授業を始めるぞー byヒカル
遅ればせながらあけましておめでとうございます。
今回は新キャラの紹介回となります。
「はい、今日は転校生が4人いるぜ餓鬼どもー。
イケメンから美少女までよりどりみどりだから歓喜しろミーハー共ー」
「先生、椅子が足りないと思います」
「大丈夫だ。
今日の授業は椅子づくりだからな」
はい、こんにちは。
ヒカルです。
あれから二週間ほどたちまして、ようやく落ち着いたところです。
で、今わたくしがどこにいるかと申しますと、学校でございます。
王立ヴァルクロ学園。
ヴァルクロ一大きな学校で、平民から貴族まで、幅広く安い授業料で学べる総生徒数千五百人を超えるマンモス学校である。
あ?運営資金?それはあれだよ、M資金だよ。世界四大学校として数えられ、魔法科、騎士科、薬師科、普通科、帝王学等々、様々な学科を選ぶことができ、その学科に応じた教師が割り当てられ、卒業と同時にその学科の資格を取る事ができる、つまるところは学科ひとつひとつが専門学校みたいな所だ。
ちなみに俺も教師の一人である。
受け持っているのは勿論魔法科。
「はい、じゃ、紹介すっぞー。
まずうちの子ー」
「影郷歩ですっ。
よかったら仲良くしてくださいっ」
パチパチと拍手が鳴る中、「あぁ、あの子が魔王さんとの子かぁ」と聞こえる。
「えー、義理の子供ではありますが仲良くしてあげて下さーい。
ちなみに俺は親バカだからえこひいきするぞ」
「先生、大分問題です」
「ちなみに男の子なんで野郎共遊んでやって下さい」
『はい?』
予想通りの反応ありがとうございます。
「はい、次。
時代に先駆けて魔物の子が転入ー」
「…………」
「…………」
静まり返る。
生徒も挨拶をするものだと思っていたのだろうが違う。
残念ながらこいつらの種族を考えればそんなもんだ。
「はい、こちらはアンデッド族代表で転入してきたゾンビの双子、サリアさんとセリアさんです。
どうやら声帯がイかれているらしいので会話は筆談になりまーす」
「「…………」」
二人揃ってぺこりと頭を下げた後、チョークで黒板に字を書き始める。
二人はしばらくするとチョークを手放し、そして正面に向き直りお辞儀。
黒板を見ると、
『声は出せない』
『出せるのは目玉』
「やめてくださいねー」
グロ注意だった。
「さ、気を取り直していくぞー。
最後はこの人ー」
ドアをノックして入ってきてもいいという合図を送る。
ガラガラと引き戸が開き、中にぬっと巨大な影が入ってくる。
身長が恐らく三メータルはあるだろう影は、赤い瞳で生徒達を見下ろしていた。
「巨人族のブレイヴ=ギルディアです。
至らない点多々あると思いますが、皆さんよろしくお願い致します」
巨大な身体で、器用にお辞儀をしてくれるブレイブ君。
デカいとにかくデカい。
「彼は7歳です」
『(どうしよう、びっくりしすぎてついていけない)』
「えー、戦士一筋の巨人族唯一の魔術師の素養がある少年だそうで、内包している魔力も一般の魔術師を超えているということです。
とりあえずみんなの後輩だから優しくしてあげてくれー」
「よろしくお願いします」
またしても丁寧な口調でお辞儀をしてくれる。
これだから巨人族は評判がいいんだよな。
礼儀正しく仁義に厚い。
おまけに作法もバッチリと来た。
「さ、三人は空いてる席に座ってくれ。
ギルディア君は明日椅子持ってくるから、今日はとりあえず普通ので勘弁してくれ」
「はーい」
「「……」」コクコク
「お手数おかけします」
よし、じゃ、始めましょう。
「授業を始めるぞー。
教科書の32Pを開け」
次回は授業という形で、ヴァルクロ王国の成り立ちやらなんやら意味のわからないことを並べます。