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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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英雄の星

作者: コチ
掲載日:2025/12/11

――星になるには、善い行いをし続けなさい。

逆に悪い行いをした人は、地の底で灼かれてしまいますよ――

そんな教えに従う国がありました。

皆が天の更に上にある星へと成るために生きていました。

ある男は、特に星への憧れが強く、小さな頃から善行ばかりをし続けていました。

毎日(ごみ)を拾い草を刈りました。

誰かが物を失くしたときは、自分の物を渡しました。


星に成るためだけに善行を繰り返した男は考えました。

――そんなちっぽけな行いだけで星に成れるのだろうか。もっと大きなことをせねば、と。

男は悪人を捕まえるようになりました。

盗っ人、殺人犯、暴力主義者、そして……魔女。

男は民衆の心を悪い方向へと仕向ける魔女を捕らえ、自分で磔台と大火の準備までもを行いました。

最後まで無実を騙った魔女は、地上で灼かれてしまいました。

男はその後も魔女や工作員などを次々と捕らえ、灼きました。

男は次第に名声を手にし、遂には「英雄」とまで呼ばれるようになりました。


英雄となった男は、永遠の眠りにつきました。

男の魂が体から離れると、案内人が話しかけました。

その魂は一刻も早く星に成るため、そのような者のことなど意に介さず、唯上へと昇り続けていきました。

次第に地上は見えなくなり、月を超えた魂は、太陽に手を伸ばしました。

昇りに昇ってやっと手がかかったとき、燃えたぎる太陽はその手に火をつけました。

火は直ぐに回り、魂を覆いました。


魂は星になりました。魂が残らず灼き尽くされるまでの、ほんの数瞬だけ。

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― 新着の感想 ―
素晴らしいお話でした! 短い中にも美しさとやるせなさと皮肉がぎゅっと詰まっていて、完成度がとっても高いですね。自分は文才ないのですごく憧れます……!
素晴らしかったです。夕飯を食べ終えたら小1の妹にも読み聞かせます。
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