表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

005:ディスペル(解除)

005:ディスペル(解除)

 

 

「何やってるんだ!!」



 叫び止めるユウリ。


「なに? なんだ貴様も逆らうのか、このギル・シルヴェストルに!!」


 シルヴェストルって、あの四代精の貴族の!?

 えじゃあ……。

 やっぱり、貴族相手に平民がかなう訳ないんだ……。

 などと周囲から声が聞こえてくる。



「有名なのか?」

「……はっ!? なんだ貴様、オレを知らないとはこれだから田舎者は。まあいい貴族がいかに貴様らより優れ居ているかここで見せてやる」



 とぼけたようにし状況が読めないユウリを、憎んだように睨み、そうして示すかのように膝を着く生徒に向けて剣を振り上げる。



「ウインドエッジ!!」



 声と共に、振り下ろされ飛ぶ風の刃。

 が――しかし。

 目を瞑った生徒にその風が触れる瞬間、その刃は四散した。


「なっ、何だ今の!?」

「なにって、魔法解除(ディスペル)しただけだけど?」

魔法解除(ディスペル)だと?このオレの魔法を?」


 魔法解除(ディスペル)

 あいつが?

 四大貴族の魔法を、消すなんて?

 ありえないだろ。ありえない。

 うそでしょ?

 でも実際に消えたし……。



 周りから声が聞こえる。



「そうだけど?」

「貴様アアアア!」



 顔を赤くし、このよのモノとは思えないぐらいに強く睨むギル。

 怒りは見るからに沸点を軽く飛び越えているようで、今にでも飛び出してきそうな感じをしてる。

 その興奮するギルの前に、先ほどまで心配そうにユウリに抱き着いていたリアが。

 離れ、ユウリの前へ出た。



「アンタ、ここでは貴族も平民もないの知らないの?」

「関係ない!! 貴族は本来、平民と平等に扱われている方がおかしいのさ!!」

「はあ……。ごめんねユウリ今の時代ってこんななんだ……」

「いや、気にしてないよ。リアのせいでもないでしょ?」

「なにごちゃごちゃいってるんだっ!!」



 ギルが剣を握りしめ踏み出そうとしたその時。



「そこまで!!」



 間に、一人の女性が声を割って入れた。



「お前たち受験生の決闘はここでは認められていはい!! まあ――失格にして欲しいなら勝手にやってくれて構わないが」



 白衣の腰まである黒髪ポニーテール。

 真っすぐ背の高いスタイルの良いその女性は。

 鋭く気難しそうな顔をしていて、融通が利かず厳しい人物だというのが分かる。

 それに、脇にはさみもっている持っているボードや書類などを、おそらくはここの教官なのだろう。



「チッ――!!命拾いしたな」



 舌打ちをして先に、他の入口を塞いでいた生徒らと学園へと入って行くギル。

 それを見ると、女教官は去っていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ