7話 Qまず何をやるか A役所に届け出を出す
「えっと、あぁ、はい、まずは」
「落ち着いてくださいよ。どうするんですか?」
「はい、とりあえず座ってください」
衛兵の詰所は交番っぽい建物だった。
そう交番。机があって椅子があって、奥の棚には書類がたくさんあってといった感じ。
そこで僕は指示通り、来客が座るために設置されているのだろう椅子に座る。
「とりあえず、えっと、あった、この書類、書いてもらえますか」
「はぁ」
読めない。何が書いてあるかが分からない。
多分だが、地球の言語ではない。
「読めないんですが、気合いでどうにかする感じですか」
「え、あぁそうですか。いや、異世界から来た方はなぜかこちらの言葉が分かって読み書きもできるって聞いてたものですから。まぁそういうこともあるんでしょう。僕が代筆しますから、質問に答えてください。あとからサインをもらいます」
「はぁ、まぁ異存はないんですが、僕としてもいろいろ説明してもらいたいなって」
「わかってます。まず、こちらの書類を作ってもらったうえでいいですか」
特に異論はない。お役所は人を食うようなことはしないはずだ。おそらく。基本的には。たぶん。