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51 武器探し

 マイスが引き連れていた取り巻きは全部で5人。

 誰もが容姿端麗でおしとやかな見た目をしていた。


 驚いたのは評価の数。

 全員が4オーバーでかなりの高評価集団だった。

 その中でマイスだけが3.5と低い数値。


 にもかかわらず、彼女はあの集団のリーダー格としてふるまっている。

 いったいどういう集まりなんだろうな?


 そんな疑問について尋ねる暇もなく、彼女たちはどこかへ去ってしまった。


 俺には、彼女がわざわざ情報を教えに来たようにしか見えない。

 本当にソフィアのことが大好きなんだな。


「武器かぁ……探さないとなぁ」


 マイスの気持ちを知ってか知らずか、ソフィアはさっそく武器を確保するつもりでいるようだ。

 傭兵科が何処にあるか分からないけど、そこへ行けば適当な武器が見つかるだろう。貸し出しも快く応じてくれるはずだ。

 なにせソフィアはこの学園最強のスキル使いだからな。


 断ったら消し炭にされる。


「んじゃ、さっそく探しに行くか。

 でも……公開模擬戦っていつやるんだ?」

「今日の夕方かな」

「そっか……なら早い方が良いな。探しに行こう」

「うん!」


 ソフィアは嬉しそうに頷く。


 なんか子供みたいでかわいいんだが……。

 やっぱりどこか幼さを感じてしまう。


 この子が大人っぽくなるまでにはまだ時間がかかりそうだ。


 そんな彼女を孕ませろ……だなんてなぁ。

 正直、ソフィアを取り巻く現状がきつすぎる。

 このまま放っておくわけにはいかない。


 どうにかして、彼女を戦場へは送らずに済む手立てを考えねば。

 何か方法はないだろうか……?


 傭兵科の校舎は本館の裏にひっそりと建っている。

 英雄科、魔法科、騎士科の生徒は本館で授業を受けているが、傭兵科だけ別の建物へ追いやられているのだ。


 彼らの待遇はあまりよくない。

 と言うのも、英雄科の戦闘訓練の為だけに在籍しているようなもので、傭兵科の扱いは他の科と比べて非常に悪い。


 傭兵科の生徒たちは模擬戦のたびに駆り出され、英雄科の生徒たちにフルボッコにされる。

 倒れても、倒れても立ち上がり、何度もボコられるのが彼らの役目。

 あまりの辛さに逃げ出す生徒も多いという。


「傭兵科って大変なんだねぇ……」

「うん、みんな生活が苦しくて大変だったみたい。

 でも……スキルが覚醒したら英雄科に編入できるから、

 希望を捨てないで頑張ってるよ」

「え? スキルが覚醒?」


 スキルが覚醒なんてするのか?


「うん。私も覚醒するまでは普通の女の子だったよ」

「そうなんだ……」


 ソフィアは覚醒して今の状態になったのか。

 つまり……スキルの力が飛躍的に伸びたとしても、それをコントロールできるとは限らないんだな。


 いいんだか……悪いんだか。


 ソフィアによると、この学校に在籍する生徒の全員が、何かしらのスキルを有している。国は将来的に覚醒しそうな子供たちを集め、学校へ入学させているという。

 スキルが未覚醒で強い力を持っていなくても、きちんとした身分の生徒であれば、魔法科か騎士科に入れるのだが……庶民上がりは基本的に傭兵科。


 彼らはスキルが覚醒するまで戦闘訓練用のサンドバックとして扱われる。


 なんとも不憫な話だ。えげつねぇにも程があるぞ。


「ここが傭兵科の校舎」

「へぇ……ここが」


 俺は何とも微妙な気分で建物を見やる。


 本館の陰に隠れたその後者は実にみすぼらしい。

 常に太陽の光を遮られ、じめじめしている。


 木造の校舎はところどころ穴が開いており、窓も割れ放題。最底辺の学校でもここまでボロボロじゃないぞ。


 後者の入り口には何人かの生徒が椅子に座って見張りをしていた。

 明らかにガラの悪そうな連中。


 具体的に言うと、肩パッドやごっついブーツ、とげのあるアームガードなどを身につけた、露出度高めの蛮族みたいな恰好をした連中。

 世紀末世界でヒャッハーしてそうな感じだ。


 髪型もモヒカンとか、スキンヘッドとか、いかにもな感じ。

 中にはパンチパーマとかリーゼントもいる。


 こいつら……どこの世界から湧いてきた?

 明らかに中世RPG風世界の住人じゃないんだが?


「ねぇ……そこ通してもらってもいい?」

「ああっ⁉ 誰だおめ……って、ソフィアさん⁉」


 ソフィアが声をかけると、彼らは一斉に立ち上がって背筋を伸ばす。


「こっ……こんな汚いところへ、何の用でしょう⁉」

「武器を貸してほしいんだけど……ダメかな?」

「好きなだけお持ちいただいて結構です!

 地下の倉庫に置いてあるので見て行って下さい!」

「うん、ありがと」


 ソフィアが一歩前に出ると、傭兵科の生徒たちはさっと道を開ける。


 彼らは後ろで手を組んで胸を張り、肩幅に足を開いて同じ姿勢に。まるでやくざの親分を迎え入れる子分みたいだな。


「あと、この人も一緒だけど良いかな?」

「もちろんです! ソフィアさんのお連れ様なら喜んで!」

「そっ……よかった」


 ソフィアは遠慮なく校舎の中へ。

 俺も彼女のあとへ続く。


 傭兵科の生徒とソフィアってどんな関係なんだろう。

 すごく気になる……。

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