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さようなら春の日4

「久々のノム様とのランデヴー」

「腕が鳴るわ」

ポージングする2人のマッチョ。

(この感じ久し振り)

カナデの手には先程ノムと共同で作った光属性魔石の配合を若干強めにした混合魔石の糸巻き。

変色魔法は無属性魔法ではあるが、カナデが時々話す異世界の科学知識を元に、見え方を決めるのは光の波長によるという観点からこの配合に落ち着いたとノムは胸を張っていた。

実際、カナデの眼鏡に使われている光学迷彩と文字翻訳の重ねがけ魔法シートでもその配合が使われている。

「実はねカナデさん、私たちアナタの国の服の織り方に興味があって、あれから色々試したのね。もう、布が伸びるだなんて、正直可能性の塊でしかないわ」

「今回は女のコの下着でしょ?かわいいフリルもつけちゃう」

男臭い笑みを浮かべながら糸巻きを手に取る2人。肌に触れて体に直接作用するには肌着以外の選択肢がない、と前日の話し合いでノムが力説していたのを思い出す。

「よろしくお願いします。後でお夜食お持ちしますね」

「最高よ!アナタ、わたしのお嫁さんにならない?」

「わたしも!お婿さんに立候補しちゃうわ」

「何よローネ」

「何よお兄ちゃん」

暑苦しい男二人のせめぎ合いを後ろに聞きながら、早々にその場を後にする。


数日後、双子から納品されたのはカボチャパンツであった。

「おお!」

「これは…かわいいですね」

「ほう、布が伸びるな」

「すごーい。やわらかーい」

ランクスも交えた工房メンバーとエクレ、銀髪の男はカボチャパンツに興味津々だ。

(メリヤス編みを取り入れるとは、流石貴族のテーラー御用達職人)

「さて。早速経過観察を始めるですが、ランクスはどうするです?」

「師匠やカナデさんは夜通し交代で観察ですよね。昼間の来客対応はぼくが頑張りますので、今日は早めにお暇します」

「それがいいです。察しが良くて助かるです。子どもは早く寝るのが良いです」

「では」

にこやかに店を後にするランクス。

しばらく間を置いてからノムが急に真顔になる。

「偵察魔法が消えたですね」

「ああ、そのようだな」

銀髪の男は深いため息をつく。

「亜人種で無加護だなんて、よく今まで国に目をつけられなかったですね」

「そちらこそ、古代の無属性魔法を陣に組み込むなど、国に囲われてもおかしくない技術だぞ」

「やっぱりわかるですか。実際囲われてる身です」

「そうだろうな」

まるで昔からの知り合いだったかのように話し始める2人。

「?何を想像している。ほぼほぼ初対面だ」

「そうですよ。同好の士というヤツです。さてブラムさん、これから夜は長いのです。魔法談義に花を咲かせるですよ」

「ふふふ、エルフに遅れを取るわけにはいかんな」

粘ついた笑みを交わす2人。

「あっちで着替えてこよっか。階段登れそ?」

「んー、おりるのこわい」

「そっか。じゃあ、下りるのは抱っこしよっか」

「うん、わかったー」

カナデとエクレは経過観察に向けて着々と準備をするのであった。

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