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鉄道機動隊~今を歩む鉄道マン達partⅡ~

後編です。この作品は「架空戦記創作大会2015秋<架空の軍用車両>」&「架空戦記創作大会2016冬<架空のミリメシ>」参加作品です。後、ネタまみれです。


「状況終了!繰り返す、状況終了!鉄機隊の勝利!鉄道機動隊の勝利!」


耳に付けたインカムやスピーカーから演習終了の知らせ届き、草むらからワラワラと迷彩服の集団が出てきた。ざっと百数十人。

ココは日本の何処か山奥。季節は夏。草木生い茂り、緑溢れ、生い茂るTHE☆山な普通。その山の中に列車が居る。普通の列車とは見るからに違う異形の列車。



正式名称≪特殊鉄道防衛移動要塞列車≫


国鉄時代に作られた装甲列車。各方面の鉄道機動隊に配備された時代の遺物。そして頼れる同志。

国鉄時代に各方面の鉄道公安機動隊に一部隊づつ配備され、それぞれ《八雲》《永林》《白蓮》《西行》《八坂》と命名。

命名に際しては国鉄の保有車両と被らない様に配慮され、神仏や神社仏閣などから命名。

製造は戦後、何故か国内にあり、放置されたモノを使ってた九四式装甲列車の後継車両と云うのが名目なのだが、製造の経緯と計画などの書類が全くない。

一説には一部の部署が自主制作したものが何故か正式採用されたという説が有力。

その為、採用年月日も不明で書類を作るのに名前が無いと困ると臨時に仮の年月日で取り敢えず書類を作ったのがそのまま正式名称となってしまった。

その後、5つの鉄道公安機動隊の隷下に第101部隊、第102部隊、第103部隊、第104部隊、第105部隊の5部隊で編成される事となり、今日に至る。


基本的な編成は機関車×1、指揮車×1、砲車×4、銃車×2、対空車×2、計10両の編成、その配列は以下の通り。


砲車-銃車-砲車-対空車-機関車-指揮車-対空車-砲車-銃車-砲車-


各車の兵装に関しては以下の通り。


≪砲車≫短砲身155mm砲塔を一基搭載。

≪銃車≫40mm機関砲塔を2基搭載、追加で砲搭左右に対戦車ミサイル2基づつ計4基を搭載。

≪対空車≫20mmバルカン砲塔と砲搭左右に対空ミサイル4連発ランチャーを一基づつ搭載。


コレ等以外にもレーダー車、装甲貨物車、病院車、工作車、食堂車、お風呂がある風呂車、ミサイルを搭載したミサイル車(MLRSも搭載可能)無人機・ヘリを搭載した航空車、戦車や装甲車を乗せれる戦車運搬車など様々な車両がある。

製造・配備されて以来、各方面隊により独自改装がなされおり部隊ごとに仕様が違い、同じ車両は存在しない。


永らくDE10形ディーゼル機関車やEF66形電気機関車を主に使用していたが、老朽化が進んでおり、環境に優しいクリーンなハイブリット機関車、HD300形ハイブリッド機関車を使用。


鉄道機動隊は独自に軌間可変電車(フリーゲージトレイン)と複電圧車への改造を施して採用。


電化区間において異なる複数の電圧に対応ができる直流電化区間と交流電化区間の双方を走行できる交直流電車でもあり、フリーゲージトレインとして異なる軌間の線路へ直通することができる機構であり、車輪を車軸方向にスライドさせる台車を搭載した車両を、軌間の異なる線路を接続するように設置された軌間変換装置を通過することで軌間を変更できる。


この技術により標準軌(1435mm)の新幹線と狭軌(1067mm)の在来線の両方の線路上を走行可能な車両であるため直通運行ができ、しかも機関車の為、仮に電気が来なくても運行ができる。



装甲列車の砲塔が四方をそれぞれ向いており、その周りにはバラクラバで顔を隠し、手には銃火器を持ち、迷彩服を着てた集団。どう見てもハイキングに来た登山者には全く見えない集団。

そんな怪しい集団の向かいには揃いの制服を着た鉄道機動隊の皆さん。防弾チョッキを着て、手にはベレッタ93Rやサブマシンガンを持っている。


「みなさん、どうもお疲れ様でしたー」


演習監督官が労い‟お疲れ様でした―″と参加者が挨拶を返す。


「それでは演習の反省会と慰労会も兼ねて食事会をするので皆さん、こちら食堂車へどうぞ」


指示された食堂車の方へとゾロゾロと歩く。中に入ってゆくと食堂車の厨房からから元気の良い声が聞こえる。


「は~い、ボルシチにピロシキ。ビーフストロガノフは好きなだけお取り下さい。デザートはシベリアです」


「流石、旨いな。鉄警隊の飯は」


「だろ?うちの厨房は伊達に寝台特急や御召列車で鍋振ってないからな」


「鉄警隊は和洋中何でもござれだからな。最近じゃタイ料理とかハラール料理とか作ってるかなら」


「鉄道警察隊の料理は世界一ィィィ!!」


「それはやめろ。特にカレー道に命掛けてる海保さんが怒る」


「それにしても何でロシア料理なんだ?」


「この間、北海道でロシア軍とアメリカ軍との合同軍事訓練の交流で向こうの料理を教えて貰ったんだ」


「ああ≪北方日露特別行政区≫のロシア陸軍第18機関銃砲兵師団の連中だろ?まさか警察軍と同じ基地に駐屯している時代になるなんて昔じゃ考えられなかったな」


「今じゃあ、客船クルーズも人気でチケット中々、取れないし。ある意味〈メッカ〉だし」


「確かに〈メッカ〉だな( ^∇^)まさか日本の、あんな極北の地に軍事博物館が出来る日がくるとは・・・」


「あそこ凄いよな。大戦中の日本・ソ連の兵器がたいがい揃ってて、しかもほぼ稼働状態なんだから」


「設立にタ○ヤとか遊○館とかス○ソニアンとかが随分、協力したからな」


「じゃないと無理だろ。あの展示品。四式とか五式とかどっから見つけてきたんだよ!」


「展示してる日本の戦闘機もスミ○ニアンやソ連の倉庫に眠ってたのだけでじゃなくて確か北や中国経由で流れてきたって噂もあるしな。飛燕や疾風は分かるが五式戦とかどっから見つけてきたんだ?」


「あそこ法律とかロシア寄りだからな。金さえ払えば、実銃撃てるどころか戦闘機も戦車も動かせられるし、撃てるから〈北方のグアム〉とか言われてるしな」


「あそこは行ったが凄いぞ。ミリオタの聖地化してる。パスポート無しで行けて実銃撃ち放題、戦車も戦闘機も乗り放題。しかも退役したソビエト海軍の軍艦まであるんだから。‟タミヤの実物資料倉庫″なんていわれだけはあるぞ。蔵書も凄いからアニメや映画を作るのに参考で行く奴も多いぞ」


そんな雑談に耳を傾けつつ、料理を受け取って席について食べている隣へ鉄道警察の隊員が席に着く。


「黒田、お疲れ~御苦労さま~」


「お疲れ~じゃ、ねえ!思いっきり撃ちやがって」


「‟ステンバーイ・・・ステンバーイ・・・綺麗な花火におなり”って呟いてM3カービン片手に列車に爆薬仕掛けやがった野郎に言われたくない」


「そういうお前は‟死ぬのはお前じゃぁぁ!往生せいやぁぁぁ!”と言うかお前に言われたくない。てか、使ってる銃、何だよアレ?」


「フフフッ、いいだろう。倉庫掃除した時にぶっ壊れてた後期型100式機関短銃と二十六年式拳銃を見つけて100式は9x19mmパラベラム弾、二十六年式拳銃は.38スペシャル弾を使えるようにカスタムしたんだ!やぁ~大変だった」


「これだからガンマニアは・・・伊達に‟鉄警ガンスミス”って言われてないな。にしてもこれで10連敗だぞ。SST(特別警備隊)冬季レンジャー(冬季戦技教育隊)山岳レンジャー(第13山岳連隊)要塞警察(対馬要塞警察隊)、第15海兵師団。俺は飛び入りで参加した手前、大きな声で言えんが新人とはいえ精鋭部隊のこうも何回も負けると自信無くすぞ。特にSSTの第二山岳部隊の山猫(リンクス)の連中なんか、得意の山岳戦でかなりショックだったぞ、アレ」


「鉄道で私達に勝とう何て100年早い。お客様と列車に手を出す奴には容赦無用。それが鉄道警察のモットー」


「そもそも、小火器のみで装甲列車相手は反則だろ」


「コッチはサブマシンガン主体だからいいんだよ。襲撃者側だってATMなんか持ち込んでるんだから御相子だろうが。トップアタックとか反則だろうが」


「にしても今の時代に装甲列車、ね。戦争で使えるのか、コレ?」


「戦争は兎も角、割り合い使い勝手はいいかな。災害の時とか移動拠点に仕えて。司令部とか病院とか。工作車もあるから線路の修理だろうが建物修理でも出来るし。なんでもイケるな。戦時になった時は鉄道輸送がメインだな。空襲程度なら何ともないし、列車襲撃でも正面からなら生半可な戦力なら返り討ちだな。他にやるにしても支援砲撃や移動司令部、野戦病院くらいだな」


「支援砲撃だけとっても155mmやMLRS以外にも《アレ》使うんだろ?」


そう言いいながら指差した方向に食堂車の向こう側にあるのは巨大で異様に砲身の短い砲が載せられた車両がいる。



≪試製レーザー車≫

通称メーサー車。隊内外から〈メーサー車〉の愛称で言われている。列車と云う利点を生かし、大容量電力使用と列車に搭載して鉄道移動が出来る為、重量制限が厳しくないという点を利点を生かして開発。移動式の地対空貨物車両で弾道ミサイルや航空機を相手にする。


≪60センチ列車砲≫

通称カール君。日本が保有する世界最大最強の戦艦《飛鳥》と同一の60㎝砲を列車砲に改造。

開発ベースに第二次世界大戦中、ドイツ第三帝国が開発したカール自走砲を参考に開発された。

因みに開発には開発元のラインメタルも参加。列車砲の区分だが一応、線路外を時速20km程度で自力自走は可能。毎分3発。生産数2両。



「アレ、な。カール君は給弾から装填まで自動化されているから元ネタのより使い易くなってるが、兎も角、メーサーを見た時は正直、唖然としたよ。開発理由を聞くと電車だから架線や電源車で電力は使い放題だし、移動もし易いから納得しました。まぁ、ネタ兵器とか公式が病気とか色々と叩かれたが。しかもワルノリして車体のロゴ・マークがゴ○ラとかエ○ァのネタだし・・・」


「ま、まぁ、試作品引っ張り出しているのだからお陰で警備厳重だよな。今だって軌陸車が不審物の確認で先行して偵察してるよな」


「あれは便利いいですよ~デュアル・モード・ビークルで道と道路の両方を走ることのできるますから」


そう言っている話しているのは≪偵察軌陸車≫と呼ばれるJRの軌陸車の鉄道機動隊ヴァージョン。


‟軌陸車”とは軌道と道路の両方を走ることのできる車両である。一般的に鉄道保線用などに使用される。

今まで戦前の九五式装甲軌道車を改修したソキ改を再利用し、軌道車やクレーン装備の鉄道工作車を使っていたが流石に老朽化が酷いのでJR北海道が開発し、保線軌陸車として採用されたDMVデュアル・モード・ビークルを偵察軌陸車として採用。

因みに‟軌道車”は鉄道線路の視察・改修などのため、軌道上を走る小型車両の事を指す。

鉄道機動隊に採用されたモノはJRが採用したモノと性能は同一だが装甲化され、40mm機関砲と各種探知機を搭載している。

線路から道路、道路から線路への切り替えも10秒程度でスムーズに行えるため。線路・道路の双方で使用で重宝している。



そうやって談笑しているとスピーカーより通信が流れた。


「鉄騎01より、本部。お客さんです。カメラ構えた団体さんが橋になってる場所で待ち構えています。メーサーの偽装、再度点検しておいてください」


食堂車のスピーカーより流れた通信を聞き、2人とも黙りくる。


「なぁ、今回の演習極秘だよな?何で演習先に待ち構えているんだ?」


「仕方ないですよ。この子には固定ファンの鉄ちゃんやミリオタが多いですから。動くだけで今、何処走ってるって沿線沿いに情報流れて路線図片手にドコぞこに動くって予想されてウォチャー達がカメラ片手に砲列で待ち構えているのですから」


「・・・マニアの行動力ってスゲーな」


「まぁ、そのマニアさんの情報もばかにならんでコッチも情報貰ったりしてますからギブ&テイクでしょうかね」


お互いに黙って頷きながら、温かいボルシチを黙々と頂いた。うん、よく沁みてる。ライ麦パンを漬けて食べるのがイケるな。旨い。


今回は難産でした。ミリ飯とコラボするので書き直したり、ネタを色々と仕込んだり。

ネタはガルパンだったり、東方だったり、2月22日〈猫の日〉にかけての猫ネタや警察軍の先行ネタと色々。

装甲列車の名前は最初から神社仏閣関連で行こうかと考えて‟そういえば東方って確か神社仏閣の名前が多かったよな”で決めました。

カール君はガルパンの影響です。後、ヱヴァの〈独12式自走臼砲〉も。

他、警察軍の先行ネタを3つばかり投下。≪北方日露共同自治区≫と≪対馬要塞警察隊≫と≪‟山猫リンクス”≫


・「北方日露特別行政区」

北方領土返還されてロシアと共同統治している。主権は日本。学校では日本語とロシア語の教育が行われる。 主な産業は漁業とスキー、軍事博物館への観光客。


・「対馬要塞警察隊」

通商〈要塞警察〉対馬駐屯地に駐屯する警察軍。〈要塞警察〉と呼ばれるのは対馬府中藩桟原城と戦前に建造された対馬要塞に駐在しており、日本で唯一城と要塞にいる警察。

他の部隊にも《南部方面隊第15師団》や《第12空中機動山岳師団》などもある。


・「特別警備隊第二山岳部隊‟山猫”(リンクス)」

特別警備隊の第二部隊。通称〈山猫リンクス〉(部隊マークは猫又の山猫)

空挺部隊の第一と違い山岳戦闘と森林戦に特化した部隊。

なお、第三部隊〈オルカ(鯱)〉は船舶への臨検・移乗強襲、シージャック、海中や沿岸での戦闘など海上専用部隊。

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