18話 芋
「料理長、水汲みの方は終わりました。そしてこっちの方が」
「あぁ、異世界の人か。昨日は寝ちまったんだって。迎えに行ったやつがおこすのもかわいそうだって帰ってきたよ」
「それはすいませんね。疲れて寝てたんです。それにおなかもすいた」
年下のメイド、まぁ僕が台車をひくべきだ。という所だが、できなかった。
重たいのは仕方ないが、整地もされてない荒れた道を木を丸く切っただけの車輪の台車で進むなんてことはしたことがない。
経験が足らない。経験では毎日やっているメイドの方が上で、有能というわけだ。
なので僕は後ろから台車を押したり、壺を台車から下ろしたりという作業をメイドの指示でやる。
雑務、下働き。ここでも年下の先輩がいるわけだ。
「水汲みを手伝ってもらったんです」
「そいつはすまんね。朝一の仕事だ。なかなか人がいなくて困ってるんだ」
そう言って食堂の裏で器用に芋らしきもの(白菜みたいな色をした芋を僕は見たことがない)の皮をむいている。
そしてむきおわり、ボールへ。ボール一杯の芋。
「芋の方もきりがいい。朝飯にしようか」
ボールを片手に食堂へ向かう料理長。
もうこういう描写いいでしょ。朝ごはん食べよう。