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ロザリオン  作者: TAMA-RUN
13/13

#13 希望 -かけら-


はるか遠くで聴こえてくるのは


【歌声】


悲しみの


【鎮魂歌】


それは、新たなる希望への


【賛美歌】


罪を背負った

強き意思


悲しみを乗り越えし

強き心


そして


受け継がれし

あらたなる希望


未来は変えられる

滅びの道が結果だとしても


其処に至るまでには

希望が残されている


闇に閉ざされた中に

たった一筋の光


その先に繋がっているのは

【あした】


【あした】があれば

其処に【未来】が生まれていく


【春】

【夏】

【秋】

【冬】


めぐり往くのは


【未来】を生み出す


【季節】


今こそ、託そう


新たなる

【希望-かけら-】


それを持つ

愛しき娘たちへ


そして待とう

遥か高き処で


再び世界を

【導く為に】



-エピローグ-


全ては日常に帰る


混沌の中、繰り返されていく毎日

闇の中に流されて生きていく


それが今の【ヒト】の姿


「あら、いらっしゃい」


薄暗い中モニターに照らされて妖艶に微笑むのは

この場所の主

【リリー・キャット】


「ひさしぶり」

軽く手を上げて答える

その脇をくぐり、パタパタと駆け出す影


「みんなぁ」

その声に反応を示して、一気に騒がしくなる


「あ!」

「そこ・・・」

「危険区域」


たくさんの物をいっぺんにひっくり返すような

(むしろひっくり返した)

豪快な音が響き渡る


「すっかり馴染んだようだな?」

もはや、日常となったその光景に苦笑いがこぼれる


「おかげさまで、退屈はしてないわ」

あの騒動の後、はるかの強い要望によって

【まなつ】【あきの】【みふゆ】の処遇を頼まれたローズ

その結果【時の図書館】にて、引き取られることになったのだ


ついでに言うと、その見返りとしてしばらくの間

【タダ働き】という条件を、飲まざるを得なくなったのだが


椅子に腰掛け彼女たちの様子を、見守りながら思い返す


「取りあえずは、おわったな」

辺りのものは、すっかり瓦礫と化した

その場所で感慨深くつぶやく


「みたいだな」

「礼を言わないとな」

鋼となった右腕をかざしながら、言葉を続ける


「あんたの【大事なもの】って、その腕のことか?」

「それもあるけどな・・・」

ローズの問いかけに答えるように、ゆっくりとその手を開く

彼女の掌に落とされたのは、小さな袋だった


「なんだこれ?」

「お前らにやるよ」

それは大事な人に預けられた

【希望】


「お前らなら、きっと・・・」

その言葉をさえぎるように突風が吹き荒れる


その中から現れたのは

【天駆ける船】

この世界にとって異質なもの


「ブルー!」

「心配かけたな、ネア!」

呆気に取られているローズたちを尻目に、

親しげに会話を交わす二人


「この、バカチンがぁぁぁ!!」

言うが否やぶっ飛ばされるブルー

親しいんじゃないのか?


「この世界でのオレの役目は終わりだ」

「この世界・・・?」

「後は、お前たちがやるんだ」

「ほえ?」

側に居るはるかの手を取る


失われたはずの、はるかの右手は

ブルーと同じ【鋼の腕】として再生していた


「お前の【質天×倒】(しつてんばつとう)

本当の名は【アームド・アームズ】」


「その本当の姿は、持ち主を護る【盾にして剣】」

似合わないくらい、まじめに語るブルーに圧倒される


「お前は【導くもの】として選ばれたんだ」

「導くもの・・・?」

「今は知らなくていい」

そしていつも通り、漂々とした笑顔


「また、な」

その言葉を最後に、全ては消え去っていた


それこそ突風のように・・・


「おじょうさま!おじょうさまぁ!」

はるかの言葉で、現実に呼び戻される


「みてください!これ!」

うれしそうに見せてくれたのは


小さな鉢植え

そこには一輪の花


【希望】という【かけら】から

芽吹いた【未来】


それは、そこから始まっていく

あらたなる物語



-ロザリオン-


ひとまず幕引き



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