表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エスケープ  作者: 明日奈 美奈
本編
27/33

召集

27章 「召集」

『セイン、君は本当に王女殿下なのか?』

『隠していて申し訳ありませんが、本当です。

私は国を憂い、後世を国民に託そうと死んだフリをしたわけですが、奥様に連れられて行った王宮で見つかってしまったのでしょう。』

それで、どうする気だね?

心配をして聞く。

召集がかかっては逃げも隠れもできないでしょう。

行くしかありません。

ただ、一国の王女である私が国民を謀るような罪を犯したのです。

どうなっても仕方のないことだと考えております。

しかし、奥様や、お嬢様、旦那様に類が及ぶことだけはしたくありません。

どうか、私が王女だと言うことは知らなかったで通していただけませんか?

そうすれば、私は安心して赴くこともできましょう。

お願いします。

旦那様しか私の正しい身分を知る人はいません。


『わかった。セインには王宮に使いに出てもらったこととする。』

きちんとセインと言ってくれたことに感謝しつつ、この家を出る準備をする。

お母様の遺してくれたドレスを残しておいてよかった。

だけど、あくまでも今のあたしはレイチェル家の夫人の使用人。

大丈夫。大丈夫だよ。

小さいときお兄様がかけてくれた呪文。

怖くないもの。


『レイチェル家が使用人、セイン=アルメリア。

お召しにより参上しました。』

旦那様が持たせてくれた短剣を手に携えてやって来た王宮。

臥竜の最後の騎士としてしっかりやって来るように。

兄の代わりに元、臥竜のメンバーのレイチェル侯爵がかつを入れてくださった。

そして、レイチェル家にある臥竜縁の短剣を持たせてくれた。

感謝してもしきれない恩情にあずかった。


『セイレーン、やっと見つけ出した。

お前はあの日、皇に俺に話したいことがあると言っておきながら逃げた。』

『お言葉ですが、あたしは逃げたわけではありません。

あたし、仕事をしていただけです。』

国を出ようとは考えませんでした。

ただ、一人の娘に戻っても尚、あなたの心があるか確かめたかっただけです。

毅然とした態度で召集に応じたセイレーン。

だが、王女としての柔らかな印象は消え失せ、そこにいるのはただ、一国の騎士団に入った兵士であった。

臥竜騎士団の紋章がついた短剣を手に携えて来た。

古の時代より続きし騎士の集団。

その統制が取れた無駄のない働きに人々は、畏怖の念を抱きこう呼んだ。

王族をお守りするのは臥した竜だと。

幾代目かの王の治世、王は自らを守りし名もなき騎士の集まりに名を付けた。

臥竜騎士団と。

町の人々はいつしか縮めて、臥竜と呼ぶようになった――――。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ