第一章『君の笑顔が見たかっただけなんだ』
主人公の名前が決まらないので募集します
ここは誰かの記憶、男の人がいる私の体はその人の中に吸い込まれるように入っていった……
どうしてこうなったんだ
ただ俺は彼女の笑顔が見たかっただけなのに
『 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛』
聞こえるのは彼の叫び声と『Dunkel wie die Nacht(夜のように暗い)』という文字だけだった
【彼女の真実を見届けよう】
誰かの声が聞こえた気がした
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺の彼女はあまり表情を変えない
それが別に嫌な訳じゃないけれど彼女の笑顔が見なくなってしまった。
それからはどうしたら彼女が笑顔になるか考えて色々してみたりした
だが…
全てが失敗に終わった
「なんでだ〜」
「何が?」
「次はどうしたら……」
「聞いてる?」
「うーん」
バシ
「イッッタ!!何すんのさ!」
「いや、無視されたから」
「無表情で言うのやめてくれない!」
「無理」
「なぜ!!」
「それが私だから?」
「なんで疑問形なんだよ!!!」
「うるさい」
「わかった!ごめん!だからその手を今すぐに下げて!お願い!」
「わかった」
(危なかった〜(ドキドキ)あれくらったら死ぬマジで死ぬ)
この時は楽しそうに笑っていたのに何があったらああなってしまうの?
しっかり見なきゃいけない気がする
私は彼らの記憶を少し進めてみていく
(どれも楽しそう)
(だけど、なにか引っかかる。これは何?それにあの女性見覚えが、)
私は【何か】を知るためにまずは彼の生活を彼の中で見ていった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼
彼の名前は谷崎 健人
健人の家族は4人
父親、母親、妹、そして彼
なんの変哲も無い普通の家庭
朝起きて「おはよう」から始まって、朝ごはんを食べて、学校に行って友達と話したり、彼女にちょっかいかけたり、帰ってくるそんな何の変哲もない生活だった
(特に引っかかるものがない)
(彼女の方に【何か】があるの?)
私は彼女の生活を見に行く
彼女
彼女の名前は四月一日 静華
静華の家族は2人
母親と、静華だけ
一緒には住んでないらしい
(あれ?彼女笑ってる?)
彼の中で見ていて気がついた
彼は視界に入ってるけど気づいてないらしい
彼女は笑っていた
(笑っていないのは彼の前だけ?)
(なぜ?)
(彼氏の前では恥ずかしいから?)
違う
理由は分からないが私はそう思った
(彼の前で必死に感情を抑えてるような)
変だと思った
なぜ彼の前で感情を抑える必要があるのだろう
私は少し彼女について知るために彼女の体に入ろうとしたが…
彼女の体には入れなかった
入れなかったと言うよりは
通り抜けて行った
(どうして!他の人の中に入れるのに!体に入れるどころかすり抜けてしまう!これじゃ彼女についてしれない!)
私はすり抜けた彼女の方を見て冷静に考えた
(なぜ彼女だけすり抜けるのかしら彼女が真実に繋がる鍵なのかしら)
彼女には謎が多すぎる
体に入れないこと
彼の前以外で笑っていること
たまに苦しそうな顔をしていること
気になることが多すぎる
また私は彼の中に謎を解決するためのヒントがあると願って記憶を見ていく
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ごめんなさい」
「は?」
彼女はそう言って苦しそうな顔をしていた
「どした?なんかやらかしちゃった?お前にしては珍しいな」
「そうね、」
「?まあ何したんか知らんけど元気だせって!な?」
「うん…」
そういった彼女はまだ納得していなさそうだった
(どうしたんだいきなり?精神不安定なんかな?)
【ーーーごめんねーーー】
そんなメールが来ていた
(なんだ今の?)
俺は知らない記憶に不思議に思いながら気にしないことにした
(何今の?もしかして彼女。)
私は今彼が見た記憶と彼の前で起こった記憶を見て私は気がついでしまった
彼女の謎を解くには十分すぎるそんな記憶だった
その時
【……だよ】
「!!!誰!」
誰かの声が聞こえた
それは黒いローブをきて顔は見えなかったがそれは紙と【時間だよ。それを見ながら彼の前でやってきてごらん?それと君が気になってる彼女との記憶も思い出させてあげるよ】
「彼の前でやれってどうしたらいいのよ!まず彼がどこにいるかしらわよ!」
【目が覚めれば彼の前に連れてってくれるネコがいるからその子について行くといいよ】
それだけ言って消えていった
その声は男とも女とも言える声だった
私はその声を聞いた途端目の前が来た時と同じように意識が途切れた
私はその意識の中彼女について思い出した
「お姉ちゃん!」
彼女は私が引っ越す前まで公園で遊んでくれた人だった
彼女はいつも身体中に傷をつけてた
幼かった私はその傷は転んだりしてできた傷だと思っていた
彼女は私によくお菓子をくれた手作りでとても美味しかったのを覚えてる
あぁなんで忘れていたのあんなに大好きだったのに
ごめん静華お姉ちゃん
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ん、?」
目が覚めるとそこは来た時と同じヴァールハイトの店内だった
「帰ってきた?」
「おや、おかえり真実は見れたかい?」
「私、さっきまで「ニャン」!」
いつの間にか私の足元には猫がいた
「おや、今から真実を見るようだね。珍しい事もあるもんだ。」
「あの、」
「行っておいで。まだ時間はそんなに経ってないから問題ないと思うよ。」
「あっ、本」
「持っておいき」
「でも、」
「いいんだよ。珍しいものが見れたからね。」
「ありがとうございます!」
そう言って私は猫の後を追いかけて言った
「しっかり見てくるんだよ。」
そうおば様がそう言ってたような気がする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
猫が連れていってくれたところは路地裏だった
「誰もいないけど」
「ニャン」
「待ってろってこと?」
「ニャン」
それだけ言うと猫はどこかに行ってしまった
「そういえば紙」
私はローブの人からもらった紙を探した
「あった」
紙は本に挟まっていた
「なになに?」
紙にはこう書かれていた
『谷崎 健人の記憶を戻す方法』
・谷崎 健人の前で床に赤色の何かで「Dunkel wie die Nacht」と書くこと
そう書かれていた
「この文字記憶で見た文字と一緒」
最初に見た彼が泣き叫ぶ記憶で見た文字がこんな文字だったきがする
「赤い何かって何?ペンでもいいのかな」
私はちょうどカバンを持っていたからその中から赤いマーカを取り出した
そこに
「ちょっと待ってて!」
記憶で聞いた彼の声が聞こえた
「ニャン」
そう鳴いて猫は私の方に乗った
「ハァハァ、君が俺を呼んだの?」
「えっ、あっそう、です」
私は知りたかった確認したかった私の考えが正しかったかどうか
(確信はないけどやって見るだけやってみよう)
「ちょっと見てて欲しいんですけどいいですか?」
「え?」
「ほんと!すぐ、終わりますんで!」
「いいけど?早くしてよね彼女待たせちゃってるから」
「ありがとうございます。」
私は床に赤のマーカで髪に書いてある文字を書いた
床に映らないなんて心配入らなかったかのように
文字がはっきり床に写った
書き終わったそれを私は彼に見せた
途端
「えっ?」
彼は驚き次に
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
と
記憶の中で見たように叫び出した
その時私の頭の中にはかれの記憶らしきものが入ってきた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼女は母親から虐待を受けていた
俺は知っていたんだ
だけど
彼女を救えなかった
笑顔が見たかった
あの母親から離れれば見れると思った
だけど違った
彼女は自殺してしまった
俺に
【健人ごめんね許して】
そう
LINEに残して
家で首を吊っていた
救えたわけじゃなかった
笑顔に出来なかった
「ごめん。ごめんごめんごめん。……ごめん」
首を吊っている彼女に向かって俺はただ謝り続けた
「あいつがいない世界に生きる意味があるのか?」
そう考えた俺は10階以上あるベランダから身を投げ出そうとした時
【彼女に謝りたい?】
そう声が聞こえた
「誰?」
【私は……悪魔とでも思ってくれて構わない】
「悪魔…」
【そうさ私は悪魔、君は彼女に謝りたいかい?】
「謝りたい。救えなかったこと。笑顔にしてやれなかったこと。沢山謝りたい」
【それが悪夢であってもか?】
「それでもいい。彼女に会えるなら。」
【よろしいならば見せてやろう悪魔の悪夢を】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これが彼の記憶
「やっぱり」
彼女は死んでいた私が彼女の中に入れなかった理由
彼はどう思っているのだろうか?
「記憶が無くなるなんて言ってなかったじゃないか。」
そう言っていた
すべて思い出した
彼女が死んだこと
悪魔に願ったこと
「君は知っていたのかい?彼女が死んだこと」
「…静華お姉ちゃんがあんな事になってたこと知っていたけど、知らなかったです」
そんな曖昧な返事が返ってきた
すると彼女の肩に乗っていた猫が彼女の肩から降りてこう言った
【悪夢だと言っただろう】
「「!!」」
俺と彼女は驚いて声が出せなかった
そんなことを気にしないで猫は続けた
【お前が見た悪夢の「四月一日 静華」は本物だ。】
「あいつに静華に会わせてくれ!まだ謝れていないんだ!そもそもそう言う約束だろ!」
【私は約束したのは悪夢を見せることだけだ】
「そんな…」
【だが私もそこまで酷いやつじゃない彼女からのメッセージぐらいくれてやろう】
そう言って猫から出された紙には
「Je vous aime」
そう書かれていた
「はは…俺もだよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【お前にもあるぞ】
「え?」
猫はそう言って私にも紙を渡してきた
その紙には
「Thank you for remembering」
と書かれていた
「静華、お姉ちゃん、」
私たちは彼女のメッセージに泣いていた
どれぐらいだっただろう気づけば猫は消えていた
「俺はもう行くよ」
「死なないでくだいね」
「もう死なないよ。あいつに励まされたからね死んだら怒られるよきっと。それにこの紙があれば前を向いていけそうな気がする」
そう彼は笑っていた
「良かったです」
「お前も元気にな!」
そう笑った彼お笑顔は少し寂しそうしていた
私は持っていた本を返しにヴァールハイトに戻ってきた
「おやおかえり」
「すみません本、勝手に持っていったりして」
「いいんだよ、それより真実は見れたかい」
「事件の真実ではなかったですけど真実は見れたと思います」
「そうかい。…それは多分まだ続きがあるよ」
「え?」
「その本に書いてあったと言うことはまだ最初だろうね、」
「まだ続くってことですか?」
「そうさ、まだたくさんのことが書かれてる読みたければ読むといいよ、その本に書いてあることを読んでるうちは、あまり時間が進まないからね。なんなら持って帰るかい?」
「……持って帰ってもいいですか?」
「340円だよ」
「お金取るんですか!?」
「当たり前だよ。商品だからね」
「持って帰ってこないって思わなかったんです?」
「持って帰ってくるってわかってたからね、ハハ、おばさんを舐めるんじゃないよ!」
「えー」
「ほらどうするんだい、買うのかい、買わないのかい?」
「買います」
「はい。340円しっかりと、毎度あり」
「それでは」
「気をつけて帰るんだよ」
「はい」
そして私は家に帰っていった
まだこの物語は終わらないらしい
次の物語はいつ読もうかな
そうちょっとだけ楽しみにしながら
ミステリーってこんな感じでいいのかな?
と言う少しの不安があります




