあとりあえず私がなんで欧州連合に所属しているのかってことはおいといて、深鈴さん貴方には協力してもらいことがあるの。」
「協力?」
「わからないことだらけだと思うからまず目的だけ説明していくと…連合は今津雲君の頭脳を必要としていると言ったほうがいいかしら。」
「頭脳って…今の津雲君の成績はとても低いのよ…どうして…」
「今のね…その様子だと貴方も津雲君の昔の事は覚えているようね。そう津雲君は今確かに学校の成績は悪い。ただこれだけは言えるのが成績だけじゃその人の真価は測れないってことかしら。」
そう話すと千尋さんは手を差し伸べてこう言った。
「私と一緒に津雲君を助けてみる気はない?」
「どうして…鈴鹿がここにいるんだ?」
「貴方気づかなかったの?そもそも津雲君の頭があるなら気付くと思ったけどな…だって4年間も席も隣でクラスも同じなんてこと普通はあり得ないと思うけど。」
今思い返して気づいたが、確かにどんなに席替えをしようがクラスを変えようが彼女が隣もしくは前後にいなかったことなどあり得なかったのだ。
「つまり…お前は俺の事をずっと見ていたってわけか?」
「何よ…分かってるじゃない…」
そう言うと彼女は頬を赤らめた。
「私は津雲君、貴方が欲しいの。それはもう貴方が生まれた時からずっと…貴方のことを考えなかったことなんて一度もなかったくらいに。」
彼女の愛は異常だった。俺はそもそも彼女に対しフラグを立てることなんて事は一度もなかった。どころかまともに話をしたことさえない。それなのにこれまでの支配欲を見てしまうと、流石の俺も背筋がぞくりとした。
「鈴鹿…悪いけどなお前のものにはなれないぞ。」
「どうして!こんなに貴方への思いを持っているのに。どうしてよ…そしてまたあの女のところへ行くのね…」
「俺はまだそこの段階にいないんだ。愛すことなんかまだ許されないんだ。俺には解決しないといけいないことが残っている。」
俺はそれだけいうと来た道を引き返した。
煉は昔へと引き返すそうです。僕は前を向かないといけないのに…