廻る世界の召喚士
初短編です、よろしくお願いします。
「なんなんだ? この記憶は。」
今、俺こと、ルードは頭の中にめぐる記憶に問いかけていた。
そんなことをしても全く意味などあるはずがないのに。
今、俺の中にめぐる記憶は多くく分けて3つある。
1つめは今までと変わらない、ラズル村での暮らしの記憶。
2つ目は、1つ目とかなり似ているが少し違う。それはある一定の日だけのたくさんの記憶だ。
そして、3つ目は俺が転生体としてこの世界に転生する前の記憶だ。
この中の2つの記憶は、ついさっき村のはずれにある教会で神官からスキルを授かった時に目覚めたものだ。
2つのうち3つ目はまだ説明がつく。俺はその記憶の世界からこっちの世界に転生したということになるからだ。だが、肝心の前の世界にいたはずの友達などの顔が浮かんでこない。なぜだろう。
まあそこは置いといて、一番気になるのは2つ目の記憶だ。
なぜ特定の日だけこんなにもたくさん違った記憶がある? そこはさっきから全く分かっていない。
そうこうしていると家に着いた。まだ見ていないステータスを家族と確認するためだ。
ちなみにステータスは8歳の時に初めて教会から託してもらうものだ。
俺も今日8歳になり教会にステータスをもらいに行った。
その時に記憶が目覚めたのだ。
「ただいまー」
俺は元気に玄関の戸を開けた。
「おお! ルード! 帰ったか! 早速ステータスを見ようか!」
俺の父親であるバルが言う。
その後ろには母のガルドと妹のアウルがいる。
貴族ではないので性はない。
「うん、分かった。じゃあ行くよ。ステータス」
ドキドキする。自分にはどんな才能があるのか。
そして、すぐ水晶の板のようなものがルードの目の前に広がる。ステータスだ。
ルード 8歳 男 人族 レベル3
体力 30
魔力 10
防御 50
敏捷 35
幸運 100
潜在??????????
<スキル>
召喚魔法 神
無限成長
鑑定眼 神
勇者の素質
神界交流
言語理解
<称号>
運命を変えるもの
世界を救う存在
創世神に愛されたもの
抗うもの
賢者の息子
聖騎士の息子
剣王の孫
世界を超えたもの
転生体
遺志を継ぐもの
<加護>
創世神の加護
地球神の加護
世界神の加護
創世神の寵愛
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「へ?」
「はい?」
「え?」
家族全員が絶句する。
皆は5分ほどフリーズした。
しばらくするとバルがしゃべりだした。
「ルード、このステータスを取った後に、何か異変はあったか?」
「うん。前世の記憶と、、、それだけだよ」
「そうか」
あえてたくさんの特定の日の記憶は伏せておいた。
じぶんでも理解に苦しんでいる中でこんなことを言ってもさらに誤解を生むだけだ。
「いいか、ルード。このことは家族以外には誰にも言うな。分かったな。」
「うん、分かったよ。」
「そうか! ならいい! よし、ルード、早速訓練を始めるぞ! お前が望む通り10歳で英雄学園に入学するには、たくさん勉強と訓練をしなきゃな!」
「そうね! それが終わったら、私と勉強をしましょう!」
「うん! お父さん! お母さん!」
そういって俺は父と初めての訓練を開始した。
はじめてやる剣の練習はとても難しかった。
だけど。とても楽しかった。
こんな日がずっと続けばいいのにな。
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その日の深夜。バルとガルドはリビングでこんな話をしていた。
「あなた、やっぱりあの子は、、」
「ああ、勇者の器だ。」
「ということは、、」
「ここ数十年の中で魔神が復活する。前回は俺たちが事前に復活を止めたが、今回は、、、止められそうにないな。」
「そう、、ルードには申し訳ないけど頑張ってもらわなきゃね。」
「おそらく2年後に英雄学園に賢者と聖騎士の器も入学してくるだろう。
今の俺たちにできることはたった一つ。ルードを強く育てることだ。」
「そうね、頑張りましょう。」
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あれから1年と半分の時が過ぎた。
俺は毎日父との訓練に明け暮れていた。
おかげで父には5割くらいの確率で勝てるようになってきた。
だが、きょうは訓練はしない。
俺の1年半練習してきたものの1つ、召喚魔法を使って召喚獣を召喚しようと思う。
召喚獣の召喚の仕方といえば大まかに分けて2つある。
1つ目は自らの魔力を注いでランダムで魔物を出す方法。
2つ目は名前を指定して詠唱し弱い魔物を出す方法。
今回は俺の相棒となる召喚獣を出すため、1の方法でやろうと思う。
そして、俺はさっそく詠唱を始める。
「我は願う。今此処に光より現われし者よ。降臨せよ! サモン。」
詠唱を終えると、地面に魔法陣が現れてそこから獣が現れた。
「お初にお目にかかります、わが主よ」
そこに現れたのは、1匹の白い龍だった。鑑定眼で調べると、こいつの種族は白神龍と言うらしい。
「なんで契約もしてないのに僕が主になってるの?」
「それは、主様ほど力のある人物なら、私など簡単に契約出来ます。そして以前から主様のことを見させていただいていますが、主様の人柄はたいへん私にとって好ましく、もし呼び出されたなら契約をすぐ結ぼうと思っていたからです。」
今の話の通り召喚獣はまず召喚したら戦い、自分が勝つと契約出来るシステムになっている。
だが例外として、呼び出されたときに、その召喚獣が呼び出した人物に忠誠を誓っていれば、戦わずに契約を結ぶことが出来る。
「早速ですが、私に名前を付けてはくれませんか?」
「分かった。うーん、、そうだな、ブル、でどうだ?」
「素晴らしい名前をありがとうございます。これからは、ブルと呼ばせていただきます。
改めてよろしくお願いします。ルード様」
「うん、よろしくね、ブル。」
そして、僕は初めて召喚獣を召喚したのであった。
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ついにこの日が来た。英雄学園に旅立つ日だ。
「まず学園に着いたら、賢者と聖騎士の器をもつ人を探さなきゃな。」
なぜ俺がこんなことを知っているのか。これには昨日の夜のことが関係している。
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昨日の夜、俺は明日学園に行くということで、早めに眠りについた。
「お、、い、おーい」
うっとうしいと思いつつ僕は目を開ける。
そこには、真っ白い服を着た銀髪の美少女が立っていた。
「あんた、誰?」
「神をあんた呼ばわりするとは失礼な! まあ、しょうがないか。
私の名前はアルバ! 君を異世界へ転生させた張本人でありこの世界の創世神でーす!」
ん? 創世神? こいつが? てか、なんで今こいつとしゃべってんの?
頭に?を浮かべているとアルバが言った。
「ちょっと時間がないから用件だけ簡単に話すね。今、この世界に、魔神が復活しようとしています。
あなたにそれを止めてほしくて勇者として転生させました。
魔人と戦う勢力を得るには、君と同期で英雄学園に入学する、賢者と聖騎士の器をもつ人を仲間にしてほしいんです。この会話はその2人にも言ってあるから英雄学園に入学する生徒に片っ端から日本語で話しかけてみて。まあ、最初は戸惑うと思うけどボクがt「分かった。」ん? のみこみ速! まあいいか。
じゃあよろしくねー。」
だんだんアルバの声が離れていく。その間にアルバの顔が大きく歪んだのをルードは見逃してしまった。
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そして話は最初に戻り、僕は馬車に乗り込んでいた。
「おにいちゃん! 絶対追いつくからねー!」
僕の妹であるアウルが叫んでいる。本当にいい子だ、アウルは。
「君も英雄学園に行くの? 行くなら聞きたいことがあるのだけど。」
聞いてきたのは黒色の髪の美少女だった。
「なんだい? 何でも聞いていいよ。出来る限りは答えるよ。」
「そう、、じゃあこの言葉がわかる?」
僕は絶句した。なぜならそれは、まぎれもない、日本語だったからだ。
「ああ、分かるよ。僕は勇者のほうだ。君は?」
落ち着いて日本語で返す。
「私は賢者、アルって言います。早速会えるなんて驚きだよ。これからよろしくね。」
「よろしくね。僕はルードって言うんだ。」
「じゃあ詳しい話は聖騎士のひとがきたらでいいかな?」
「うん。」
その後英雄都市までの道のりで盗賊に襲われるようなことはなく、普通に都市の中に入ることができた。
「これから僕はギルドに登録をしに行くけどもあ、アルはどうする?」
「もちろんついていくよ。」
そこは北区のど真ん中にあった。とても大きな建物で、3階建てだ。看板には冒険者ギルド、と書いてある。中に入るとどことなくニヤニヤした視線が目についた。この容姿だ。笑われても仕方がない。
僕たちはこのことを我慢しつつ、カウンターに向かった。
「こんにちは。冒険者登録ですか?」
「「はい」」
口をそろえていった。
「はい。ではここで、名前、出身、年齢、魔法が使えるなら適正属性も書いてください。」
ちなみにこの世界の魔法の属性は8属性ある。
火、水、土、風、闇、光、無、召喚だ。
むろん2人とも全属性が使えるため、登録用紙には全属性と書いた。
「ぜ、全属性?! ちょっとこの球に手をかざしていただけますか?」
そうすると僕たちは球に手をかざした。すると球が虹色に光りだす
「本当だ、じゃああと登録費用の銀貨1枚お願いします。」
この世界のお金は銅貨、銀貨、金貨、白金貨、竜貨、となっている。
銀貨を渡すと、受付の人がカードを待ってやってくる。
「はい、冒険者登録しました。これからよろしくお願いします。」
「ありがとうございます。」
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ここから彼らの冒険は始まる。
だが、かれらは知る由もない。彼らがこの世界の真相を解き明かし、この世界を救うとは。
人気が出たら連載するので、これを見て面白いと感じたら。
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