真なる地球人
「かつての世界は広大であった」
セントラ地区某所、教会跡地にて数百、いや数千の群衆に向けて男は語った。
群衆は皆白い装束に身を包み、深くフードをかぶっている。
「だが今、我々新人類は皇国によりセカンドワールドという邪悪な世界に閉じ込められている。許し難いことだ。奴らはこの世界を創り出した邪悪の化身を神と呼び、我々にまで強要している。許しがたいことだ!」
「そうだ、、!」
「我々は自由になるべきだ!」
男は大きくうなづく。
「その、通りだ!!我々はあの忌まわしき壁を破壊し、外の世界へ進出すべきなのだ!!!」
男が勇ましく演説をしていると、いつの間にか男の隣に女が立っている。
背丈は男とほとんど変わらず、突出した雰囲気を醸し出している。所々光る黒髪を靡かせ、高らかに声を上げる。
「そこで、私達『真なる地球人』は精鋭を求む!!!邪悪なる世界の果てを目指し、壁を破壊する真の勇者を!!!」
「、、シリー、、、それ、俺が言いたかった、、。まあ、いいよ」
「さっさと説明なさい、キンブリー」
男は肩を若干落とし、マイクを取る。
「我々は、10名のそれぞれ特別な才能を持つ者を選定し、1年の訓練期間の後実行に移す。詳しい選考規定は追って発するが、先に一つ言っておく」
ここで少し溜めて、、、。
「我々が開拓するのは、旧世界ではない!!まったく新しい世界を創り出し、我々は成るのだ、、。そう、か」
「神に!!!」
シリーがマイクを奪い、高らかに宣言する。
群衆は皆隣の者、前後関係なく抱き合い、肩を組み湧き立っている。
皇国歴1826年、セカンドワールド成立後初の、世界を標的としたテロ組織が発足した。




