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カウントダウン3

(どういうチョイスなんだ?)

本の山を前に頭を抱える。

あまりの分量に家に持ち帰るのを断念し、施設の一室を間借りして情報を精査していた。

(ラブロマンスに軍記に…絵本??俺は交渉材料が欲しくて行ったのに…一昼夜かかっても何も見つからないとは…)

「どや?ぎょうさん本抱えとったけど、ええもんあったか?」

「師匠…」

思わず涙も滲む。

「ふん、ブラムの泣き言も懐かしいなぁ。どらどら、ユキばあちゃんが見たろうか」

パラパラと本を捲る。本当に読めてるのか心配になる距離と速度だ。

「【枯死之王】に関する…寓話やね。こっちもやな」

「【永久の苗木】のことは…」

「その2つは対や。どちらかが生まれればどちらかも生まれよる。むかーしのお伽噺や。知らんけど」

思わず脱力する。

「こっちは…ほう、先代魔王を倒した勇者の自伝ね。こんなん出しとったんか…」

再び凄まじい速度で読み終わる。

「わざと長生きさせられた最弱魔王…ねえ…。枯死之王が歴代随一の厄介な魔王だったとなると…」

ユキの一言に頭の中で何かが弾けた。

「「永久の苗木が現れれば枯死之王の出現報告が出ないとおかしい‼」」

「せやで」

「つまり、エクレを永久の苗木と断定することは不可能…」

「せやせや。…と、こっちの本は…」

ユキはまた本を捲り始める。

「しかし師匠、よくそれで本の内容が分かりますね」

「斜め読みって奴や。それよりブラム、あんた今、何読んでも知識が脳みそを滑っていく感じ、せえへん?」

「…言われてみれば…」

「早う寝んかい‼寝不足でデカいことしょー思うても、絶っっっっ対、うまくいかひん!寝え、寝え」

「しかし師匠…」

「しかしも案山子もあるかい!…これはブラムだけの戦いちゃう。エクレちゃんはみんなの家族や。勿論、ブラムも家族や。1人で抱え込むなや。な?」

若かりし頃の姿が重なる。

(どんなに年老いても、師匠の笑顔は昔と変わらないな。なんだかホッとするような…)

「分かりました。寝ます」

「そうせえ。さて、半裸王に一泡吹かせたらな。な」

「穏便に…ですよ」

ユキは一度部屋を後にすると他の職員や利用者たちが一斉に本を持っていってしまった。

もうベッドに横になる他できることがない。

(枯死之王…お伽噺上では踏みしめた大地は周囲から枯れ、触ったものは全て死にさらばえる。そんなのが居たら目立つよな。まあ、誇張表現だろう…けど…)

ブラムは深い眠りにつく。遠くユキたちの作戦会議を聞きながら―。

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