5話 森にスライム大盛り
東門につくと俺はそのまま転移して一瞬で東の森についた、移動時間がほとんどかからないってマジでチートだよな。
視界内ならギリギリ見えていると言い張れる範囲ならどこへだって行ける、それこそ空や人の家の屋根の上にだって。
窓から中を覗けば、例え鍵の掛かった部屋にだって侵入可能だ、使い勝手がいい上に魔力のようなものもあまり消費しないようだ。
ここまで結構乱発してきたが、疲れるような感じはしない。
「さてと、早速スライム狩りを、っと――――いや大量発生とは聞いてたが発生とかいうレベルじゃねぇぞ」
森に着くとスライム――――水色のぷにぷにした物体が森を覆っていた訳だ、こんなの冒険初心者が狩るレベルじゃねぇだろう。
スライムって確か打撃が効きにくいとか、核か何かを破壊すればいいやつとかだよな、ラノベやらゲーム程度の知識だけど。
ヌメヌメした粘液というよりどちらかといえばゼリーっぽい感じもするが、透明な膜で水を覆っているようでもある。
はっきり言ってこれを素手、いや手袋はしているものの、殴ったりしてダメージを与えられるような気がしない。
「で、どうすりゃいいんだ? あの、なんか核っぽい結晶体をどうにかすりゃいいのか? いっぱい中に浮いてるけど」
そう、目の前には、紫色のカット済みの宝石のような物体がいくつも浮いているどうやらあれが核らしい、そして大量発生した結果密接したスライム達が全部くっついてこんなことになってんだろうな。
さて、俺がここで取れる手段は……教えて!勇者特典!――――願ってみるもんだな、呆気無く解答が来た。
★召喚士魔法
部分召喚・・・・・・視界内の対象の部分を手元に召喚する、この時対象の部位は本体から切り離される。
なんか、スゲー便利な魔法が思い浮かんだ。これは例えばモンスターの首だけを召喚してみたらその首を切断してこの場に持ってくるという魔法だ。
空間を歪ませて切断するため、どんな硬いものでもスパスパ切れるらしい。
とりあえず試しに視界にあるだけのスライムの核を召喚してみるか……
――――全部で二十七個のスライムの核が取れた。魔力の消費は、転移同様対して減った感じはない、MPじゃないか何か目安が欲しいが、どうやらそういったものは無いらしい、ゲームじゃないもんなこれ。
そして核を失ったスライムはというと、核がなくなった部分から崩壊して水になっていく。
結構たくさん取れたと思ったんだが、それでもまだ森はスライムに覆われている、一体何体分あるんだこいつらは……
「仕方ねぇ、全部まとめて狩り尽くしてやるぜ!」
俺はその日、日が沈むまでスライムを狩り続けた、核はかなりかさ張るので異空間に保存しながら、なんとか森からスライムを全滅させることに成功した俺は収穫数の確認は後回しにして一度王城に戻ることにした。
召喚士魔法・記憶転移、一度立ち寄った場所ならどんな遠くだろうと関係なく行ける魔法を使い、王城の振り分けられた自室へと戻る。
召喚術師 M T P――――
風呂とか食事とかしたかったがなんか、物凄い疲れた、さっきまでギリギリ平気だったんだが、やっぱ魔力の使いすぎって奴か。
どうやら視界外に対して魔法を使うと大量に消費するらしい。
俺はベッドに寝転ぶと、そのまま深い眠りについた。