寝覚中納言(ねざめのちゅうなごん)
【名前】
寝覚中納言
【性別】
男性
【年齢】
26歳
【外見的特徴】
垂れ気味の目と眉で、はっきりとしない顔立ちの青年。身分に見合った申し分ない身のこなしをする。束帯を身に着けると高い背丈がより際立ち、公卿の中でも目立って見える。どの季節においても誰もが心安らぐ香りを漂わせている。
【家族構成】
父(正二位・左大臣、53歳)、継母(37歳)、妹(18)、弟(正四位上・近衛中将 蔵人頭、20)、妻(20)
【性格】
少し引っ込み思案。香を練るのが趣味で、暇さえあれば屋敷に籠って様々な練り香を作っている。人間関係は最小限で、父の要求で娶った妻との関係も丁寧ではあるが淡白。
【職業】
従三位・中納言
【フックとなる特徴】
寝覚中納言は物静かに過ごすことを望んでいたが、「世の中、騒がし」く、多忙を極めていた。
ある時、彼は右大臣家に見舞いの品を届けることにした。その際に、御簾越しに見た女性に一目惚れをする。その女性は、右大臣の娘(草葉露・くさはのつゆ)であった。一方で娘も、焚きしめた香が優しく香り、目立って背の高い寝覚中納言に心惹かれた。
二人は秘密裏に文通をして関係を深め、ついに会う約束をする。両家の目を盗んで会うために、荒ら屋にて逢瀬を交わす。
そんな頃、父の左大臣は後妻の娘を入内させることに決め、寝覚中納言の妹は女御となり、麗景殿へと移る(麗景殿女御)。
それに対抗するように、右大臣は娘を入内させることを決める。別れを惜しんだ二人は最後の逢瀬を交わし、涙の内にごく短い、夢のような時間を共に過ごした。
後日、草葉の露は女御となり、弘徽殿へと移った(弘徽殿女御)。
弘徽殿の女御が懐妊したのはそれから2か月後のことであった。
『寝覚む夜に 傍居ぬ君の 唐衣を いかに触ればや 夢の来ぬ間に』
『思ひいづる 夜の寝覚に 共にみし 夢は草葉の 露と思へば』