長門~ビッグ・セブンの誇り Old navy never die(海の古強者は死せず)~
「架空戦記創作大会2014秋」に参加作品。
【超特型警備艦≪長門≫】正式名称は≪超特型指揮試験警備イージス戦艦“長門”≫と物凄く長い。
第二次世界大戦前は日本海軍の象徴として親しまれ、そして現在も日本の象徴として世界に誇る【ビッグ・セブン】の数少ない生き残りの戦艦。
戦前・戦中のエピソードは史実通りなのでココでは割愛。終戦後の長門の歩みから。
終戦直後、大洋漁業(後のマルハ、現在のマルハニチロ水産)が捕鯨を再開するため母艦として第二復員省(元:海軍省)へ軍艦の借用を依頼したところ第一候補として例示されたのがこの長門だった。
紆余曲折あったモノの捕鯨船母艦および復員船として長門は敗戦後の日本の海を征く新たな人生をスタート。
これ等の任務後、アメリカによる原爆実験「クロスロード作戦」の標的艦として供与される予定だったが1950年6月25日≪朝鮮戦争≫が勃発した。
(史実では1946年に行ったが台風などの悪天候並びにソ連への対策、終戦のゴタゴタなどでズレ込んだ。)
この戦争に日本は国連軍の一員として朝鮮戦争に参戦。最初は補給物資の運搬や機雷除去など戦闘に関わらない後方支援のみだった史実より遥かに多く供給された、戦車、戦闘機などにより国連軍が押されまくり戦闘にも次第に介入していくようになる。
流石に地上部隊の派遣は無かったモノの長門による艦砲射撃、空母葛城、天城などからはアメリカから供与された機体や日本中から掻き集めた機体が防空や対地支援攻撃などを行った。
再建したばかりに日本側は戦力が全くと言っても過言では無い程に戦力はなく大破着底していた艦船も穴を塞ぎ、突貫作業で戦力化して送り込んだ。
F8FベアキャットやF7F タイガーキャット、P-51 マスタングなどレシプロ戦闘機を中心にアメリカから供与された機体たがインペリアル・アーミーの復活とアメリカへの反逆を恐れた議員・軍人などの妨害もあり全く足りず、日本中から戦闘機が掻き集められた。
特に≪コレが最後の機会だ!≫とばかりに紫電改、疾風、流星、彗星、銀河、試作機や少数生産などで終わった烈風、震電、橘花(火龍)などの日本戦闘機群がアメリカやイギリスの大馬力高性能エンジンを搭載した魔改造機の大盤振る舞いの機体が数多く投入された。
しかもパイロット達は坂井三郎を筆頭とした元第343航空隊など陸海のベテランのエースパイロット達が乗り込み、日本機と日本パイロットの意地を見せつけた。
そして朝鮮戦争の大きく転換したダグラス・マッカーサー発案の大反攻作戦≪仁川上陸作戦(オペレーション“クロマイト”)≫が発動された。
この時、投機性の高い、ギャンブルな作戦にワシントンの軍首脳などは俄然難色を示し、そこで敵の目を引き付ける陽動作戦として囮艦隊によるソウル砲撃という≪スレッジハンマー作戦≫を実施。
この囮艦隊は仁川上陸作戦に参加しない日本が囮を担当。この時の日本艦隊の編成は
戦艦:長門、伊勢、日向(2艦とも3,4番砲塔撤去し完璧な航空戦艦化)榛名(防空戦艦化)
航空母艦 : 葛城、天城、伊吹、龍鳳、隼鷹、海鷹、笠置、生駒、阿蘇
巡洋艦・装甲巡洋艦 : 鹿島、八雲、酒匂、妙高、高雄、青葉、磐手、出雲、北上、利根、大淀
潜水母艦 : 長鯨
敷設艦 : 若鷹、箕面
峯風型駆逐艦 : 夕風、汐風、波風
神風型駆逐艦 : 神風
吹雪型駆逐艦 : 潮
初春型駆逐艦 : 初霜
秋月型駆逐艦 : 冬月、夏月、花月
松型駆逐艦・橘型駆逐艦 : 竹、杉、槇、椎、榧、楓、蔦、欅、樺、萩、菫、楠、樫、柿、初桜、初梅、雄竹、若葉(梨)
これ等の艦は日本が保有する警備艦艇(戦闘艦艇)ほぼ全てであり、終戦後、大破着底していた艦を穴を塞ぎ、アメリカから供与されたレーダーやボフォース40mm機関砲など搭載。戦闘に必要な最小限の改装を突貫工事を行っただけの艦が多々だった。
これ等の艦以外にもアメリカから供与されたタコマ級フリゲート、建造途中で終戦を迎え、建造がキャンセルされて解体予定だったフレッチャー級、アレン・M・サムナー級、ギアリング級駆逐艦、エセックス級航空母艦イオー・ジマ、レプライザル(日本に編入後、赤城、加賀に改名)が日本に譲渡されて編入された。
寄せ集めの艦隊ながらのもしかし見事に囮をやり遂げた。首都攻撃阻止に燃える北側の数次に渡る空襲もなけなし艦艇による攻撃も全て回避し、撃沈艦無しのパーフェクトを成し遂げ見事に囮役を全うした。
その後、長門はベトナム戦争、湾岸戦争、ソマリア沖海賊の対処活動など多数の作戦にも参加。
そして終戦後から21世紀にいたるまで合計5度の改装を行われた。
戦艦という巨大の船体をテストベットと同時に<世界最強の二つ名を我が手に!>と云う執念から惜しみなく最新技術を次々と投入。
長門改装案にはNaval Holiday(ネイバル・ホリデー、海軍休日)中に計画された長門改装案の他に八八艦隊計画の十三号型巡洋戦艦をベースにして改装計画を立てた。
これ等の5度にわたる改装により新機関の搭載やヘリ格納庫と艦首ソナーの設置などお為。艦首艦尾の船体延長や艦橋の改装、ハリネズミの様に所狭しに搭載した高角砲・機関砲の撤去などにより外見はスッキリとなり若干、アイオワやビスマルク似たスマートな外見となった。
特にイージスシステムを日本の艦で初、そして世界初のイージス戦艦となった。
また旗艦としての能力も高く警備隊群司令部を十分に収容できる規模の司令部を設置できるだけでなく全警備艦艇の指揮が出来る旗艦としての充実した指揮・通信設備を搭載している。
機関はCOGAG(コンバインド・ガスタービン・アンド・ガスタービン)を搭載により速力と航続距離が大幅に向上。原子炉を搭載した≪原子力戦艦案≫もあったが流石にコレは棄却された。
戦艦の命である主砲も大和・武蔵・信濃の予備砲身として残っていた九四式45口径46cm砲を搭載。
当初はアメリカと共同歩調という事で弾の共通化としてアイオワ級と同じMk.7 16インチ50口径砲搭載案もあったが≪世界最強を目指してんだ!16インチ?長門のと同じじゃないか!そんなの居るか!!(意訳)≫なやり取りが在ったとか無かったとか。代わりに伊勢、日向、榛名がアイオワ級と同じMk.7 16インチ50口径砲を搭載。
装甲も複合装甲を導入し、艦載ヘリも搭載。VLSやCIWSも搭載しており防空・対潜そしてBMD(弾道ミサイル防衛)の運用も可能で主砲による弾道ミサイル迎撃も可能となった。
また最新技術により大幅な人数の省力にも成功。そしてその余裕のある船体が見込まれて世界で初めて戦術高エネルギーレーザーを搭載したテストベット艦となった。
今後の改装としては余裕のある巨大な船体と大発電能力を見込まれレールガンやBAEシステムズ社が開発中の機関砲と艦載レーザーが一体となった戦術レーザーシステム〈TLS〉の搭載計画も噂もされている・・・
また現在、長門以外の戦艦も他国は保有中。アメリカはアイオワ級戦艦4隻を三番砲塔を撤去した航空戦艦。イギリス・フランスはアイオワと同一砲に換装した戦艦〈ヴァンガード〉と同じく主砲を換装し後部副砲塔3基を撤去して航空戦艦化したリシュリュー級戦艦1番艦〈リシュリュー〉2番艦〈ジャン・バール〉
またイタリアもヴィットリオ・ヴェネト級戦艦1番艦〈ヴィットリオ・ヴェネト〉と2番艦〈リットリオ(イタリア)〉を修理としつつリシュリュー級と同じく主砲を換装し後部副砲塔3基を撤去して航空戦艦化する改修がされた。
この8隻プラス日本の長門+航空戦艦〈伊勢〉〈日向〉練習記念戦艦〈榛名〉の合計12隻の戦艦群達は≪ビッグ12≫≪トウェルヴ・シスターズ≫の二つ名で呼ばれている。
今まで日本の誇りである戦艦達の意志と遺産を受け継いだ長門は日本の海軍の艨艟として日本の誇りとして21世紀の今日も≪世界最強の戦艦≫としてあり続けている。
また余談ではあるが≪痛艦≫としても世界的に有名。特に一番有なのは「涼宮ハ○ヒ」の長○有希で当時、この塗装をした時は“血迷ったか!?”と物議を醸した。近年では「艦隊こ○くしょん」の長門のペイントをしたことでも有名。
【主要諸元(第五次改装時)】
排水量:基準45,000トン
全長:250m
全幅:36m
吃水:10m
機関:ガスタービンエンジン(300,000馬力)
速力:33ノット
航続距離:16ノット / 20000海里
装甲厚(最大)舷側300mm(複合装甲)
乗員:500名
[兵装]
45口径46cm連装砲(4基)
20mmCIWS(10基)
SeaRAM 近SAMシステム(6基)
Mk41 VLS(61セル)
HOS-302 3連装短魚雷発射管(4基)
戦術高エネルギーレーザー〈HEL〉(4基)
[艦載機]
SH-60J/K哨戒ヘリコプター(4機)
[レーダー]
AN/SPY-1D 多機能型(4面)(1基)
OPS-28E:対水上用(1基)
OPS-20B:航海用(1基)
[ソナー]
OQQ-21 統合ソナー・システム(1基)
OQR-2D-1:曳航式(2基)
[FCS(射撃管制装置)]
Mk.99 ミサイル射撃指揮装置(4基)
Mk.160改 主砲用(1基)
Mk.116 水中攻撃指揮用(1基)
[電子戦・対抗手段]
NOLQ-3D-1 電波探知妨害装置
Mk.137 デコイ発射機(6基)
OLQ-1 魚雷防御装置(MOD+FAJ) 一式
対魚雷デコイ(4基)
架空戦記の大和の様なチート最強戦艦ではないが中々に強力な戦艦になったと思う。電装などの装備はイージス艦を参照。戦艦ならレーザー兵器やレールガンも余裕で搭載可能だと思う。