しゅばっ(もたっ)
◆2024年4月19日
「いまから俊敏な動きをします」
にゃあさんが?
「しゅっ」
もたっ
「しゅっ」
もたっ
「みた!?」
あ、うん、しゅんびん……
ええと、毛抜けがすごいなって思ったよ?
\「猫写真だけ」における本文はおまけです/
4月……この頃は短編「離婚するつもりだった。」の長編の準備をしていた頃でしょうか。
もう記憶が曖昧。
「離婚するつもりだった。」は24時間集計最大20000ポイント突破、現時点で(2024年8月現在)年間短編ランキング2位。なろうとアルファ、xで頂いた感想合計150件以上だったと思います。目に見えて反響のあった作品です。
打診あった?複数ありました。本当はさっさと受けたかったです。条件も内容も申し分なく。それはもう受けるでしょう。
でも受けませんでした。ぜんぶ断りました。
すごく悩みました。悩みすぎて、その時点では全然関係ない別件の編集Xさんに電話で1.5時間×2セットくらいぶつぶつ言っていました(お世話になりました)。「離婚」をどうしようというより、自分の今後はどういう方向に行くんだろうって話になってたと思います。
そのときに、短編の累計ランキングを上から見て、高ポイント短編はどういう商業化をしているのか確認用に資料作ってみました。アンソロコミカライズ、長編版を出して書籍化・コミカライズ。中には短編から書き下ろし紙書籍も複数ありましたが……
そして私は実は現在までの実績としては書き下ろしの仕事の方が多いので、書き下ろしはある程度自信があるんです。
ただ……
「すごく実績のある先生も、長編版で結果を出してから商業化しているのに、自分はそれをしないでもなんとかなる、とは口が裂けても言えないな……。あと、あわよくばコミカライズと思っても、コミカライズ連載はじまると必ずWEB小説を確認しにくる読者さんがいるのに、WEBに短編版しかないとなれば後々絶対に不利だよな」
長編版をWEBに出して、読者さんにジャッジしてもらった結果としての商業化でなければ。
自分の中でそう決まってしまったので、やっぱり短編への打診は内容条件問わず受けられませんでした。後ろの安全ゼロ、完全白紙。「なんらかの保証があると思うと、気合い入れてポイント取りにいけないです。『昨今の商業化は最低でも4万ポイント』って意気込みでくる他の作者とランキングで戦えません」って。
(※どこかで見かけた数字であり「実際のところ何ポイントが判断基準なのか」編集さんに聞いたことはありませんので、真に受けないでください。私がそれを見て自分の目標にしたというだけの話です)
もちろんその結論に至るまではかなり悩んでいて、
上記のように電話で3時間とぐろ巻いてぶつぶつ言ったり、私のなろうのお姉様に泣きついたり、連絡先知っている相手にぼや~っとした質問したり。私がもやっとした質問投げかけると全員「あっ、察し」ってなって、全員「迷ったときは難しそうな道へ行くべきだよ」と言ってくるんです。鬼かよ。
私の周り鬼しかいねえ。
全員と言っても、夫に聞いて、ともだちの連絡先上から二人くらいに質問した段階ですぐに気づきましたよ。これ以上誰に聞いても同じだなって。友達は、自分の望む答えが返ってくるまで振り回すガチャじゃない。
というか結局似た者同士が仲良くなるとすると、何人聞いても鬼しかいないんだよね?
床にひっくり返って「あ~~やだやだ怖い~」とぐずぐず泣いたりしながら、準備して連載をして、
本当に本当に皆様のおかげで商業化となりました!
3月短編、5月連載、9月発売はたぶんかなりスピード感あると思います。
このへんでまた陰謀論やら憶測したがりのひとに、短編のときから企業と約束があったとか、連載時点で刊行スケジュール立っていたとか、何か言われるかもしれないなって思ったんですが、私の実際の事情を直接知るひと以外が何か言ってもそれ全部ウソですよ。
5月に実家の父に癌が見つかり、バタバタしながら連載を終えたときにはありがたいことに打診が複数あったんですが「私の事情がどうなるかわからない時期なので、一番早く本出してくれる会社さんに行きたい」って言ったらまさかの最速9月、と言ってくれた会社さんがあったのでそれが決め手でお願いします!となったのです(文庫だったのも大きな理由ですが)。
おかげさまで、刊行情報出たので実家に伝えたら療養中の父が早速予約してくれたそーです!(*´∀`*)
家には送るつもりでいたので、予約してくれたことにびっくり。
とてもベタな話なんですけど、わたしがWEBで小説書いているのは更新を心待ちにしてもらえるような作品を書きたくて(最近滞っていてすみません)
それは以前、不登校だったり色々あったお子さんがテレビのインタビューで「毎週楽しみに見ているアニメがあって、来週も見ようと思って生きていた」ということを言っていて、
好きな作品に先の予定があるからそこまでは生きよう、その次まで生きよう、そう思ってもらえる作品を作れたらという思いがあるので、この先、発売や更新を楽しみにしてもらえるような作家になりたいなと……。
しかし今回は本当にドッキドキでした。
仕事全然関係ないけど電話に付き合ってくれた某社の編集Xさんがいたり(これはぜひともヒット作を持っていかないといけないですね。ステラマリスいかがですか?ん?んっ?)、ぐずぐずしている私の背中を蹴ってくれる親切で愛あふれる鬼が周りにいたり、
何より読者さんが応援してくれたこと、それなくして商業化は絶対にありえなかったので……!!
そういった、私がこれまで小説続けてきた中で気がついたら周りにいろんな縁があったことで「今回は」なんとかなったという感じでして……(恐ろしいことに、きっとこの先も「迷ったら難しい方へ」いかなければいけない選択肢には何度も直面するんだろうなって)
何はともあれ、「離婚するつもりだった」商業化
どうもありがとうございました。
イメージはしゅばっとしたいんですけど、だいたいいつももたっとしかできない私でして、
この先もこうやってつまづきながら一歩ずつですね……!




