表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/15

十二話 属性ヒエヒエ系少年刺客と戦う師匠の話

 一人。


 タケと離れたのは久々じゃな。いや会ってから初めてかもしれん。


 六千年振りの静謐。


 淋しいという感情が思い出せたわ。


 ――――――


「デートですよ先輩♡観光地でも回りましょう!」


「約束した覚えはないんですけど………じゃあ師匠、行きまs………」


逢引でーとに儂は不要じゃろ。儂は少し用事がある故、二人でおれ。」


「ありがとうございます!!先輩っ♡行きましょう!!」


「え……ああ。うん。じゃあ師匠、また後で。」


「ああ。また後でな。」


 ――――――


 ……さてと、用事をすませるかのぅ。


 人気のない、路地裏。


 だれもいないな………よし。


「儂に惚れでもしたのか?もしそうなら黙って隠れてないで早う話し掛けて来んか。まあ振るけどな。」


「気づいていたか〜。」


 瞬きと同時に視界に姿を現したのは、青髪青目、青い服の少年。見た目は8歳ほどか?


「それで、用はなんじゃ?」


「簡単だよ。まあ敢えていうなら、『御命頂戴』ってとこかな。獣神サマ。」


「ほう。」


「自己紹介しよう。ボクはフリ。『龍王』の()()()()】にして偉大なる創造神様の使いの一人だよ。」


「それで?儂を殺せるとでも?」


「その為に300年、準備してきたんだからね。自分から森を出てくるとは思ってなかったけど、かえって好都合だ。」


「勝算はあるということか。面白い。」


「では。我が父、龍神ウィンの加護あらんことを。フリ=ザクロス、【参る】。」


 同時に、視界が変わる。空間系のスキルか。

 一面、雪景色。目の前には氷の大聖堂。雪の結晶でできた十字架に、美しい龍の氷像。

 蒼い氷の大鐘に映えるは雪上に咲く白い百合。

 儂の時の神社と近いものに見える。


 刹那、少年の拳が儂の鳩尾を狙う。

 即座に回避。速いな。


「【氷魔法】【龍魔法】【接続・融合】〚極位氷龍魔法:雪龍刃牙〛」


 少年の腕に、氷の刃のついたガントレットが出現。

 主武器は格闘か。


「水龍格闘術、壱、流水巡り、世は潤う」


 流れるように連撃、素手で受ける。


 連撃が終わらない。美しいほど連撃の隙間が無く、23発毎に1発目の型にもどりおる。

 半永久的に続く連撃。素晴らしいのぅ。


「【獣神速】」


 強いて言うなら17と18の間が少し繋がりが甘い。ここじゃな。


「雷獣流抜刀術、弐、天に燃ゆる、轟の虎」


 先日タケが見せたものとは比べ物にならない程の神速の剣戟。

 少年はガントレットで受けるも、砕け、300mほど飛ばされる。

 あれを食らって腕一本で済むとは、中々じゃ。


「【高速再生】」


 腕が再生。じゃが、


「そんな暇あるのか?」


 耳元で囁く。


 少年はビクッと体を震わせて即座に後ろに飛ぶ。


「…なんで今、殺さなかったの?」


「つまらんじゃろう。そんなことすれば。」


「遊ばれてるなあ。一対一では勝てる気がしない。」


「なんじゃもう諦めるのか?」


「誰が一対一って言ったよ。」


 直後、空中に穴が開き、中から大量の氷龍。

 更に巨大な門が現れ、現れたのはS級魔獣数十体。

 おまけに一体、零餓獣というSS級の災害指定魔獣。


「なるほど。準備とはこれのことか。」


「まあね。」


 360度集中攻撃。


「少しばかり本気を出すか。【解刃】【黒雷無影天】【神獣魔法】〚神位雷獣魔法:黒雷、神之牙〛」


 半径4000mに、大量の雷が隙間なく鳴り響く。そして雷刃は全てを塵に帰す。


 一掃。


 刹那、後頭部に殺気。


 躱す。


「生きておったか。気配が消えたから死んだかと思ったわ。」


「なんで躱せるんだよ化け物め…」


 視界の端で、崩れた筈の零餓獣が儂に光線を放つ。


 躱せるが、ここは…………


「雷獣流下段之構、参、星は不見、輝は刹那」


 光線を縦に斬り、雷光と共に零餓獣の首を落とす。


「っ!!水龍格闘術、参、凍は深、溶は高!!」


 高速で拳が首に迫る。


 速い。が、


「その程度では儂には及ばんよ。

 雷獣流下段之構、漆、落雷を昇る、雷獣」


 拳を縦に斬り、更に700mほど吹き飛ばす。


 聖堂に衝突し、聖堂が崩れる。


 瓦礫の中に、満身創痍で座る、少年。


「つっよぉ………300年掛けたのに無傷って…………」


「終わりじゃな。少々期待外れじゃったが、まあ楽しめたわ。」


 止めを刺す、その時。

 少年が、ニヤリと笑う。


「誰が準備が魔獣だけって言ったよ。」


 足元にいつの間にか大規模な魔方陣。

 儂としたことが、油断。


 恐らく制作に数百人は犠牲になったであろう、封印術式が作動した。


 躱さねば。


「【獣神速…………」


「逃がすかあ!!」


 少年が立ち上がり、儂にしがみつく。

 少年も封印に巻き込まれる。


「【絶命際之全霊力】!!」


「【神撃雷千之咆哮】!!」


 全身全霊で動こうとするも、少年の命を賭した妨害で邪魔される。

 その一瞬の遅れで、封印は完成した。


 そこで一旦、意識が途絶えた。

ちなみに【読心】はフリのスキル【精神干渉耐性】で妨害されてました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ