リミッター解放、レベル解析!術式展開!魔力循環、オーケー!対象指定、オールクリアー!GO、契約召喚!カモン、《○G ハイパー・勇者リアン》!―――真面目にやりなよ byヒカル&ディスク
このサブタイ
大丈夫でしょうか?
ダメだったら後ほど書き直したいと思います。
最後の結界が破られたぞー!
「呑気にしてる場合か主」
「しょうがないよね、人間だもの」
「マスターも早く書きなさいよ!
手が止まってるわよ手が!」
皆で魔法陣を書いております。
ほら、あれだよ。
勇者召喚の儀ってやつ。
わざわざ王立図書館の第一級隔離指定書物を引っ張り出して、模写してるわけだよ。
あ、ここ城の地下室。
ちょっと広いし、ちょうど立方体の部屋だったし、お誂え向きに荷物は端に寄ってたから真ん中に魔法陣書けるよ!
「あ、エリゴスそこちょっと違う。
そこの古代ルーンは『世界を超えて』じゃなくて『異界より来たれ』だ」
「む、すまない。
間違えてしまった」
「ピクシー、そこのわっかはいらないよ」
「わ、わかってるわよ!」
ちょこちょこ間違えてしまいます。
しょうがないからもう一体召喚しよう。
首筋の魔法陣を軽く撫でて、魔力を流し込む。
「おいで、リャナンシー」
現れたのはピクシーと同じ大きさの緑髪の女の子。
緑色の服はダボダボで手が出ていない。
背中には、万年筆を背負っている。
あ、ちなみにこの万年筆は俺があげたやつな?
「あらら、魔法陣書いてるの?」
「悪いけど手伝ってくれ。
勇者召喚の陣だ」
「うは、そりゃ大変ね。
じゃあちゃちゃっとやっちゃいましょ」
アイルランドの緑の丘の近くなどに現れ、いつも人間の男性に愛を求めてくる女性の魔物。
リャナンシーの愛を受け入れた男性には、詩の才能と美しい歌声を与えてくれるらしいが、その代償として毎日少しずつリャナンシーに精気を吸われていく事になるんだとか。
俺、代償は知識とインクと羊皮紙だけどな。
まあつまり、この妖精にとり憑かれた野郎は、詩や歌声の才能と引き換えに早死にするっていう寸法よ。
こいつとの契約法は簡単。
リャナンシーの生息地である“妖精の書庫”の異名を持つ図書館に行き、数万ある本棚の数十億ある本の中から“詩集”を見つけ出すことでリャナンシーに会える。
で、ここからが重要だ。
そのリャナンシーと、意気投合すること。
リャナンシーは空想と創作、そして音楽と詩が大好きだ。
つまり、現世の音楽をかき鳴らしたり(ちなみに迷惑がる司書さんはいない。あまりの広さに迷子になって出てこられなくなって餓死する司書が多発したからだ)BL話やらアニメの話やら与謝○晶子やらを巧みに話し、後はインクと羊皮紙を持って、『これから一生リャナンシーであるあなたに7日に一度十枚の羊皮紙と、インクを与え続ける』と契約すればオーケー。
簡単だろ?
「ピクシーちゃんジャマイカ!
相も変わらず可愛いのうwww可愛いのうwww」
「や、やめてよ!
気が散るでしょ!」
「ツンデレktkrwwwwwテラカワユスwwww」
俺のせいでこんな奴になっちまったがな!
しかも腐女子になっちまったよ。
たまに無断で俺の仕事場に来ては“フェアリー創作祭”(異世界版コミケ)用の原稿を仕上げに来る。
それがまたBL物オンリーでさぁ……。
「主よ、ぼーっとしてるんじゃない!」
やべ、親愛なる読者の皆様に「誰得wwww」とか言われちまうよ。
「へいへい、ちゃちゃっとやるお!」
「出来た!
第四話完!」
「おいやめろ」
リャナンシーにネタを教え過ぎたかな……。
「さ、召喚しますか」
「あぁ、さっくりやっちゃってよ」
いつからいたディスクよ。
「いくぜ……!
リミッター解放、レベル解析!術式展開!魔力循環、オーケー!対象指定、オールクリアー!GO、契約召喚!カモン、《○G ハイパー・勇者リアン》!」
「真面目にやりなよ」
「何故不真面目だとバレたし」
だってよ……この展開ってさ?
欲望丸出しのイケメン(笑)チート転生者が召喚されるっていう二次創作にありがちなあれだろ?
ううむ……しかし死にたくは無いしな……。
「しょうがない、真面目にやるお」
「早いとこやっちゃってくれないと。
ミーナこっち来てるよ?」
「それを早く言え!
エリゴス!ピクシー!リャナンシー!戻れ!」
召喚獣をみんな戻す。
そうしないとこれは発動出来ないからな。
異界とこの世界を繋ぐんだぜ?
まあ、魔力には少し余裕があるが、魔力操作が難しいんだよこれ。
「下がってろディスク!」
魔法陣のはじに杖の先を突き刺し、合掌。
「“勇在りし物、異界より来たれ。
我が魔力を持って異界の門を開き、我らに希望を与えたまえ”!」
詠唱が終わり、俺の身体中にある魔法陣、刻印がざわつき始める。
そこで、頭に声が響く。
『久方ぶりだな
お前がこれをするのを待っていたよ』
てめー、俺が最初にこの世界に来たときの!
待ってただぁ?
じゃあ何か!この召喚でやってくるのは、お前が巻き込んだもう一人のあっちの人間ってか!
『巻き込んだは正しくない
正確に言えば、わたしはあの子を救いたかった』
救いたかった?
『神は無力だ
だが、人間には可能性がある
ならば、その可能性にかけるのみ』
可能性だのカノウセイだのうるせーなお前、そんなにホラゲがしてえか。
『私達神と言う存在は、基本的に人間に干渉することを禁じられている
故に、今私は神々によって堕天しかけている』
俺に干渉したからってか?
『そうだ
だが、私の覚悟は出来ている
だから、最後にお前に託したい』
おう、言ってみろ。
死にかけてる奴の願いを聞かねーほど俺は懐が狭くはねーよ。
『これからお前が召喚する勇者を……守って、そして、面倒見てやってくれ……
ちょっと人見知りはするが、とてもいい子なのだ……』
親か!?
『頼んだぞ……』
そう言って、その声は離れていった。
声が聞こえなくなった代わりに、少しばかりの魔力(といっても結構な量だが)が身体に送られてくるのを感じる。
やってくれるぜ神(仮)!
でもな!ちょっとでも足しになればと思ったんだろうがちょっと魔力操作しにくい!
「魔力収束」
それでも根性で魔力を収束していく。
俺が手を振るうと、輝く魔法陣の中心から鎖が四本飛び出し、部屋の天井四隅に突き刺さった。
「そらそらぁ!
出て来い“異界の門”!」
俺は魔力を集中させて魔力と共に拳を振り上げる。
すると、轟音を響かせながら魔法陣からなかなかの大きさの扉が出て来た。
扉は中世ヨーロッパとかにあるような石造りの彫刻が施され、重々しい存在感を放ちながら佇む。
俺は手を扉に向け、魔力を集中する。
「長々待たせやがって……来な!勇者!」
手をぐいと引き寄せると、扉は重い音を立てて開き始めた。
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