帝都幻影譚
『帝都幻影譚(ていとげんえいたん)』
―霧深き帝都に、異形は潜む。祓うは、名もなき影の者たち。―
明治四十年、近代国家へと変貌を遂げつつある帝都・東京。
文明開化の裏で、人々が忘れ去った「異なる理(ことわり)」――すなわち怪異が、静かにその姿を取り戻しつつあった。
帝国政府は密かに、陰陽道や古神道の血を引く者たちを集め、対怪異専門部隊《神祓隊(かんばらいたい)》を創設する。
その一員である**柊一馬(ひいらぎ・かずま)**は、過去の事件によって記憶の一部を喪った青年。だが彼は、他者の霊的残滓(ざんし)を読み取る特異な能力を有していた。
一馬は、陰陽師の血を継ぐ冷静沈着な上官滋丘(しがおか)とバディを組み、帝都で次々と起こる怪異事件の調査に乗り出す。
やがて浮かび上がるのは、「緋燈ノ禍(ひとうのわざわい)」と呼ばれる連続怪異、そしてその背後に潜む謎の結社――《黒禍ノ會(こくかのかい)》。
これは、異界と現世の狭間で、己の記憶と運命を賭けて戦う若き祓い手の物語。
闇より現れし影を斬り、真実を暴き、帝都を護るために――彼は名もなき祈りを刃に変える。
第1章 ― 緋燈ノ禍(ひとうのまが) ―
2025/04/18 19:24
(改)
第1章 ― 緋燈ノ禍(ひとうのまが) ― 第2話
2025/04/28 12:16
第1章 ― 緋燈ノ禍(ひとうのまが) ― 第3話
2025/04/29 12:20
第1章 ― 緋燈ノ禍(ひとうのまが) ― 第4話
2025/05/02 20:46