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春風のサーガ【第一部】  作者: 蒼井七海
第四章 決意と想いのフリクション
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58 精霊指揮士の総力戦――炎の節(2)

「なんでカティがここに……」


 目玉が落ちそうなほど両目を見開いているロレンスの隣で、ミケーレが悔しそうに何事かを呟く。龍を牽制しようとして、失敗したのだった。それから振り返った彼もまた、大仰に眉を上げる。


「カトリーヌさん? この区画にいらっしゃったんですか、全然気づかなかった」

「いいえ、私たちは違う所で避難誘導を手伝っていたのよ。それが一段落したから、ヒワかロレンスと合流しようかと思ってたんだけど、おっきな蛇が見えたからのぞきに来てみたってわけ」


 歌うように語ったカトリーヌが、杖をくるくると回す。その隣で、彼女に同行してきた青年が空を仰いだ。


「あのう。あの蛇? 竜? はなんなんですか? ほかの魔物と同じように、空の裂け目から出てきたんですか?」

「多分……そうだと思います。いきなりすぎて、僕たちも理解が追いついていないんです」


 まいったとばかりに、ミケーレがかぶりを振る。彼以外の精霊指揮士(コンダクター)に聞いても、十人中十人が同じことを言うだろう。そうと察したからか、青年もそれ以上問い詰めず、困ったように空を見ていた。


 地上で気の抜けたやり取りが行われている間にも、フラムリーヴェと龍の攻防は続いている。その様子を気にしつつ、ロレンスはカトリーヌを見た。


「とりあえず、あれが暴れてると危ないし、〈閉穴〉もできないから、なんとかしようとしてるとこ」

「それでフラムさんが大立ち回りしてるってわけね」


 カトリーヌも、少年の視線を追う。精霊指揮士たちが放った糸がつかの間龍の動きを止めた。そこへ、フラムリーヴェが蹴りと斬撃を叩きこむ。龍は苦痛の声を上げたが、両目は未だ爛々と輝いて、しっかりとフラムリーヴェを捉えている。


「……あのう、あれ、落とすんですか?」


 固唾をのんで見守っていた青年が、誰にともなく尋ねる。ロレンスが虚を突かれている間に、ミケーレと女性がうなずいた。


「結果的にはそうなるんじゃないかと。落とすくらいしないと、しつこく襲いかかってきそうですし、あれ」


 ミケーレが代表して答えると、青年は杖を構えたまま目を伏せる。


「あの、でも……仮にあれが路地に落ちたら……大変なことになりません?」


 乾いた沈黙が広がる。聞いていた誰もが目を瞬いて、互いの顔を見た。数秒後、視線は自然と空へ流れる。


「た、確かに」


 ロレンスが呟く。その声は、すっかりひっくり返っていた。カトリーヌも、柳眉を寄せる。


「家屋倒壊で済めばいい方。下手すれば、この場の全員が生き埋めね」

「魔物を帰すどころの話じゃない!」


 ミケーレが頭を抱えて叫ぶ。透明な魚とともに戦っていた女性が鬱陶しそうに目を細めたが、文句を言うことはなかった。


 ロレンスはうろたえて、空と地上を見比べる。


「どうしよう。フラムリーヴェにも言っておかなきゃ。……フラムリーヴェ、聞こえる?」


 聞こえるわけがない。だというのに、勢い余って呼びかけてしまった。当然、戦乙女は龍の方を見たままだ。


 ――かと思えば、一瞬後、彼女のまわりで炎が渦巻く。それは伝説上の大蛇のように分かれてうねり、闇を体現したかのような龍を取り囲んだ。暴れ回る巨体を炎が押しとどめている間に、フラムリーヴェの姿がかき消えた。ほとんど同時に、赤い光をまとって、ロレンスたちの前に現れる。


「どうしました、ロレンス」

「うわっ。本当に聞こえてたの、フラムリーヴェ」


 ロレンスだけでなく、まわりの人々も驚いて後ずさる。驚かせた当人は、あくまで淡々としていた。


「ええ。急ぎのようでしたので、アレを足止めして参上しました。長くはもちません。手短にお願いします」

「あ、はい……」


 ロレンスは気圧されつつも、先ほどの話を伝える。フラムリーヴェは眉を寄せ「なるほど」と呟いた。


「命に係わる問題ですね。見落としていました。面目ありません」

「いや。俺たちもうっかりしてたから……」


 ロレンスはぽりぽりと頬をかく。それでもフラムリーヴェは悔しそうにしていたが、とりあえず話は先へ進んだ。


「しかし、最終的にアレを墜落させることにはなると思います。どう対処しましょうか」

「うーん……落とすにしても、もう少し広いところに落とさないとねえ。この先の通りとか」


 カトリーヌが表通りの方を指さす。「王宮が近いから怒られるかしら?」と首をかしげたが、発言を撤回する気はなさそうだった。


 フラムリーヴェは、小さくうなずく。が、すぐに目を細めた。


「広い場所に誘導しつつ弱らせる、というわけですか。難しいですね」

「ここにいる人たちで、上手に役割分担ができればいいけれど……作戦会議をしている余裕がなさそうね」


 カトリーヌは、精霊指揮士たちを振り返る。今は、もがく龍を抑え込むのにみんな必死だ。ロレンスも彼らと龍を交互に見て考える。使える物はないかと、あれこれ思い浮かべたところで、目の前に迫る黒い炎を思い出した。


「そういえば、さっき、あの魔物が俺に目をつけたって言ってたけど……今も目をつけられてるかな?」

「向こうが精霊人わたしを認識している間は、狙われるでしょう。私の弱みだと思っているようですので」


 答えを得て、ロレンスは拳で手のひらを打った。


「よし。なら、それを使おう」


 不思議そうな人々に、ロレンスは思いついた作戦を打ち明ける。彼をよく知る二人が目をみはった。


「本気ですか?」

「ロレンス、あなた、走るの苦手じゃなかったっけ」

「苦手だけど……そこはほら、指揮術か霊薬で一時的になんとか……」


 ロレンスが己を指さして言うと、カトリーヌが杖で頭を叩いてきた。もちろん、力は一切入っていない。


「こーら。見習いの、しかも若い子が、そんなものに頼ろうとするんじゃありません」

「ええ……じゃあ、火事場の馬鹿力でなんとか……」

「なんとかなると思う? 今回はフラムさんやエラちゃんがつきっきりでいてくれるんじゃないのよ?」

「なんとかするよ。俺だって精霊指揮士だ」


 ロレンスは、顔をしわくちゃにする勢いで目を細める。カトリーヌも、厳しい表情を崩さない。


 二人らしからぬにらみ合いの末、折れたのはカトリーヌの方だった。ため息をついた彼女は、大げさにかぶりを振る。


「しかたないわね。先輩として、手伝ってあげるわ。ただし、本気で危ないと思ったら止めるからね」

「うん。ありがとう」


 ロレンスはぺこりと頭を下げる。カトリーヌは、指でロレンスの額を弾く。これも大して力はこもっていなかったが、ロレンスは思わず目をつぶった。


 眉間にしわを刻んでやり取りを見守っていたフラムリーヴェが、契約者の名を呼ぶ。少年は、青い目を瞬いた。


「ひとまずその作戦に乗りましょう。その上で、ひとつお願いが」

「お願い?」

「アレが目論見通りに動いたら、すぐさま制限を解除してください」


 ロレンスは、フラムリーヴェをまじまじと見つめる。彼女が本気であると察すると、力強くうなずいた。


「わかった。……あてにしていい、フラムリーヴェ?」

「むろんです」


 フラムリーヴェは堂々と胸を叩く。ロレンスは口元をほころばせて、握りこぶしを彼女に向けた。


 話がまとまったと見たのだろう。ミケーレが挙手する。


「じゃあ、僕、みなさんにこの話を伝えてきますね。その間のことは、頼みます」

「あ、ありがとうございます。お願いします」


 ミケーレは、にっと笑って駆け出す。同時、フラムリーヴェがロレンスたちに一礼して空へと戻った。ちょうどそのとき、龍が炎の拘束を打ち破る。


 大剣を取り出したフラムリーヴェを見送って、カトリーヌが杖を構えた。


「それじゃあ、ロレンス。やるわよ」

「うん」


 ロレンスは、ひとつうなずき、杖を握りしめる。あいている方の手で小瓶を取り出し、ふたに手をかけた。


 カトリーヌが杖を掲げる。花をかたどった貴石が輝いた。


「『ミーレル・シルーリャ』!」


 先ほどより強い光が空を照らす。魔物たちが天をつんざく悲鳴を上げ、龍が激しく暴れ出した。


「『ドード・ルフ』、『バム・バム』!」


 カトリーヌが立て続けに詠唱する。それと同時にロレンスは駆け出した。人混みをかき分けて、表通りの方へ走る。正直、シルヴィーやカトリーヌたちのそれと比べれば、走ると表現するのもおこがましいほどの足取りだ。それでも本人は全力だった。


 空中で、再びフラムリーヴェと龍がぶつかり合う。数度の攻防ののち、龍が頭を動かした。魔物の感覚が拾ったのは、目の前の精霊人(スピリヤ)とのつながりを持った人間の気配。それが今までより活発に動いている。


 龍が体を回転させる。フラムリーヴェが追いすがる。彼女に対し、地上からの援護射撃があった。これまでのやり取りで、敵の弱点が冷気と光だと察した人々は、次々とそれらを打ち上げる。さらに、妨害のための魔力の糸や鎖も殺到した。


 それらをかわし、払いのけ、時に浴びながらも、龍は人間を――ロレンスを追う。


 ロレンスは、大気のうなりと迫る魔力で、龍が()()()()()ことを知った。人が最も密集している場所を抜け、さらに走る。当然、彼が空を駆る魔物より速く走れるわけもなく、両者の距離は次第に縮まっていった。


 ロレンスは一度、扉がひしゃげた建物の中に身を隠し、外をうかがう。赤い剣が龍の腹を浅く裂いたところだった。さらに、未だ衰えを知らぬ炎が巨体にまとわりついている。フラムリーヴェが龍の足止めを買って出てくれるのはロレンスにとって救いであった。


 ロレンスは呼吸を落ち着かせながら小瓶のふたを開ける。中の液体を指先に垂らしてひとなめした後、先ほど使った葡萄酒色の霊薬に持ち替えた。


「『ディポス・エンピオ・ラ・シェメラ』」


 ぎりぎりまで潜めた声で詠唱する。泡立った霊薬と杖を構え、思い切って飛び出した。顔が見えるほどの距離に迫ってきた龍めがけて、霊薬の雫をそのまま飛ばす。


「『アルマ・ウィスカ・ルデッサ』!」


 飛沫のように飛び出した雫が、龍の顔面にかかる。龍は、駄々をこねる子供のように頭を振った。ロレンスは、その隙に杖を向ける。


「『フラーネ・ファラック』!」


 カトリーヌなどが操るものよりもいくらか弱い炎が、帯状に飛び出す。それでも、龍は怒りと苦痛が混じった咆哮を上げた。


「『グラッカ・フラーヴ』、『ポド・ルデッソ』!」


 おまけとばかりに追撃して、ロレンスは再び走り出す。足は早くも重さを増し、肺が痛みを訴えていた。


「つっかれるな、くそ……!」


 先ほど屋内でなめた霊薬は、疲労回復効果のあるものだ。そのはずなのだが、調合後に試用したときほど効果が出ている気がしない。不得手な指揮術を使ったせいか、そもそも慣れないことをしているせいか。


 ロレンスは、壁に手をつき強引に体を前へと出す。こけつまろびつ石畳の隙間をまたぎ、歯を食いしばった。


 わかっている。自分が未熟であることも。今、身の丈に合わない無茶をしていることも。


『なんとかなると思う?』


 思っていない。思うわけがない。それでも、ロレンスには今以上の案は思いつかなかった。それをやると言ってしまった。もう、やり切るしかないのだ。


 それに――


 炎というものを体現したかのような、精霊人の姿を思い出す。

 静けさの中に情熱を秘めた瞳。玲瓏(れいろう)な声が紡いだ言葉。


『大丈夫です。ロレンスならできます』

『ロレンスは、私が見つけ、私が選んだ契約者です』


「あそこまで、言ってくれるのに……俺がいつまでもよわよわなままじゃ……だめだよな、やっぱり」


 〈浄化の戦乙女〉にふさわしい者でありたい。彼女の信頼を裏切りたくない。それに、『こちら側』に引きずり込まれた友人だって、別の場所で頑張っているはずだ。だからこそ、自分のために、彼女たちのために、ロレンスも全力を出す。


 下り坂を転げ落ちそうになりながら進み、上り坂を根性だけで上りきる。そのとき、背後に嫌な熱を感じて、反射的に叫んだ。


「『フィエルタ・アーハ』!」


 防御結界が立ち現われる。しかし、黒い炎にあっさりと破られた。


「うわっ……つっ!」


 ロレンスは本能のまま前へ跳ぶ。おかげで丸焦げにならずに済んだが、右足に嫌な痛みが走った。


 幸い、追撃はない。フラムリーヴェが割り込んで、それを防いだのだ。ロレンスは両者がにらみ合っている間に、煤だらけの建物にさばって立ち上がった。


 ひたすら進む。足の感覚がなくなっても。どんなに情けない格好になっても。路地から出て、閑散とした表通りを突っ切る。暴風と悪寒が背を撫ぜた。


「『ミーレル・バンデ』!」


 重なった詠唱が響き、光が魔物を阻む。カトリーヌの声を拾ったロレンスは、汗と涙のにじんだ顔で笑った。


 ほとんど這うようにして反対の歩道に行きついたロレンスは、息を止めて店の壁に寄りかかり、体を起こす。残された力で握った杖を、空へ向けた。


 黒い龍、あるいは大蛇がそこにいる。大きな両目がロレンスを捉え、わずかに笑ったように見えた。だが、少年は絶望しない。清き炎のぬくもりを、確かに感じ取っていたから。


「あてにしてるよ」


 ロレンスが呟いた瞬間、背後から伸びた魔力の鎖が龍の長い胴を縛り、背中に赤い波形の刃が刺さる。龍が鬱陶しそうに身をよじるのを見て、彼は息を吸った。


「『イリュ・ドゥーテ・クランダル・ウカータ

 クランダーテ・イリューオ・デア・ロレンス・グラネスタ』――」


 蛇そのものの両目が見開かれる。不快感を呼び起こす音が漏れる。それでもロレンスは、ことばを止めない。今度こそ。


「『アリイネラ・イリューア・デア・フラムリーヴェ』!」


 唱え切る。声が空に吸い込まれる。そして――龍の頭上に、焔の華が咲いた。


 魔力の嵐が吹き荒れる。龍の背に刺さった刃の間から、活火山さながらの炎が噴き出す。それは今までとは比べ物にならない勢いで龍をのみこみ、焼き焦がした。焼かれた側は絶叫して暴れたが、それすら小さな抵抗でしかない。


 赤く染まった龍の背に、フラムリーヴェが降り立つ。大剣を引き抜いた彼女は、体重などないかのようにふわりと飛ぶと、得物をゆっくり持ち上げた。胴と頭、その狭間に狙いを定め、刃に炎を集中させる。


 そして、気合の叫びとともに、大剣を振り下ろした。


 炎と金属に殴られた龍は、声すら上げずにうなだれる。大きな体が傾いて、通りの真ん中に落ちてきた。


 炎に見入っていたロレンスも、さすがに引きつった声を上げる。


「広い通りでも、ちょっと厳しくないか……?」


 言っている間にも、黒い塊が通りに覆いかぶさる。ロレンスは青ざめた。彼を追ってきたカトリーヌやほかの精霊指揮士たちも、口々に叫んでいる。


「ちょ、これ、普通に道潰れません!?」

「あらー……見誤ったわね」

「坊主ー! 逃げろー!」


 逃げろと言われても、もう動けない。視線でそう訴えるロレンスを見てか、フラムリーヴェが宙を蹴った。

 彼女が道と龍の間に滑り込んだとき、いまだに熱を帯びている魔力が動く。


「『セレア・ミーレル・クーヴ』」


 低く、静かな詠唱に合わせて光の球が八つ現れ、龍を取り囲んだ。それは成型前のパン生地のように薄く伸びて、黄金色の光の檻を形成する。凶暴なる龍は、建物を壊す寸前で檻に受け止められた。


「手の空いている者は、魔物の身体を拘束。または残りの魔物の処理を」


 どっしりした声が、淡白に指示を出す。別の路地から出てきた人物を見て、精霊指揮士たちは揃って目をみはった。


「グラネスタ副支部長……!?」


 エリゼオ・グラネスタはうなずきのひとつも返さない。早くしろと言わんばかりに、閉じ込めた龍の方を見た。余力のある精霊指揮士たちは、慌てて詠唱を始める。


 カトリーヌだけは詠唱せず、彼の方に足を進めた。


「支部や避難所を放っておいて大丈夫なんですか、()()()()()?」

「問題ない。支部長や居残りの精霊指揮士たちが対応している。必要な指示も残してきた」

「さすが、抜かりないですね。……それにしても、直接出向いてこられるとは思いませんでしたけれど」

「この魔物は、町の精霊指揮士だけでは手に余ると判断した。それだけだ。……もっとも、杞憂だったようだが」


 ささやいたエリゼオの視線が、ロレンスに向く。はっとした彼は、慌てて空を見上げた。


「フラムリーヴェ! 今のうちに〈穴〉、を」


 ついでに立ち上がろうとして、よろける。そのまま前に転びかけた彼を、フラムリーヴェが受け止めた。


「ええ。早くふさいでしまいましょう」


 そう答えた彼女は、あろうことかロレンスを抱きかかえたまま飛び上がる。ロレンスはぎょっとして、フラムリーヴェの鎧を叩いた。


「ちょ……これじゃあ陣描けないじゃん」

「現場に着いたら下ろします、ご心配なく」

「あらあら。それじゃあ私は、現場でロレンスを見守る係でもしようかしら」


 ちゃっかり龍の拘束という仕事から逃げ出したカトリーヌが、小走りでついてくる。フラムリーヴェはいつもの調子で「お願いします」と呼びかけた。ロレンスは、たくましい腕の中でため息をつく。が、すぐに顔を上げた。


 精霊たちが騒いだ気がした。彼らの気配に誘われて、ロレンスは遠くを見る。身がすくむような、それでいて心安らぐような魔力が、王都の空に広がった。


「エルメルアリア――ヒワ」


 それに気を取られていたロレンスは、フラムリーヴェが同じ方向を見ていることにも、飛ぶ速度を上げたことにも、気が付かなかった。

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