再会
15章 「再会」
『セイレーン様あっ。』
アルメリア王家王子、セイン=アルメリア、王女、セイレーン=アルメリアは調査の結果、生きていることがわかった。
しかし、セイン王子はネッケルの毒牙にかかり、セイレーン王女を守って命を落とした。
『醒めた目をしているな。』
不意に後ろから声をかけられる。
あたし、祭り上げられてアドリアンの蒔いた種を拾うの真っ平なの。
こんな、国民の前に引っ張り出して何したいわけ?
あたしはどこか、田舎の町で暮らしたい。
お兄様と暮らしていたあの、小さな田舎の町のような場所で。
『あの町に帰れないのはわかっている。
だって、あの町にはお兄様はあたしのために未来を犠牲にしていたことを知っている人が多いから。』
初めてセイレーンが考えていることがわかった。
しかし、それでセイレーンの心がこの王宮にないことがわかった。
考えてみれば、そうである。
ここは、セイレーンにとって悲しい場所でしかない。
両親を失い、兄が将来を捨ててセイレーンを守ると誓った場所。
兄が自分のために死んでしまったと思っているセイレーンにとってここにいることは責め苦でしかない。
『その願いは叶えられるようにすると約束しよう。
アドリアン皇国皇太子、ローランド=アドリアンの名において。』
ローランドがアドリアンの皇太子を名乗り、約束することはきっと叶うだろう。
なのに。
…、どうしてこんなにも悲しいのだろう。
あたし、ローランドのことを…。
どうして今ごろ気づいてしまったのだろう。
『おい、神様見習い。
この状況、非常に焦れったい。
このままでは、二人は別の道を歩き、僕は転生できなくなる。』
ローランドの夢枕にでも立って一言もの申したい気分を如何様にして抑えようかとやきもきしている。
このまま、二人の想いを消えさせてはいけない。
《グッドアイデア頂きます。
あなたを彼の知っている姿で夢枕に立たせましょう。》
神様見習いの力か、服が変わり、目線も低くなった。
この姿は、15、6位の僕?
セイレーンを守ると誓ったあの頃の僕?
《いいえ。正確にはあなたがローランドに最後に会った式典の日の姿です。》
ああ、あの建国記念式典か。
これなら、ローランドも僕だとわかるね。
いや、わかってもらわないと困る。
《彼の夢枕に立てるのは僅かに限られた時間です。》
それでもいい。
父様と母様が守ったこの国の命と生まれた命。
どちらにも再会できたのだから、もう、アルメリア王家の王女としての任は終わっている。
ただの村娘のセイレーンとして考えて欲しい。
本当に望んだ幸せは何なのか――――。




