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十二話 近接戦つよつよ系大剣戦士が仲間になる話

「誤って殺してしまって、すいませんでした。」


「そんな日本語在ったんですね。」


「ニホンゴ?まあいいか。お前は悪くないよ。なんか生きてるし。俺も興に乗りすぎてあの時本気で殺しにかかってたからお前は正当防衛だ。」


「それにしてもあの【悪戯イタズラ】、激レアスキルではないか。」


「そうだ!なんだあれ。何で黒板ケシ?」


「【悪戯】は相手に何かしらのイタズラ、ドッキリ的なのが発生するスキルだ。何が起こるか分からないし、効果もバナナの皮だったりピコピコハンマーだったり、嫌がらせでしか無いようなものばかりだが…」


「世界で唯一、命中率100%のスキルじゃ。それにしても困ったのう。まさかタケが負けるとは思わんかったわ。」


「ほとんど負けてようなものだがな。」


「ううむ…よし。真面目に考えた結果……」


 ゴクリと、ガイアスが唾を飲む。


「儂は未だ貴様のことを何も知らんし、面白いやつとは思うが今のところ恋愛感情は湧かん故、丁重にお断りさせて頂こう。」


 お、真面目に断った。

 そうだよな。よく考えれば真面目に考えてやるとしか言ってなかったもんな。

 だけどあそこまでしてちょっと可哀想な気も……


「じゃがタケに勝った故、選ばせてやる。友人、師弟、主従。」


「!!」


 おお。流石師匠。


「友人……いや教えを乞う……しかし武器も違うし雷魔法は使えねえし……主従?主従か……いやこの先進展するにあたって主従関係からだと発展し辛い気も……いやしかし友人関係よりは主従関係の方が関係として強い気も………」


「悩んでますねえ……」


「まるで恋愛ゲームの分岐点だな。」


「だとしたら最重要のシーンですね。」


「まあなんじゃ。取り敢えず一戦でもするか?」


「いいのか?お願いする。ルールはさっきと同じでいいか?」


「貴様が決めて良いぞ。」


「師匠のスキルアリタイマンはやめとけ。開始と同時に首が飛ぶぞ。」


「いや、ハンデはいらねえ。どうせ勝てないなら高みをこの目に焼き付けておきたい。」


「はっ!その意気や良し!まあ、見えたらの話じゃがな。」


 ◆◇◆◇


「ほう。一瞬反応しおったわ!!タケでも捉えられんというのに。」


「近接の一対一でスキル無しなら俺より上ですね。雷獣流躱せるのは凄いですよ。」


「ただその分遠距離と防御力は弱いのう。火力と速度はかなりいい故、もう少し遠距離対策したほうが良いのではないか?」


 師匠が首を拾って繋げながら言う。


「はっ死んでた!!」


「おかえり。」


「儂の使う技と癖さえ完全に理解しておけば、300年もすれば髪くらいは切れるかもな。」


「冗談に聞こえないのは俺だけか?」


「切り傷一つつけるのに俺六千年かかりましたからねえ。」


「は?お前何歳?」


「俺は半年前に生まれたばかりだよ。」


「?????????????」


「……深く考えない方が良さそうですね…」


「……よし!決めた!」


「お、どれにするんじゃ?師弟関係か?」


「仲間にしてくれ!!」


 仲間?それって……


「……団長?傭兵団はどうする気ですか?」


「辞める!」


「へ?」


「次期団長はヘヴ。俺は冒険者になってくる!!」


「いやいやいやいやちょいま…」


「溜まってる仕事は終わらせるから、来月には合流する!」


「ほお。まあ儂は別に良いが…二人は?」


「全然。ていうか心強いでしょう。」


「まあ良いですけど。私、最弱になるのでは?」


「え…えぇ〜……」


「じゃあまた来月のこの日、中央広場にて待つ。よろしく!」


「ああ。よろしくな。あ。そういえば名乗っとらんかったな儂はファリア……いや、ファルじゃ。今後よろしくな。」


 ◆◇◆◇


 翌日。「号外!ガイアス団長、傭兵団を引退宣言!今後は冒険者に転属する!」


「情報出回るの速いですねえ…」


「というか何故タケは別の部屋に?」


「いやいや。流石に男一人に女二人は同じ部屋じゃだめでしょう。俺にハーレム願望は無いですよ。」


「私はいつでも…」


「そんなことよりタケ。今日は戦牙鬼オーガ駆除じゃぞ。奴等は数が多い上、凶暴故に被害が大きい。早う行くぞ。」


「何匹ですか?」


「最低十匹。それ以上狩るのも生態系に変化が出る故やめとくべきじゃな。」


「今日は先輩とデートのつもりなんですけど。」


「…先に仕事じゃ。」


「わかりましたよ…あ。そうだ!二人共、私の実力知りませんよね?」


「そういえば…」


「雑魚じゃろ?」


「まあ…先輩達にくらべたらそうですけど…見ててください。」


 突然直菜さんが外に出て、飛び上がる。


 空中に立ち、指を鳴らす。


 手元に大弓が現れる。


「【視界拡大ズーム】【筋力強化】【風魔法】〚上位風属性魔法:旋風矢〛【精神統一】【超体幹】」


 弓を、引く。


 その姿を見て、思い出す。


 弓道全日本一位を獲得した、あの一矢を。


「中った。」


 同時に、放つ。


 矢は飛び、遥か彼方へ飛んでいく。街の中から城壁を超え、森の木々の中へと姿を消す。


「【獲物召喚】」


 《説明。【獲物召喚】。仕留めた獲物を手元に召喚する、狩人のスキルです。》


 直菜さんの手元にオーガの死体。


「次。」


 また何処かに矢を撃つ。


 オーガの死体が増える。


「次。」


 また撃つ。


 また増える。


 ◆◇◆◇


「「……」」


「さあ。仕事終わりましたね!デートしましょ!先輩♡」


「何じゃあれは。よくそれで最弱など言えたものじゃな。」


「え、だって私、先輩達みたいに早く動けませんし…剣術も下手くそですし…遠距離からちまちま撃つしかできないですよ?」


「全国大会必中伝説を作ったというのは知ってましたが、ここまでとは……」


「いやスキルで大幅に強化されてますからね?あと最弱って言ったのは飽くまでこのパーティー内でですから。」


「これは予想外じゃな。」


「全然戦力ですね。少なくとも足手纏いにはならなそうです。」

敬語とタメ語、相手によって使い分けてるけど…絶対統一したほうが良かった……

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