約束の思い出
ある中学校の教室はホームルームが始まる前で騒いでいた。
「聞いたか?2年1組のあいつの妹、心臓の病でもう長く生きられないらしいぜ」
「うわっ可哀想、まああいつの妹さん元々体弱かったらしいね」
その子をあざ笑うように言った。
「あいつ最近ずっと病室で看病してるらしいぜ」
「確か手術費用が百万円以上するらしいね」
「終わったな、妹さん」
みんなが話をしていると、別の生徒が違う話を持ち掛けてきた。
「そう言えば、お前あの噂信じるか?」
「噂?」
生徒は不思議そうに言った。
「あれだよ。あの森の・・・」
「はいはい、ホームルームを始めるわよ」
生徒が話をしようとすると、先生がホームルームを始めた。
「「はーい」」
すると生徒たちは、一斉に言った。
その頃、ある病院の病室に寝込んでいる7歳児の女の子がいた。
そして隣には、小麦色の髪にきれいな水色の瞳の女の子はその子を心配そうに見る姉だ。
すると、寝ていた子が、起きた。
「おねえ・・・ちゃん」
小さい声は、自分の姉を呼んでいた。
「どうしたの?リオどこか痛い?」
姉は、心配そうに妹に聞いてみた。
「うん。ちょっと、全身が痛い」
そのあと、リオはある言葉を言った。
「私、なんで生きてるのかな」
それを言うと姉は、怒った。
「何言ってるの?そんなこと言っちゃダメでしょ!」
「だって私わかるんだ。私もう生きられないと思うよ」
「そんなことないよ。あなたの病気が治るようにお母さんやお父さんがずっと頑張ってるのだから生きて、
昔みたいに楽しいことしよう!」
「うん。分か・・・った」
そう言うとリオは、ゆっくりと眠りに落ちた。
リオが寝た後、姉は目から涙を流して言った。
「どうすれば、リオの病気は治るの?」
そう言った後、5分ぐらい泣くと少しずつ姉も眠りに落ちた。
空が曇っていた頃、リオの姉は学校に行くと、クラスにはクラスメイトの生徒が待っていた。
「お前の妹の病気、もう治らないんだってな」
生徒は挑発するように言った。
「だから何?あなた達に関係ないでしょ」
姉は怒りながら言った。
「いや、お前噂の約束お化けのところに行ったらどうだ?」
「約束お化け?」
そう言うと、生徒は約束お化けの噂をリオの姉に伝えた。
「約束お化けは、この近くにある森に住んでる幽霊だよ。そして、森に来た人に会ったら<約束>をするんだよ」
「約束?」
聞いてる最中に不思議そうに聞いた。
「ああ、約束をすると自分の最も願ってることを叶えてくれるんだ。」
「でも・・・」
「でも?」
「その代わり願いお化けのお願いもかなえないといけないんだ。
もし・・・約束を守らなかったり、破ったりする者はそのあとどうなるか分からないようだ」
それを聞くと姉は、少し黙った。
もし、約束お化けに会ったらリオの病気を治してもらえるかも。
「さあ、どうする?まあお前にそんな勇気あるとは思えねえがな」
「ほら、どうすんだよ。須賀谷リン!」
生徒が大きい声で言うとリンは、言った。
「それでも妹は・・・リオは、私が絶対に助ける」
そして、リンは家に帰ると親に言った。
「お母さんお父さん私、ここの近くにある森に行きたいの」
すると両親は、びっくりしながら言った。
「もしかして、あの約束お化けのところ行くんじゃないんでしょうね?」
「うん」
言うと、両親は怒った。
「駄目よ。絶対にダメ!」
「何でよ!」とリンが言った。
「それは・・・」と両親は困った。
「と、とにかくあの森には絶対に行ってはダメ!」
親は、リンに念を押した。
「はい・・・」
リンは、諦めた声で言った。
翌日、昼過ぎにリンは学校に行く途中にあるバス停へと向かった。そして、バスに乗ると噂の森に行った。
徐々に近づいていく途中にある一軒家があった。
「こんなところに家なんてあったんだ」
もしかしたらあの噂について詳しく知ってるかもしれない。
リンは心の中でそう思った。
そうして、リンはその家に入っていった。
「すみません。誰かいますか?あの森の噂について何か知りませんか?」
リンは、大きい声で言った。
すると、階段からリンと同い年ぐらいの男の人が来た。
男の人は黒のジャンバーを着ていて、髪も瞳も真っ黒な色だ。
「あ、あの、あなたはここの住民さん?」
すると、男の人はリンの顔を見て驚いていた。
「あのー、私の顔に何かついてますか?」
言うと、男の人は首を横に振った。そして男の人は言った。
「ここは、お前が来るところではない。さっさと帰れ」
「あの、私約束お化けに会いに来たんです。その・・・約束お化けについて何か知りませんか?」
それを聞くと、男の人は怒った。
「いいか!約束お化けの所・・・つまり森の中には絶対に行くな、いいな!」
「もしかして約束お化けについて詳しいのあなた?」
「だから、約束お化けのことを調べようとするな!」
「でも、私にはどうしてもやんないといけないことがあるの」
「はあ、お前どうしてここに来たんだ?」
そう言われるとリンは、慌てた。
「話は、聞いてやる。来い、お茶ぐらいは出してやる。」
そう言うと、男の人はリンを案内した。
初めて会う人なのになぜかあったことがあるような気がするなんでだろう?
男の人も私の顔を見てびっくりしてる。
「ほら、今飲み物を持ってきてやる」
そう言ったら、男の人はどっか行った。
「こんな凄い家に何人で住んでるのかな?」
疑問に思っていたら、男の人は右手に飲み物を持ってきた。左腕は指一つも動いていなかった。
「あれ?どうしてあなた、右手にしか持ってないの?」
「べ、別にいいだろ」
質問すると、男の人はためらった。
「もしかして、あなた・・・左腕動かないの?」
すると、男の人は首を少し縦に動かした。
「と、とにかくお前、何で約束お化けの所に行こうとしてたんだ?」
男の人は話を変えた。
「分かりました。話しますね」
そして、リンは今までのことを話した。
話し終わると、男の人は「なるほど」と言った。
「話は分かった。だけど、それでも行かせられない」
「なんで!」と怒った声で言ったリン。
「約束お化けは近づく子供と<約束>を交わす。それは知ってるな?」
「はい」とリン。
「約束お化けの約束は最悪の場合死ぬぞ」
「死ぬ・・・」
リンは少し、体に寒気を感じた。
「お前が死んだら、妹さんにも二度と会えないぞ」
「それが嫌だったら、さっさと帰るんだな」
男の人はきつく言った。
「わ、分かりました。最後にあなたの名前なんて言うの?」
男の人は答えた。
「・・・ナオト」
「えっ」
「神田ナオトだ」
あれ、なんか聞いたことがある名前・・・何だっけ?
考えているうちにスマホから電話が鳴った。
「あっ!」
「ちょっと、待ってください」
「あっお母さん何?」
「何?じゃないわよ。今いったいどこにいるのよ」
電話からは怒っているお母さんの声が聞こえていた。
「あっあの・・・」
どうしよう。お母さん、すっごい怒ってる。なんて言えばいいんだろう?
その時、ナオトはリンのスマホを取ってリンの親に言った。
「すみません。彼女は噂の森の近くにある僕の家にいます」
それを聞いた親は言った。
「なんですって!本当にすみません。すぐに、家に帰るように言いますね」
「分かりました。ですが、もう今日は遅いので明日帰らすので。それでいいですか?」
リンは時計を見ると時間はもう7時だった。
「はい、分かりました。本当に申し訳ありません」
リンの親は、心の底から謝っているのがわかった。
そして、ナオトは電話を切った。
「あの・・・」
「夜は幽霊が多くいる」
「どうしてそんなに、あなたは詳しいの?」
「僕は、あの噂の森とここを管理する管理人のようなものだ」
「だからそんなに詳しいんですね」
リンは感心した。
「今すぐに帰ってほしいが、仕方ない今日はここに泊まれ」
「はい、すみません。そういえばここ、何人住んでるんですか?」
ナオトは、首を横に振って言った。
「僕だけだ。ていうか、ここの近くに村がある。ここはそこの図書館のようなものだ」
「ずっと一人でここに?」
そう言うと、ナオトは下を向いて言った。
「昔は一人の老人と一緒に住んでいた、けど・・・」
「分かりました。もう言わなくていいです。ごめんなさい」
リンは謝った。
その後は、長い沈黙が続いた。
沈黙が続く中、急に玄関の扉が開いた。
「げっ、管理人あなたとうとう彼女出来たの!」
言ったのは、リオと同じ7歳ぐらいの女の子で薄い紫色の髪、きれいな茶色い瞳の女の子だ。
すると、二人は顔を赤くして言った。
「違うよ」
「ちげえよ」
「おおー息ぴったりだね」
女の子は二人をからかった。
「あなた、名前なんて言うの?こんな夜に一人は危ないよ」
聞かれた女の子は言った。
「私は櫻田ミツル可愛い女の子だよ」
ミツルはノリノリで言った。
「ミツルちゃんっていうんだ、よろしくね!私は須賀谷リン」
「こちらこそよろしく、お姉さん」
「ミツルは村では二つの意味で有名だ」
「二つの意味で?」
リンは不思議そうに言った。
「一つは村のある名士に生まれた子だから、とてつもなく霊感が高いこと、
二つ目は学校をさぼりまくる変人として有名だ」
そう言うと、ミツルは怒った。
「二つ目は、余計なお世話だ」
その後ミツルは、怒りながらも自分の気持ちを落ち着かせて言った。
「あっそうそうお姉さんってあまり見ない顔だけど村の人じゃないよね?」
「うん。いろいろ訳があってね、そういえば霊感って何?」
ミツルは説明した。
「霊感っていうのは、簡単に言えば幽霊が見えることだよ」
「えっ、ミツルちゃんは見えるの?」
「うん。私だけじゃないよ、管理人もそうだよ」
「そうだったんだね」
ナオトさんも霊感あるんだ。
「あっ、そう言えばナオトさんとミツルちゃんってどういう関係なの?」
「ここは、ミツルにとっての隠れ場所だ。本当に迷惑だ」
そう言うと、ナオトはそっとため息をした。
「なるほど」とリン。
「もういい、話は終わりだ」と吐き捨てるようにナオトはどっか行った。
「・・・あの、私どこで寝れば?」
質問すると、ナオトは答えた。
「右に曲がって進むと、安眠スペースがある。そこで寝てくれ」
そう言って、ナオトはどっか行った
その後リンは、言われた通り安眠スペースへ行った。
「約束お化けは幽霊だから、私見えるかな?」
そう言ってリンは、眠りに落ちた。
翌日の朝、雲一つない快晴にリンは家に帰る途中ミツルに会った。
「おはよう、お姉さん。どっか行くの?」
「うん。家に帰るの」とリン。
それを聞くとミツルは、元気のない声で「そっか」と言った。
「お姉さんって、どうしてここに来たの?」
質問されたリンは、説明した。
「へーお姉さん、約束お化けに会いに来たんだ」
「そうなの」
「だけど、あの森には良くないものがいる気がするんだ。だからあそこは危険だと思うよ」
「良くないもの?」
その時、リンの背後からある囁きが聞こえた。
「おい・・・で、おい・・・で約・・・束を誓い・・・ましょ」
その声は、酷く冷たく感じた。
リンは寒気を感じ、後ろを見たがそこには誰もいなかった。
「どうしたの?」
焦っていたリンはミツルの言葉で我に戻った。
「ううん。何でもないじゃあね」
リンは笑顔で言った。
「うん、じゃあね。また遊びに来てね!」
ミツルも笑顔で言った。
そうして、家に帰ったリンは親に怒られた後、眠りに落ちてある夢を見た。
真っ暗な闇の中に一つの光がともっていた。
リンはその光に向かった。だが、向かってる途中に全身が真っ暗な姿の幽霊が現れた。
「約束を誓いましょ。そしたら、あなたの願いを叶えてあげる。
そして、あなたは私の願いをかなえて頂戴な。もし、約束を守らないのであれば・・・お前の命をよこせ!」
そう言うと、幽霊は私に近づきながらクスクスと笑って言った。
「お前の友を救う為に」
えっ、友?
そう思っているとリンは、夜遅くに目を覚ました。
「あっ夢か。だけどはっきり覚えてる、何でだろう?」
そう言ったら、その後寝るのに時間がかかった。
翌日、リンは親に言った。
「約束お化けに会いに行くとかじゃなく、あの村にもう一回行きたいの
そして、友達になった人達ともっと仲良くなりたいからいい?」
そう言うと親は、悩んだ後言った。
「あなたに友達ができたのはいいことだからいいわよ。リオも今調子がいいみたいだしねいいわよ」
言われたリンは、笑顔で「うん!」と言った。
そして、村へと向かったリンは途中にある図書館に行った。
図書館についたリンは深呼吸をして、扉を開けた。
「あのナオトさん、いますか?」
言うと、廊下からナオトではなく、ミツルの姿があった。
「お姉さん!どうしたの?」
「ちょっとね。この村について知りたくなったから、とうぶんここにいることになったの」
「えっ!本当、やったー」
ミツルは笑顔で言った。
「でもお姉さん、どこで生活するの?」
疑問に思ったミツルはリンに聞いた。
「この村に一軒だけ宿があったからそこに泊まるのよ」
「ふーん、そうなんだ。あっ待ってね今、管理人呼んでくるね」
そう言ったら、ミツルはどこかに行った。
「お、お邪魔します」
一人になったリンは、靴を脱いで上がった。
「相変わらず、凄い場所だな」
でも昔も行った事がある気がするなんでだろう?
そう思っていると、どこからか謎の声が聞こえてきた。
「おい・・・で、おい・・・で、こちらにおい・・・で」
それを聞くと、リンは周りを見るが誰もいなかった。
最近ずっとこの声が聞こえる。どうしてだろう?
そう考えていると、ミツルがナオトを連れてきた。
「お前、また来たのか」
ナオトはきつく言った。
「ちょっと、管理人失礼だよ。乙女心なさすぎるよ」
「うるせえ」
ナオトとミツルは怒鳴りあった。
「あの!」
リンは大きい声で叫ぶとナオトとミツルを落ち着かせた。
「私、ナオトさんが少し心配で来たのもあるんです」
「僕が心配?」
ナオトは不思議そうに言った。
「だって、ナオトさん左腕不自由なんですよね?」
「あっああ・・・」
ナオトは小さい声で言った。
「だから・・・私にできることがあればしたいなと思って」
顔を少し赤くして言った。
「それはありがたいが、お前ひとりでできんの?」
「うっ・・・」
リンはためらっていた。
「あたしも手伝うよ」
言ったのは、ミツルだ。
「ありがとう。ミツルちゃん」
「えへん!」
ミツルはいつも通りにノリノリだった。そして、ミツルはリンに近づいた。
「二人の恋愛も見たいし」
「な、何言ってるの!」
リンは顔を赤くして言った。
ミツルは笑顔のまま、別の話をした。
「ところで二人は何歳なの?」とミツル。
「「えっ」」と二人同時に言った。
「私は13だけど・・・」
リンはナオトを見た。
「・・・僕も13だ」
あっナオトさんも13歳なんだ。
そう思った瞬間、頭の中に微かに何かがよぎった。
だが、霧がかかったみたいに思い出すことができなかった。
そしてその後、リンとミツルでナオトの手伝いをした。
部屋の掃除したり、本を並べなおしたりなど、主な掃除をした。
休憩の時間
「ふー疲れたー」
リンは腕を伸ばしながら言った。
「やること多すぎるー」
ミツルは体の力を抜いて言った。
「ナオトさん、ずっと一人でやってたのかな?右腕だけで・・・」
そう言うと、リンはナオトを見た。
今は、一人で本の入ってる段ボールを持った。
だけど、片手で持ってるからバランスを崩して落としていた。
それを片付けようとすると・・・
「これは私が片付けますよ」とリンは言った。
「いや、いい僕が片付ける」とナオト。
そう言いながらも一人で片づけた。
その時、一冊の本を拾う時に二人の手が重なった。
二人は顔を見合わせ顔を赤くして黙った。
その後リンは、ミツルの所に行った。
そして気持ちを落ち着かせるためにミツルに妹の話をした。
昔、よく遊んでいたことや病気のことなどを話した。
ミツルは何故か真剣に聞いていた。
時は進んで、夕方になるとリンは泊まっている宿にナオトは自分の部屋へと戻った。
ミツルは自分の家ではなく、ある場所へと向かった。
その頃、ナオトはある夢を見た。夢の中で約束お化けがいた。そして、約束お化けは言った。
「お前は・・・要らない。お前からは私の嫌いなにおいがする。お前は・・・穢れだ。
だから、永遠に呪いを受け続けて・・・死ね!私が欲しいのはあの子だ」
言われたナオトは、目を覚ました。
そして、全身が汗だくになっていた。時間は夜1時だった。
悪夢を見てしまった。
そう思っていると、扉を叩く音が聞こえた。
ナオトは扉に近づいて開けると、そこには、リンがいた。
「どうした?まだ夜中だぞ。」
ナオトが質問すると、リンが答えた。
「ミツルちゃんの両親の人が来たんだけど、ミツルちゃん家に帰っていないみたいなんです」
「ナオトさんどこにいるか知ってますか?」
ナオトは首を横に振った。
「とにかく、一緒に探してくれませんか?」
「分かった。けど前にも言ったみたいに夜は幽霊がいる」
「ちょっと待ってろ」
そう言うと、ナオトはどこかに行った。
数分後・・・ナオトが戻ってきた。
右手には灰色のひもに水晶のように輝く石を通しているペンダントを持ってきていた。
「あのそれは?」
リンは不思議そうに言った。
「これは光晶石、この村に代々伝わる石だ。この石が壊れるまでは悪い幽霊は、危害を加えることができなくなる」
「お守りとして、お前にやる」
そう言うと、ナオトはリンにペンダントをあげた。
「あっありがとう」
この石、なんか昔見たことあるような気がする。何でだろう?
思っていると、ナオトは忠告した。
「いいな。絶対に森には行くな」
「はい。分かりました」
そういった後、二人はそれぞれ別方向に向かった。
だが、どれだけ探してもミツルは見つからなかった・・・ある場所を残して。
徐々に空は雲に覆われ始めた。
「はあはあ・・・何処にもいない」
リンは疲れ切った声でそう言った。
「もう探す場所が・・・あっ一つだけあるじゃん。あの噂の森!」
リンは言った。
だけど、ナオトさんに止められてるし、こんな真夜中に行ったら・・・
リンは悩んだ。
すると、考えてる途中に頭の上に一粒の水が落ちた。
「雨降ってきてる・・・これ以上は危ないかも」
でも最後に、も・・・森に入んなければいいんだから近付くくらいなら、いいよね?」
そう思って森に近づいていった。
そして、森につくと微かに声が聞こえてきた。
「わあーお姉さん!」
その声は泣いているミツルの声だった。
「やっぱりミツルちゃんここにいたんだ!だけど、入ってはいけないんだよな・・・」
考えていると、またどこからか、声が聞こえてきた。
「クス・・・クスクス、早く行かないとお友達が死んじゃうよ?早く行きなよ。待ってるよ。クス・・・クスクス」
リンはすぐに周りを見るがやはり誰もいなかった。
「もう行こう。このままじゃ、ミツルちゃんが危ない」
「よし、行くぞ!」
リンはそう言った後、森へと走って行った。
その頃、ナオトは一度図書館へと戻った。
「はあ、いったいどこにいるんだ」
最後はあの森だけなんだよな。だけど、まさかな・・・
「おーい、ナオトくんいるかー?」
言ったのは、村に住む老人だ。
「どうしました?」とナオト。
「今さっき、君と話してた女の子があの森に入っていったよ」
それを聞くと、ナオトは驚きました。
「えっ、それ本当ですか!」
ナオトが聞くと、老人は首を縦に振った。
「はい、分かりました。教えてくれてありがとうございます」
言った後、ナオトは図書館の地下に行った。
地下には多くの光晶石があった。
奥には光晶石でできた刀がありナオトはそれを持った。
「あの森には絶対に行くなと言ったのに」
ナオトはあきれた声で言った。
地下に出て、玄関に行くと外に出て森へと走って向かった。
一方、リンは森に入っていった。
森の中はとても暗くて薄気味悪かった。
「なんかここ、すっごく不気味だな」
「おーいミツルちゃん!」
「どこにいるの?」
リンは何度も繰り返し言ったが、ミツルからの返答はなかった。
言っていると、リンは後ろに寒気を感じて後ろを向くと、ミツルと同じ背格好をしている黒い幽霊がいた。
「ハハッ呼んだ?」と不気味な声の男の子の幽霊が言った。
「違う。わ・・・私は探してるのは、ミツルちゃんよ。君じゃない」と震えた声で言ったリン。
リンが言うと、黒い幽霊は怒った。
「どう・・・して?どう・・・して?なんで俺を選ばないんだよ、ああ約束守れなかった!ああやだ、やだあああ」
そう言った幽霊は、徐々に溶けるように姿を消した。
「何だったの、今の?」とおどおどした声で言ったリン。
「は、早くミツルちゃんを探して、ここを出ないと!」
リンは決心したが、リンの前にはさっきの幽霊とは違う幽霊が現れた。
その幽霊は古くボロボロの浴衣を着ていた二十歳ぐらいの女の人だった。
だが、全身が黒く染まっていた。それは約束お化けだった。
「ハハ・・・こんにちは。さあ約束を誓いましょ。あなたの願いは妹の病を治すこと?」
「そっそれは・・・」とためらったリン。
「フフッハハッいいわよ。叶えてあげる」
「ちょっと待って、私はまだ・・・」
リンは止めようとしたがもう遅かった。
約束お化けは手から黒い霧を上空へと出した。
「これできっと病気は治ったわ」
笑いながら約束お化けはそう言った。
「あ、ありがとう」
何故か感謝をしてしまったリン。
こ、これでリオの病気は治ったの?
リンはそう思った。
「次はあなたよ。さあ、私の願いを叶えて頂戴な」
「わ、私は・・・」
どうしよう。もし、約束お化けの願いを叶えられなかったら・・・
その時、リンは心が恐怖に覆われようとしていたその時。
「お姉さん!早くこっちに来て」
言ったのは、約束お化けの後ろにいたミツルだった。
「ミツルちゃん!でも・・・」
前には約束お化けがいるから行けない。
「良いから早く来て」
「もっもう」
こうなったら行くぞ!
リンは走った。だが、約束お化けはリンを捕まえようとする。
すると、ナオトからもらったペンダントに付いていた光晶石が光った。
それを見た約束お化けは苦しみだした。
「ああ・・・光、気持ち悪い。ああ・・・昔を思い出しちゃう。いや・・・いやだ」
「く、苦しんでる?」と呆然と言ったリン。
「お姉さん!早く」
「あ、うん」
リンは走って、ミツルと合流し、隠れた。
「はあ、はあ、ミツルちゃん助けに来てくれてありがとう」
「ううん。こっちこそ探してくれてありがとう」
お互いにお礼を言った。
「あのミツルちゃん、どうしてこの森に来たの?」
「ミツルちゃん、この森に行きたくないって言ってたじゃない」
リンは聞いた。
「ごめんなさい。私、お姉さんの妹さんの事を聞いて思いついたの。
約束お化けと約束すればきっと治ると思って・・・」
「そうだったのね。でもどうしてミツルちゃんが?」
「私がまだ5歳だった時、同い年の子といつも仲よく遊んでたのだけど・・・」
「だけど?」とリン
「その子は、目の前で死んだの」
「だからお姉さんの妹さんだけでも楽しく生きていてほしかったの」
「そっか、ありがとうね。でもまずは、この森を出ないと。
森を出たらナオトさんに説教されるけどね」
「うっ」と苦笑いで言ったミツル。
「一緒に怒られよ」と笑顔で言ったリン。
「うん」とミツルも笑顔で言った。
話していると、リンがつけていたペンダントの光晶石の一つが黒く染まり、崩れ落ちた。
「あれ?この光晶石、なくなちゃった」
「あっさっき、約束お化けから守ったから役目をはたして力を失ったんだよ」と解説したミツル。
「そっか、そうなると残り二つがなくなる前に出ないとね」とリン。
「うん。そうだね」とミツル。
「どこに帰るの?」
「そりゃあ図書館に・・・」
言おうとしたミツルはすぐに後ろを向くとさっきと同じ7歳ぐらいの黒い幽霊がいた。
「どうして?ここはいいでしょ。ここにずっとずっといなよ」
何なのさっきの子と何か違うけどと思ったリン。
「も、もしかして約束お化けと約束した子供たちなんじゃ・・・」と震えた声で言ったミツル。
「そんな・・・」と驚いたリン。
「何でここが嫌なの?」
「ここにいなよ。そうすれば僕たちと同じにな・・・」
言おうとした幽霊から逃げた二人。
「はあ、早くこっから出ないとさっきの幽霊がいっぱいいるかもしれないし」
「おい!やっぱりお前らここにいたのか」
怒った声で言ったのはナオトだった。
「ここには行くなと言っただろ」
「「ごっごめんなさい」」とリンとミツルは謝った。
「はあ、とにかくこっから出るぞ」
「そうだ・・・」とミツルは言おうとするが・・・
「んっ?どうしたの?ミツルちゃ・・・」と言葉を失ったリン。
ミツルが黒い幽霊が大量に来て下敷きなっていた。
「ミツルちゃん!どうして幽霊は人に触れられないんじゃないの」
「霊感が強すぎると、触れるんだ」
ナオトが解説すると、ミツルがうめき声を出した。
「うう・・・背中重くて、苦しい・・・」といった後、気絶した。
「どうしよう。このままじゃミツルちゃんが死んじゃう」
リンが焦っていると、ナオトはあきれていた。
「いったん落ち着け。今倒す」
「倒すってどうやって・・・」
リンが聞こうとすると、ナオトは持っていた光晶石の刀を出し右手に
持って、黒い幽霊の子達を切った。
「うう・・・どうして切るの?僕たちは早く約束を果たさないといけないのに、
お前みたいな穢れた存在はもういらないあの人もそう思ってる。きっと約束も果たせない
お前は永遠に呪われて死ぬのが運命だ」と苦しみながら言った幽霊。
「あの、ナオトさんこの幽霊も約束お化けに会って約束を誓ってここにずっといるの」
「だから何だ。まずお前はミツルを起こせ」
ナオトはいつになくきつく言った。
「はい。わかりました」と元気のない声で言ったリン。
「ミツルちゃん。しっかりしてミツルちゃん」
リンが何度も呼ぶとミツルは目を覚ました。
「うう、お姉さん?」
「良かった、どこも苦しくない?」と心配そうに聞くリン。
「うん、大丈夫。でもどうやって、あの幽霊を倒したの?」と聞くミツル。
「ナオトさんが持ってた刀で切ってたの」とリン。
「えっ、銃刀法違反じゃん」と驚いたミツル。
その時、ナオトが入ってきた。
「残念ながら、これは模造刀だ。ギリギリセーフな範囲だ」
「そっか、失礼なこと言ってごめんなさい」
ミツルは謝った。
「とにかく、さっさと出るぞ」とナオトが言った。
「はい。ミツルちゃん、歩ける?」と聞くリン。
「うん。歩けるよ」と言い返したミツル。
「じゃあ、早く帰ろ、あの図書館に!」
笑顔で言ったリン。
そのあと、三人は歩き出した。
10分が経過すると、リンの調子が徐々におかしくなっていた。
「うう」
それを見たミツルは言った。
「お姉さん、どうしたの、大丈夫?」
続けてナオトも言った。
「おい、しっかりしろ!」
「さ、先に行って。こ、声が、ああ気持ち悪い」
リンはある囁きが聞こえていた。
「・・・よこせ、・・・をよこせ、お前の命をよこせ!」と約束お化けの囁きが聞こえた。
すると、リンの周りが黒い何かが出てきて、リンを覆い隠そうとした。
ナオトはすぐに手を伸ばし、リンも手を伸ばしたがつながることは無かった。
「いや、助けて二人と・・・も」
そう言うと、リンは黒い何かに覆われた後、それと一緒に姿を消した。
「お姉・・・さん」
ミツルは目から涙を出しながらそう言った。
「くそ、くそーー」と叫んだナオト。
その時、ある声が通り越した。
「クス、クスクス。あなた達も約束を守って下さいな」
「クス、クスクス」
「「ハハッハハハハ」」と二つの不気味の笑い声が森中に響いた。
2巻に続く
二巻も今度投稿する予定です。




