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ガラス製の彼女  作者: みすず
第三章 女神
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女神のささやき

静かな笑い声が、豪奢な部屋に響いている。


その発信源は、アルノリド王子。

いや、もはや王子の原形を保っていない其れは、

みるみる内に黒い塊へと進化して行った。


何が起きている・・・?

俺は、この黒い塊から発せられる凄まじい魔力に圧倒されそうになり

必死で踏ん張る。

いつでも攻撃ができるようこちらも魔力を溜めると、

その塊が遂に人型になった。


そして、息を呑む。


「・・・・・メイ、いや、魔女か。」

ユキと瓜二つ。しかし圧倒的に何か違う雰囲気を出している彼女を

魔女と判断する。

魔女は静かに笑っていたのを、何が可笑しいのか更に高笑いを始めた。


「ふ、ふふふふ、、お久しぶりですわレフ殿下。。。よくぞお見破りになったこと、、、」

「貴様が魔女か。一体何故今頃ユキを探す?ユキを元に戻せ!!!」

「そんなお願い聞くとでもお思いですか?馬鹿馬鹿しい

おとなしく貴方はあの女を渡せばいいのよ!」


轟々と魔女の周りに竜巻の様な渦が出来る。

「させるか!」

こちらも水の渦を作り上げる。


「一つ聞こう!!アルノリド王子は!あいつは知っているのか!?」

「・・・・いいえ?知りませんわ。あのうすのろは何も知らず、

今日も私に愛を囁きになっていて、、、ふふ、本当、男ってみんな馬鹿!!」


風が矢のように切り裂きにかかってくる。

寸ででそれを食い止め、水弾を放つ。

「レフ殿下!何故あんなガラスになった無機物の女など愛せますの!?

何故!ずっと、ずっと私の方が美しいのに!!!生身の私の方が!」


一瞬魔女の瞳が、狂おしいほどの光を放つ。

それが眩しくて、俺は隙を作ってしまった。

それを突かないわけが無い魔女は俺の腹部に拳を叩き込んで来た。

「ぐふっ!!!!げほっ・・・・ご・・・ほっ」

苦悶の表情の俺を魔女は耳まで裂けるほどの笑みで見下し、

部屋から消えていった。


・・・・やばい。

ユキが、ユキが殺される、、、

くそっ動け体・・・!

この、ままじゃ、

・・・・・・・・ユ、キ・・・・・・



意識が白黒して行く中、俺は這いつくばっている床に

一つのペンダントがあるのを見つけ

震える手でそれを掴んだ。


瞬間、何かが聞こえてくる。

優しく清らかなそれでいて溌剌とした声。


ユキが声を発するならこんな声だろうと

考え、静かに瞼が閉じて行った。



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