#05 時の図書館
「皆様、ご覧ください!」
ニュースアナウンサーの背後に映るのは巨大なクレーター。
「先日、消息を絶った輸送船が原因だと思われる
この巨大なクレーターは・・・」
まくしたてるように口早に続けるアナウンスが
暗がりに映し出されたモニターから流れている。
「あんた逹、よく生きてたもんね・・・」
【時の図書館】と看板を掲げているこの建物の主
【リリー・キャット】
膨大な情報を管理する情報屋でもある。
最も、ほとんどは非合法な情報なのだが
「もう少しで、でっかいお宝が手に入ったんだけどな。」
結局、あの爆発の後何事もなく普段(?)の生活に戻ったローズ逹であったが
無事に助かったのは悪運の強さと言える。
「邪魔さえ入らなかったら・・・ちくしょう!」
思い出したかのように、拳を自分の掌に叩き付ける。
「珍しいわね?」
「次に会ったら、ボコる!」
握った拳を震わせる。
「何者かしらね?」
「それを調べるのがアンタの仕事だろ?」
「データベースは今、使用中だし・・・ね」
少し困ったように、あごで促す。
「困りますぅ~っ!」
足をパタパタ振りながら何やら、叫ぶはるかの声が響く。
良く見るとどうやら本に夢中になっているようだ。
ただでさえ貴重な【本】というものがここには所狭しと並んでいる。
そのほとんどは、失われた時代の文化の残りである
その中の一冊を無造作に拾い上げめくって見る。
【恋は爆裂・パンクラッシュ!】
と題されたその一冊に夢中になるはるかを眺めながら呟く。
「良くこんなん読めるな・・・」
基本的に文字を読むのは好きではないらしい。
「お~い、リリー」
誰か来客らしい。
「例のヤツ、判ったか?」
遠慮なくずかずかと入ってくる。
「あらブルー、いらっしゃい」
挨拶もそこそこにディスクを投げ渡す。
「あん?客か?」
受け取ったディスクをしまいながら隣に座る。
「まったく、邪魔さえ入らなかったら上手く行ってたんだがな・・・」
「まったくだ・・・」
やれやれとお互いに顔を合わせる2人
「・・・・・・」
しばらくの沈黙・・・
「あああぁ~~~!!?」
絶叫の二重奏が響き渡る。