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旧:召喚術師の喧嘩殺法  作者: 噛み付き熊さん
異世界来たけど自由時間
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プロローグ

 俺は全力で走っていた――――


 何故かって?そりゃ自由のためさ、何から逃げているかといえば、クラスの余り物班、石田、石山、石川、通称ストーンブラザーズこいつらは三人でくっつく為四人で班を作ると大体残った俺といっしょになる、そして俺は連中があまり好ましくないので一緒に行動することを拒否して逃げ出したのだった……今俺は京都に来ている修学旅行ってやつだ。

 正直仮病で休もうかとも思ったがウチの隣の家にはクラス一おっかない委員長様とか居るしそれは不可能、ならばと俺は自由時間になりなるべく怪しまれないように途中まで素直に、でも口ではいやいや言いながら行動していた、そしてチャンスは訪れた、運良く信号が点滅している場面に出くわし他の連中が走って横断歩道を渡るところを見送った後、全力で逆方向へと走って来たのだ。


 俺はクラスでは不良というレッテルを貼られている、まあ学校全体で見ても不良生徒と思われている節もあるが、なんでまたこんなのが退学になってないんだよってぐらいの悪……っていう噂になっているらしい、別に好き好んで悪ぶってはいないのだが、噂というのは直ぐに広まる、それも定期的に流れているらしいので、一向に改善はされていない。


 そんな俺だからか、全力ダッシュしてここまで来たんだが、運もさっきの交差点で使い果たしたようだ。

 クラスにおけるカリスマ男子の班と委員長様の班が目の前に居た、俺を探していた訳ではないようだが、一人走っている俺を見つけて、一気に囲みやがった、なんだこの包囲網は俺は犯罪者かなんかか!つか手際が良すぎるだろう!


「ちょっと、黒田(くろだ)君? 班の他の人達はどうしたの?」


 我らが委員長様、嘉成(かなり)亜理子(ありす)が仁王立ちしてらっしゃる。

 豊満な胸に毅然としたその振る舞い、男女共に人気がある美少女と言っても過言ではないね、こんな子が家の隣に住んでいるというのもラッキーな話なのだが、不幸なことに今はただのクラスメイトだ。


「まさか、逃げてきたんじゃないだろうな?」


 クラスの人気者、カリスマイケメンの清田(きよた)が図星をついてくれる、まあこいつとも少し因縁があって、何かにつけて目の敵にしてくるわけだが、そのせいで俺が悪目立ちする、全く面倒な連中に出くわしたもんだぜ。

 その他には、委員長班の保健委員の吉田(よしだ)おっとりしていて癒し系女子、男子にモテる、風紀委員の坂本(さかもと)つり目だが、胸も大きく男子に人気(胸だけな)、飼育委員の桜井(さくらい)うさぎっぽい女子、飼いたい女子ナンバーワンだと聞く、そしてカリスマ班のサッカー部員の長島(ながしま)イケメンの親友らしくさわやかなスポーツ少年、ボクシング部員の上木(かみき)将来はプロボクサーかと期待されてるらしい、生徒会書記の倉井(くらい)は名前の通り暗いやつなんだが、何故かイケメン達とよくつるんでいる。

 この八人による鉄壁……というほどでもないがあまり突き飛ばしたりしたくない(特に女子が)ので、破るに破れないディフェンスに俺は退路を見いだせずに居た。


「チッ、あまりこの手は使いたくなかったが――――あ、あれはなんだ!」


 俺はよくある使われる手だが、天を指差し大声を上げた、周囲にいた観光客達すら振り返ってくる、クラスメイト達の視線も痛い、どうやら滑ったらしい策は尽きたようだ、俺は観念してその場に座り込んだんだ。

 しかしその時、それは起こった。


「え? 何?」


 最初に異変に気づいたのは委員長様だ、その声に辺りを見渡す。

 別に周囲に変化はない――――いや変化しない。

 できないかのように全てが止まっていた、時が止まったかのように、いや止まってんなこれ、鳥とかが羽ばたかずに空中に静止してんだもんな。

 足元が光っていた、突然輝き出す俺の体、そして地面には何やら魔法陣のような文様が浮かび上がる。

 足元の魔法陣に気づいた委員長様達が動揺し出す、そりゃそうだよな、こんだけ光ってんだ、なんかちょうど委員長様達が魔法陣の上に円に沿うように立っている、だから周りと違って止まっていないのか。

 俺は今なら委員長様達隙をつくチャンスだとその場を離れようとするも立ち上がることができない。


「何がどうなってんだ――――」


 その問に誰も答える間もなく、俺たちは光に呑まれ、どこかへ飛ばされるような感覚を味わった。



 冷たい床の感触……大理石ってやつか?

 気がついた俺は身を起こし辺りを見回してみる。

 ――――RPGとかに出てくる神殿のような場所に俺たちは居た。

 俺とカリスマ班、そして委員長班の連中、総勢九人。

 誰かがやってくる気配がするぜ!って訳ではないが複数の足音を聞いた俺は気絶しているみんなを揺さぶって起こす。


「ここは……一体?」


 目を覚ました連中の最初の言葉は全員一言一句間違えずに同じ反応を見せる。


 そして俺達の背後にはさっきの足音の主が立っている――――ような気がする訳だが。

 そしてそこにはよくありがちな巫女さん(神社とかの日本風のやつ)風の少女がいて、アニメや漫画でありがちな台詞を言ってくるのであった。


「ようこそいらっしゃいました、勇者様方!どうか、この世界を救って下さい!」

加筆、内容にあまり変更はありません。

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