光の中の少女
連載にしてますが短編的かもしれません。
都市伝説に最近追加された噂がある。いつの間にかスマホを起動すると死神アプリという謎のアプリがインストールされており。それを起動したものはこの世から消え、悪魔の力にも匹敵する力を得て死神になるという噂だ。
アパートの一階の端に住む少年、篠上翔悟は朝目が覚めいつも通りに飯を食べただ一人しかいない空間で着替え学校へと足を向けていた。
茶髪は自前で身長は175センチ、体はちょっと細身ではあるが普通の高校生。
そんな彼は時間に余裕を持たせ学校へと向かっていた。
都市は今日もうるさい雑踏であふれかえっていた。
電車に乗るといつも出会う一年生の女の子がいた。別に恋を寄せるわけでもなくただの他人であった。
翔悟は無視して次の駅で降りまだまだ余裕を持たせ学校へと向かう。一年生の子も降り学校へ向かう。学校が一緒なだけで特に用事はない。
春の風は強くなったり弱くなったりと不調である。
そんな風にあたりながら彼は学校に着く。
まだ誰もいない2-Aで鞄を置き一人花瓶の水を変えて調節していた。花は嫌いではない。むしろ好きなほうだ。
校舎の花壇の向かい花に水をやる。彼は園芸部であった。
時間が過ぎていくと同時に登校生徒が増え始めるその中には翔悟と同じクラスメイトもいた。
クラスメイトの一人が声をかける。
「おはよーさーんしょーくーん!」
元気に挨拶してくるのは島田光弘という生徒であった。
「おはよー」
軽く挨拶する。
そんなこんなでクラスに戻り朝の挨拶がてらの噂話やニュースの話で賑やかであった。
彼には友達はいるが親友と呼べるような友はいない。彼が一歩引くからである。
時間が過ぎ授業へと移行していく。毎日の風景を日常は作りながら平凡が流れていく。
放課後の部活動でも彼はいつも一歩引いていた。そんな彼を見て部長の3年生、青柳千春は5人しかいない園芸部で彼を目立たせる。
「今日も花壇のお世話ありがとうね!篠上君!みんなも見習ってよ!」
「はーい部長、部長も今日は篠上より遅くて花壇に水やってなかったですよね?」
「うくっ…痛いところはつかないように!誰も得しないんだからね!」
「へーい」
部活では花壇の花をカラフルなハートマークにする会議をしていた。
時間が過ぎ下校時間になる。
靴箱でふと見るといつも無視していた一年生の女子にで会った。なにか言おうとしてるのかもじもじしている。
「…あ…あの篠上先輩ですよね?登校しだしてからいつもいっしょの電車に乗ってる…」
「あぁ…君か、どうしたの?」
「実は入部届だしたいんですけど…」
「ん?」
話が見えてこないのでズバリ聞いてみた。
「もしかして園芸部に?」
まだ学年が上がって5日程度なのでまだ入部の余裕があった。
「それは先生の仕事でしょ?」
「あ…あの顧問の先生の名前教えてくれませんか?」
「谷原って先生だよ、それじゃ」
いつも通り一歩引くスタイルで事を済ませる。そんな彼に彼女はぎりぎり翔悟に聞こえる声で。
「ありがとう!ございます…」
振り返った時にはもう彼女はいなかった…なぜ自分の名前をピンポイントで当てれたのかよくわからないことだらけだったがまあいいか思い、帰ろうとする。
何気ないことだった、だけど何かが自分の中でひっかかった。
なぜ自分が一歩引くのか、…それは人間が醜いからだ、これから起きるであろうことはすべて今まで自分たちが先生なり指導者なりに押し付けられてきたことで自分を圧迫し苦しみお手本などなく他人は他人で人頼み、一皮むけるには地獄のような苦しみを一回味あわなければならない。そこまでしてもまだ遠い人生そんなことを繰り返すのが人生ってことなのかもしれないけどあまりに苦しすぎる人生はいずれ自分を崩壊させてしまう。いつまでたっても終わらない苦しみの極致にいる自分が許せないだから頭の中は壊しまくった。想像力であり考えることであり妄想でもありすべてをガラスを壊すかのように壊していった。妄想で自分にピストルを掲げ脳天を撃てどなにもかわりはしない。地獄への生き方を教わっているようなものだった。そんなことを毎日続けてなんになる?親はこの世にもういない自分を守ってくれるのは誰もいない勇気なんてものは自分を妄想で殺した時からいつの間にか消えていった。
はっきり言っておけば僕は精神異常者の部類に入るのだろう。この16年間でそれだけは分かった。それでも毎日の中で何かを求めてた、新しく勇気を出そうと少しでも思ってる自分もいた、苦しい人生になるのもわかってただけど自殺なんてしたら消えていった家族たちに顔向けができない。だから何となく一歩引いて誰にも怪しまれずだれにも気づかせず苦しみを背負ったまま勇気は少し控えめでもいいから、心に痛みがあってもいいから、持ち続けようと思った。
あの過去に縛られるのはもう嫌だったからだ。
一瞬ではあるがいろんなことを思ってしまいふらついた。
そんなときに微かに聞こえた。
「…助けて…」
だれだ…自分に問いかける、だが自分に誰かが助けを求めている幻聴にちかい、いや幻聴かもしれない。見捨てておこうと思った。しかしそれはもっと大きな声になって。
「ここから…開放して!」
その瞬間学校が大きな地震に揺らめき天から一本の大きな光の槍、もしくは矢が突き刺さっていた。そうこれは異常事態だった。
その場にいた学生たちは光の物体が落ちた時によるせいか傷だらけだった。
自分はその光景を見た後光の物体は檻のような形を形成しているのを確認した、間違いないあの声はこの中にいる人の声だ。
ひたすらに走っていた。一歩引くなんてくそくらえなぐらいに全力でだ。
そして檻に片手が触れた瞬間
バチィ!!
はじかれてしまっただけならいいが左手首から先がなくなっていた。
なにかが僕を焦らせた。
(なんだ、なんなんだよこれ!)
「機械に手を!…」
機械?もう片方の右手には何もない、あるとすればポケットに入れてあるスマホの最近手にしてしまったあのアプリだった。
「はは!こんな状況じゃなきゃこんなアプリしんじなかったよ、じゃあな今の自分…」
右ポケットからスマホを出し死神のマークの付いたアプリ、死神アプリを起動した。
翔悟の体が黒い液体のようなものに覆われたその瞬間で左手は再生され髪は白髪、背中には黒い翼、外装はブラックのコートだった。
さっきの声と違う声が聞こえた。
「汝その手は赤き血を望むとみたり、さすれば力を授けん」
「なんでもいいよ!僕はこれでいいんだ!」
そして右手には大きな鎌を握っていた。
自分に力がみなぎってくるのがわかる。今なら壊せる!そう確信した。
持っていた鎌を両手で持ち檻を切り中にいた少女を連れ出した。
光が収束していく。と同時に光の中の少女は震えた声で。
「もういいの?」
「なにが?」
「この世での未練」
少女は震えていた。なにがこの子を怯えさせるのかすぐわかった。自分の覇気である。さっきまでとは別人になってしまった身なりであり力であった。
「大丈夫」
と頭をさすってあげる
「じゃあ行こうか…」
「あぁ…どこへでも行こう」
少年は力の代償に顔以外のすべてを変えどこかへ行こうとする。
それを見ていた青柳千春と1年生の青柳桃花それにただ近くにいて少し傷ついたものの島田光弘がいた。3人が急いで篠上翔悟に駆け寄ろうとしたときあと一人、野球部のキャプテンが光とともに消えていったのだった。
連載はあまり考えてませんが気が向いたら更新するかもしれません。自分の中では一応没になった作品ですので。