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強くてニューゲーム1

誰も殺すこと能わず、誰を殺すこと厭わず―。

その兵器のキャッチコピーであった。

フィーネ王国はある時から、無謀とも言える侵略戦争を他国に仕掛けるようになる。そしてその戦果は華々しいものであり―。


「で、至る現在っと」

その島の上には雲ひとつなかった。滞在して何日にもなるが、一向に雨粒ひとつ降る気配もない青空。

この島に飛ばされて数日、初日にランクスにここが10年後の世界であることや、大まかな世界について情報収集できたのは運が良かった。

土人形たちは今日もせっせと魔石を採掘している。カナデは魔素を吸わないように、他の職員が来た時用の防護マスクを城から拝借して被っている。

(まんまペストマスクなのよね、形状が。ランクスくんは、ずっとマスクしてないみたいだけど…)

外の採掘場は魔素で溢れかえっているが、黒黒とした城の内側はどこまでも清浄な空気で満ちている。魔素を魔力に還元し空気を清浄する装置というものがあり、その装置も作った魔力を動力源にしているので全く無駄がないという。

カナデは夜になれば無人となる城の内部で過ごし、食糧庫を物色しては腹を満たす。昼になれば外に出て人目に付かないように過ごす。

土くれたちは採掘中の魔石を横から取られようが一向に気にした様子はない。彼らは掘って運ぶという一連のプログラミングされた動きしかできない上、そもそも魔素が濃い絶海の孤島に魔石を盗みに来るものなど居らず、警戒するというプログラミングはなされていないようであった。

手慰みに、その辺りの固そうな石に魔石を擦り付け、粉にしてみる。魔石と岩以外何もない島に娯楽を求めても無駄だと感じたのは、来て翌日に漂流物で作った釣り糸の虚しすぎる反応からだった。

(プライベートビーチでのんびりバカンス。憧れたけどペストマスク付きじゃ心落ち着かないよ)

時々どこからともなくランクスが現れる。大抵は黒い防護服のようなものを着込んだ人物が複数同行しており、こちらの存在に気づけば目礼する程度。

(ついこの間まで見てた姿と違うからギョッとするけど、10年経ってるのよね)

戯れに黒い一団に【構造理解】スキルを使ってみる。黒地のウインドウが突如目の前に現れ、出てきた文言は…

【情報へのアクセスが拒否されています】

(うっわ、使い所わからなさすぎ…)

気を取り直して彼らが出現する度に現れる魔法陣にもスキルを使ってみる。すると、先程とは全く異なる反応を示した。

【ゲート指定型·対人用転移陣です。精密再現にデータを共有、バックアップしますか?Y/N】

迷わず【Y】を選択する。一瞬左眼の奥に焼け付くような痛みが走ったが、それも直ぐに消える。

(これは面白い。早速使ってみよう。出てこい〜、精密再現〜)

強めに念じてみるも何も起きない。

(無駄に恥ずかしい…)

こうしてその日も、何をするでもなく無為な時間が過ぎようとしていた。

※説明が多すぎる文章に嫌気が差したため大幅改訂しました2025.11.18

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