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10話 選択肢三つ

「君の世界に帰る方法を探すにしても、この世界で暮らしていくにしても、当分の生活という物があるだろう。どうするんだ?なにかあてはあるかい?」

「そうですね。まぁ、正直なにもないんですけど、考えるに3つの選択肢があると思います」

「ほう。聞こうか」

 正直さっきまでなにも考えてなかったが、聞かれた瞬間に思いついたものを挙げていく。


「まず1つ目。どっかの国や金持ちに頼み込んで支援してもらう。補助金とか、まぁそんな感じの援助もあるでしょと?でも、聞いてみるとそんな感じじゃありませんね」

「貧民に対する炊き出しや医療支援はありますけど、異世界人に特化した話は聞いたことがありませんね」

「そこまで落ちぶれたくはないので、次の案。何か商売を始める。元手がいりますが、まぁ支援してくれる人を探すなり日雇いで稼ぐなりして、土地を買って店を作って従業員を、って感じで。でも、僕自身そういう才覚があるってわけじゃないんですよね。それに失敗する人もいると」

「まぁ商売なんてそんなもんだ」

「そうなると最後の一つ」

 おそらくこれが一番現実的だろう。


「どこかに雇ってもらう。家も服もないので住み込みの商売がいいですね。こういうのは身分や姓名の証明ができないと雇ってもらうのは難しいと思うんですが、さっきの書類ってそういうのを証明してくれるものじゃないんですか?」

「どうだろうな。私も初めてのことだからなんとも言えません」

 そう言って衛兵は書類が並べられている棚へ。

 マニュアルの確認。お役所仕事という奴だ。

「使えるかはわかりませんけど、一番現実的な回答はこれじゃないかなと。衣食住が賄える程度にまじめに働く。異世界に来て能力が開花したから、開花するかもしれないからと欲を出さないで病気になったときに医者にかかれる程度の裕福さを目指して日々働く」

「普通そういった身元の証明は親や地域の有力者、前いた所の紹介なんかでやるものだが、君の考えは割といいところついてると思うよ。ただ」

「わかりますよ。すごく。どこで働くか、誰が身元も怪しい男を雇ってくれるかって事でしょう。一番大きな問題。こういう選択ができないから、みんな商売を始めるんでしょうね。仕事がなきゃ自分が始めるしかない」

「わかってるじゃないか」

 ウェイバー伯爵は豪快に笑う。

 それを見て一つ思った。

「雇ってもらえません?なにかの縁ってことで」

一応書いときますが、ずっとこのテンションです。


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