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吸血鬼の夜は遅い6

翌朝、セキトが目覚めてからは、少年たちは朝は森の散策、夜は転移装置で帰還してその場で爆睡、また朝に出かけていく生活を送っていた。

変化が出始めたのは1週間を過ぎたあたり。転移装置で戻ってきても眠りこけず、

「やったー!肉っ肉っ」

とはしゃぐ声が聞こえる。どうやら初めて魔物を自力で仕留めたらしい。

「セキトさん、魔導コンロ使いませんか?」

「チッチッチ、そこは俺の火魔法で」

「外でやりましょうよ。まだ今日習得したばっかりだし、暴発したら…」

「わかってるって。あと、さん付けはやめろってば」

声が遠のく。外でバーベキューとしゃれ込むようだ。だが、別室で聞いていた吸血鬼としては気が気でない。

(あいつら、血抜きを忘れてないか?)

「生臭え‼でもうめえ‼」

「ぼ…僕はちょっと…」

「いらないんならくれ。やっぱ自分で獲った肉はうめえなあ」

案の定、ヤケクソ感迸る会話が繰り広げられている。

2人が寝静まってから、ベルの枕元に【猟の友〜楽しいジビエ入門〜】の本を置いておいた。

また別の日には何も収穫できずに意気消沈する様を見かねて【山と森の幸〜美味しい樹の実厳選100〜】を。また別の日には【決定版 生活に役立つ無属性魔法】を。【超図解 筋肥大ガイドブック】なる本はセキトの枕元に…。

いつしか、彼らに役に立ちそうな本を枕元にそっと置いてから狩りに出掛けるのが日課になっていた。

効率の良い訓練方法にバランスの良い食事。1カ月が経つ頃にはほっそりしていたセキトの体躯は細いながらも靭やかな筋肉が付き始めていた。日々の生活に余裕ができたのか、2人の顔にも笑顔が見える時間が増えてきた。


別れは唐突だった。ある夜吸血鬼が目覚めると、ベッドの布団はきれいに畳まれ、食堂に無造作に置かれたバックパックも忽然と消えていた。

自分たちが使った寝具は洗っていたようで、太陽の匂いが寝室を彩る。

吸血鬼は待った。また魔獣に負けてフラフラになりながら帰ってくるんじゃないかと。しかし待てど暮らせど2人は戻ってこなかった。

数カ月が経った頃、いつものように何度も読んだ本を読み返していると、足元に何かが落ちた。見たこともない、真新しい紙切れにはこじんまりとした字と金釘流の字が仲良く並んでいた。

「なんだこれ。はは…。全然読めないや…」





はい。おはこんばんちは(死語)。

区切りが良いところなのでしゃしゃり出て参りました。

ありきたりな展開で恥ずかしい限りですが、実を申すとセキトとベル、未完で終わった高校時代の漫研作品の主人公です。

体力の危機を感じる三日坊主のアラフォーが、未完過去作の供養をするために書いております。

要するに、自家発電でございます。

しばしお付き合いいただけますと幸いです。

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