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空色ばんどえいど

幸せになりなさいって世界一優しくて、世界一厳しい命令だと思いませんか

作者: apricot

ここから先は自分だけの世界。


誰にも邪魔されない。あなただけの世界。


逃げたくて逃げたくて。でも逃げられない現実と向き合っているあなたへ。


辛くてやめたくて。でもやめられない辛さと闘っているあなたへ。


向き合い方を教えます。


大人に、先輩に、近所の人に、幸せになれって言われてきました。


でも何度言われても幸せが自分にとっての何なのかいまいちわからなくて。


何をすれば幸せになれるのか、何をしている自分は幸せなのか、ずっとわからないままでした。


でも高校に入って、人の輪が急に大きくなって。


どんどん先を行くみんなに慌ててついて行ってたら、幸せなんて知る前に不幸な自分に出会っていたんです。


自分でも気づかないうちに不幸だけを知っていって。


気がつけば毎日が楽しくないと、こんな不幸な人生嫌だと思っていました。


私の周りを、私の先を行くみんながとても眩しくて。


嫉妬で醜くなっていく自分とひたすら闘うだけの毎日。


なんで私ばっかりうまくいかないんだろう。


なんであの子ばっかりうまくいくんだろう。


そうやってずっと一緒にいた友達ともだんだんと距離ができて。


ヤキモチに呑まれていく自分をさらに嫌いになって。


だめだだめだと思うのに、どうしようもなく悲しくって。


高校に上がる頃にはまっさらな心で入学式を迎えていたはずの私も1年の冬を過ぎた頃にはずたずたになっていました。


なにかひとつうまくいかないとなぜか全部うまく行ってない気がして。


悔しくて苦しくて毎日わけもなく泣いて。


そんな時ひとつうえの先輩が私にこう言ったんです。


「幸せになりなさい」と。


優しく、でも力強く先輩はこういいました。


「幸せになるためにするべきこと。実はたった2つしかないって知ってた?ひとつは自分は幸せだって思うこと。そしてもうひとつはため息をつかないこと。」


電話越しに、ため息ついたら幸せ逃げるってあの言い伝え案外馬鹿にできないよ笑って笑ってるのを聞いたらなんだか少しすっきりした気もしました。


あとから聞いた話だと、その時先輩は自分のことでたくさん悩んでいたといいます。


それでも私が落ち着くまでは電話切らないよって笑ってくれた先輩をみて、こんな人になりたいと思いました。


自分が辛くても人の話を聞ける、優しい人になりたいと思いました。


友達がいて、勉強もスポーツもできないわけじゃなくて、家族仲良くて、彼氏もいて。


毎日楽しそうでいいよねって言われてた私は今どこにいるのでしょう。


中学生までは確実に私の中にいたのに。


高校生になってからも悩みなさそうだねって何度も言われて、でもその度に“ズキン“と心が疼いて。


毎日楽しいよって作り笑いで精一杯ごまかす私はいつから姿を現すようになったのでしょう。


そうやって作って笑ってる自分を見るのが嫌でだんだんと自分のことが嫌いになっていきました。


でもある時、ある人が「自然に笑ってる方がずっとずっとかわいいよ」って言ってくれたから。


こんな私でも、少しは良いところ見つけてもらえるんだなって思えました。


私にいる場所を与えてくれたのは、今私の周りで輝いている人たちです。


先輩や友達が救ってくれました。


みんなの笑顔が眩しくてずっと目をそらしていたけれど一歩踏み出してみたら世界が違って見えて。


「ここにお前の居場所あるから」


「自分を幸せにできるのは自分だけであり自分を不幸にしていくのも自分だから。どっちにもできるなら幸せを選ぶべきだよ。変えられるのはお前だけだけど、手助けならいくらだってするから。」


「辛いなら泣いちゃえばいいよ」


こうやってみんなが私の心を溶かしていったんです。


すました顔して、私の中にずっと引っかかっていた重りをどかしてくれたんです。


そんな彼らみたいになりたいから。


頑張ろうって思います。


土足でずかずか入ってくる彼らをはじめは拒んでいた私の扉もいつしか、開きっぱなしになりました。


開いたまま人の心の重りを退けるのさえ簡単なことになりました。


ずっと固く閉じていた私の扉は今、たくさんの人の支えで開いています。


心から感謝を込めて、この話を読んでくれている人に、人との関わりの素晴らしさを伝えたいと思います。


誰かひとりでもあなたのことを考えてくれる人がいたら、少し頼ってみるといいかもしれません。


辛い辛いと思うなら、肩を貸してくれる人に半分荷物をあずけてみたらいかがですか。

逃げられない現実と向き合う勇気がなくて。


その場しのぎでごまかしてきたわたしを。


影と共に生きていたわたしを。


暖かいお日様の下へ引っ張り出してくれたのは


他でもない、仲間の存在。


誰かひとりでも、味方がいれば。


世の中、捨てたものじゃない。

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