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お題シリーズ6

理由不明の愛

作者: リィズ・ブランディシュカ



 いつか世界を愛せるように。


 世界の片隅で、一人の少女はそう願っていた。


 少女は不幸で、たくさんの絶望を抱えていた。


 悲しくて、今にも悲嘆の感情で溺れそうだった。


 取り巻く環境は凄惨で、目も当てられない惨状。


 ヒーローの参上は望めなくて、制裁ばかりをあたえる者に、罪の精算の機会は加えられない。


 けれど少女は、願う事をやめなかった。


 いつか世界を愛せるように。


 今は愛せなくても、愛していけるようにと。


 どうして少女はそう思うのか。


 それは少女自身にも分からない。


 記憶のない場所で、記憶のない所で、その理由にいたる出来事があったのかもしれない。


 それとも、そんなものがなくて、どんな状況でも願いを絶やさないのが、少女の魂の本質だったから、なのかもしれない。


 答えは分からない。


 けれど、少女はそこに意味を求めないから。


 答えが分からなくてもよかった。


 いつか世界を愛せるように。


 今日も、明日も、明後日も。


 少女は願い続ける。


 不幸に彩られた人生の中でも。


 明日、理不尽な世界で死んでしまうかもしれないと思っていても。



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