大久保 弥生
【名前】
大久保 弥生
【性別】
女性
【年齢】
29
【外見的特徴】
光を通さないほどの黒い髪。身長は低めのハスキーボイス。眼はいつでもひらききっていない印象を受ける。派手な服には着られてしまうので、彩度も明度もおとしがち。
【家族構成】
独り暮らし。遠隔地に疎遠な父と母が一人ずつ。思いあう恋人はなし。
経歴だけを見ても寂しさが見て取れる。
【性格】
熱量がない。やりたいことへの踏み出す力がない存在。
諦めてしまうべき理由を見つけるのが上手な性格。
【職業】
オフィスワーカー。どこにでもある会社のどこにでもいる経理であり、どこでもいいくらいの忠誠度しか持ち合わせていない、熱量の不在のような人。
【フックとなる特徴】
生まれてこのかた、夢というものを見たことがない。夜のそれはおろか目標の美化であるそれもまた、無縁だった。できそうなことがただ単にできてきて、できなさそうなことが至極当然にできなかった。
その所以は現実主義であること。それから、疎遠な家族のあきらめにも似た人生観のもとで育ったことも一つの所以であろう。
家族の主張はこうだ「ばかばかしい。夢に駆けるなど、ひとのすることではなかろう。まず地に足をつけて生きていかねば。地に足をつけることすらこれほどに難しく、将来を見れば濃密な影が差すというのに、地を見ず空を見て歩くことの何と危険なことか。」
かつて何人かいた友人らとは、将来の夢の話をした際には家族の価値観のもと要らぬ一言をはさみ……疎遠にもなったとか。
近頃、いちどでいいから、夢なるものを見てみたいというのが、彼女の今の夢である。
ーーその激烈な感情を、彼女はまだ、夢とは認めていないだけで。