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ガラス製の彼女  作者: みすず
第三章 女神
12/14

女神はただ言う

目が覚めたらそこは

広い草原であった。


何処かに似ている。

何処に?

・・・・そうだ、ハルと始めて出会った草原だ。

奥には森もあった。

ここで、毎日遊んだ。


「ハル!さっさと来い!置いていくぞ!」

「ちょ、ちょっとレフ!待ってよぉ!!!」

後ろから声がして振り返ると、そこには

あの頃の俺らが居た。。。


二人で綺麗な蝶を追いかけているんだ。。。

そうだ、思い出して来た。そうして、俺は

「よおし!!捕まえるぞ!えい!!」


拙い魔法で蝶を絡め取った。

動けない蝶は、頻りに触覚を動かし何が起こっているのか確かめようとしているみたいだった。

それをみたハルは、悲しげな表情になり、

こう告げた。


「・・・ねえレフ。放して、あげよう?」

「はあ!?なにいってんだハル!こんなに苦労したんだぞ!」

「でも、可哀想だよ!」

「蝶に可哀想も糞もない!これは俺のもんだ!」

「・・・蝶は物じゃないよ!!」

「物だ!蝶に感情なんかない!物だ!!」


「レフの馬鹿!分からずや!!」


ザッザッと去って行くハルをみて、フンと鼻を鳴らし蝶を箱に入れようとした俺は

何らかの違和感を感じた。

・・・泣いている。

蝶が泣いている。そんな気がした。


そして、気がついたら俺はその手から蝶をひらひらと放して、ごめん。と呟いていた。


・・・・ハルとは、あの時どうしたっけ?何だかんだでまた一緒に遊んでいたなあ。


思えば、これがハルに教わった。始めてのことだったな。。。

そう考えて、

ふっと目を辺りに巡らせると、幼い少女がいた。

・・・ユキ。


一目でわかった。こいつはユキだ。

「・・・ユキ。何を、している?」

彼女は応えず、ただ、俺を見ている。


答えてくれずとも、その瞳に映っているというだけで

ザワザワと心が舞い上がった。


すると、ユキがかぱりと小さな口を開け、叫んだ。


「ねえ!知ってる?あたしはもうすぐしんじゃうの!」

「!??な、何を物騒なことを!ユキ!お前は死なない!死なせない!」

「無理だよ!だってもうすぐ来ちゃう悲しい哀しい魔女さんが、

涙に濡れた。魔女さんが!」


魔女だと?

しかし、ユキがガラスになったのはもう少し成長してからでは無かったのか?

何故、ユキはそれを知っている?何故逃げない?


「でもね?あたしは居なくなった方がいいの!お父さんも、お母さんも

あたしは未来が見えるから、気味悪いって毎日ぶつから、居ない方がいいでしょう?」


何だって!?


意味が分からない。ユキには未来が見えたのか・・・?

ガラスになったのを死んだと思ったのか?

そして、、、悲しい魔女?


「何で、魔女が悲しいんだ?あんなお前に化ける様な汚い女、哀れに思う必要はない。」

「・・・・ううん。やっぱり、悲しいよ。魔女さんはね、こんなことをするのはね?

全部・・・・・


その言葉を聞いた時、呆然とその場に突っ立っていて

ユキの瞳が近づいてきたと思ったら、

目の前が、馴染みのあるあの床になった。


「う、うう、、、、!!!ユキ!!」

がばっと起き上がり、自身の寝室を急いだ。


・・・ユキ。お前の言葉を信じるよ。

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