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吸血鬼の里6

眷属召喚からのノータイム本体移動にはかなりのリスクが伴う。それは幾百回の試行錯誤と数回の実戦経験でよく理解していた。

元の体に戻るためには相当量の血液が必要なため、翌日から大森林を駆け回りあらゆる動物から血液を拝借する生活を続けざるを得ない。

そうして新月の夜。

(ようやくギルドに人型で行ける体力もついてきたな。しばらく納品も施設への寄付もできてなかったからな)

いつも通り獲物を手にギルドの庁舎に入ると、居ない。

サーシャもリリーも、アマリリスも居ない。

(3人揃ってバカンス水着回…てわけじゃないだろうな。特にアマリリスさんは)

サーシャの隠れ巨乳、リリーの圧巻の尻、アマリリスの慎ましやかな胸元を思い浮かべながらカウンターに会員証と獲物の入った頭陀袋を置く。

受付嬢は顔面を蒼白にしながら会員証片手に奥へ引っ込んでいってしまった。

数分後、バタバタとカウンター奥から人が湧いて出てきた。

「ぶ、ぶぶブラムさん!?」

「ほら、やっぱり生きてたでしょ」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい‼」

かしまし三人ギルド職員の登場に思わず笑顔がこぼれる。


ブラムが青髪と対峙してから数日後、派遣された調査隊が目にしたのはただの廃村であった。

眷属が一匹残らず消え去り、所々に魔石の塊が埋まっているのが見える。一際目を引いたのは無造作に置かれた男性モノの衣服が一組。即座に反応したのは二つ名を持つ冒険者2人であった。

「妙に濡れている…この魔力の匂い、あの商人の物ではあるまいな」

「あら、私もこの魔力の波形の人を見たことがあるわ。よく街を歩いているわね」

「そういえば俺も最近見てないな。いつも閉館間際のギルドに来てたのに…」

「もしかして…」

一堂がある懸念に顔面蒼白になる中、1人の職員が震える声である決断をした。

「これより本隊の目標はブラムさんの捜索に切り替えます。ギルドに増援を依頼します。複数の隊に分かれて行動します」


事情を説明し終え、羞恥から顔を真っ赤にするアマリリス。呆れて物も言えないリリーの視線がブラムに突き刺さる。

「確かに、今回はアマリリスの判断ミスによる所は大きいです。ただ、ギルドからの要請を蹴った上に高難易度の調査対象を勝手に討伐、音信不通になる時点で、常識的な行動とはとても言い難いです。お分かりですよね、ブラムさん」

(はい面目次第もございません。自分の正体がバレるんじゃないかと思って身勝手な行動をいたしました。大変申し訳ございません。反省しております。穴があったら入りたいです)

「ああ…その…すまなかったな」

ブラムの脳内会議など露知らず、リリーは簡素な返事に盛大なるため息をつく。

「他の冒険者には私から説明いたします。他の冒険者の面子も潰すということをよく理解した上で、今後このようなことは、決っっっして‼しないように。分かりましたね?」

「ああ、面目ない」

リリーはアマリリスに目配せするとそそくさと応接間を後にした。

「副長はあんなこと言ってますけど、ものすごく心配してましたし、吸血鬼討伐を誰よりも…」

「余計なこと言わないで仕事しなさい‼」

奥からリリーの怒鳴り声が聞こえる。

「失礼しました、副長‼…では正式に要請します。ブラムさん、冒険者ギルドに入ってください。マスターからも、拒否権は行使させるな、というお達しが出ております」

「………はい?」

青髪くんも橙髪氏も、ポッと出の悪役ではあります。彼らの元になったキャラは居ましたが、青髪くんのような耽美系になるとはちょっと筆者も予想外でした。良いよね、快楽犯。

ホントは橙氏、青空市の亜人に…というシーンを入れようとしていました。十分胸糞セリフも吐いてくれたし、これ以上は良心が痛むのでご容赦いただければと。

さて、筆者の飽き性のせいで、これまで2視点同時進行で本編を進めてきましたが、ボチボチ主人公は世代交代に入る予定です。

引きこもり吸血鬼と異世界お姉さん、どっちが先に退場するか、そこら辺もなんとなく気にしていただけるとありがたいです。

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