002:再会
002:再会
とっ――。
「どこだろう……ここ……」
扉を出て異空間から降り立った場所は、見知らぬ森だった。
「おかしいな。閉じ込めらた時の場所にでるから、屋敷に出る筈なんだけど……」
当たり一面木々が生い茂っている。建物の影も見えなければ生物の気配すらない。
森だった。
その時だった――。
バタンっ!!
「うそ……」
なにか、落とした音がしたと思いユウリが振り向くと、後ろに一人の少女が森の中、木で見込まれたバスケットを落として呆然としていた。
銀の腰までの長い髪に、銀の瞳。
瞳は少し尖っていて、顔立ちも凛としている。
服装は真っ白なワンピースで14、15そこらの細いすらっとした少女。
独特な不運域をもっていて、森の中だというのに、高貴な令嬢のような気品と清潔感を圧倒的な存在感として放っていた。
そして――ユウリは、その少女がなんとなくだけど分かった。
彼女は幼馴染の。
「リアなのか……」
「ユウリ……。ユウリなの……!?」
途端、彼女は走り出しユウリへと飛びつき抱き着いた。
「リア!?」
「ユウリ!! ユウリ!! 本当に本当に本当にユウリ!?」
「う……うん」
「うそ……」
喜びの次は戸惑う有利に抱き着き、泣き始める幼馴染のリア。
「ユウリユウリユウリユウリユウリ!!本当に……うあああああああああああああん!!」
ついには大声を上げて泣き始めてしまうリア。
力が抜けるリアに、ユウリは膝を着き、リアを抱きしめる。
「ただいま」
「うああああああああああああああ―――。ユウリユウリユウリ……。うあああああああああああ」
「そんな泣き過ぎだって……」
そうはいうもものの、仕方はないかもしれない。
10年ぶりだ、泣いて当然だとユウリは思った。
思ったが――。
「うああああああ。3000年、3000年待ったんだよぉおおおおおおおおお」
「えっ!?」
その言葉に信じられなかった。
それは、ユウリにとってはおかしい数字だから……。
「ちょっとまって、リア、3000年って!?それどういうこと?」
「どうって……3000年よっ!! それまで色々あったんだから……。ユウリいいいいいいいい」
それは一体……。
ユウリの中に疑問が広がるも、ユウリもまたリアとの再会を一心に受け止めた。
嬉しくない訳がない。嬉しくない訳がない。
大好きだったリア。
4歳の小さな子がこんな大きくなって……。
ユウリもまた、リアのことを抱きしめたのだった。