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吸血鬼の里5

下からは眷属たちが髪の毛を自由自在に伸ばし捕獲にかかる。

上では青髪の吸血鬼がパワーとスピードを生かした攻撃で追い詰めにかかる。

それを部分霧化を併用しながらスレスレで躱すブラム。

(さっきから違和感があるんだが…こいつ、物理攻撃ばかりで魔法を全然使わないな。種族特性もろくに使えてないし…)

「間違っていたらすまんが、戦い方はちゃんと教わったか?」

「何を言ってるんだい?ボクより弱い奴らに教わるとかありえないでしょ」

攻撃の手は止まない。が、ブラムの目からは子どもの喧嘩レベルを遥かに下回っている。

(体重の乗り方がまるでなってない。なんで親指が拳の中に入っちゃってるんだよ。もしやコイツも…)

「……ぼっち」

「ぼぼぼぼっちって言うなあぁぁぁ‼」

青髪の背中から水でできた腕が生える。その先端には円盤状の水がグルグルと回転し、腕の部分は伸縮自在。

「ふん!無属性のセンパイには魔法は使えないからね!ボクにはちゃんと…」

「甘い」

下の魔素溜まりから巨木を思わせる氷柱を生やすと青髪の下半身にクリーンヒットした。

「くゎせfじこ‼‼?」

「魔法を作動しながら動けるぐらいじゃないと、我には勝てんぞ」

ブラムは幻滅した。青髪や眷属たちの弱さに。それらによって壊滅させられたギルドの調査隊の迂闊さに。

(いや、魔素中毒とか飛行魔法が使えないとか、多勢に無勢ということもあったろうが、これは流石にない…)

と思っていたのも束の間、後ろからずぶりと刺される感覚。青髪に気を取られているうちに羽の生えた眷属たちに背後を取られていた。口から血を吐く。

「その刃は眷属の生体武器だからね。そのままセンパイの血を吸って眷属にできるってわけ」

他の眷属たちも次々と群がり、ブラムに刃を突き刺しては血を吸っていく。血液を完全に抜かれ、骨皮筋衛門になっていくブラムをうっとりと眺める青髪。

「ふふっ、センパイの血は美味しいなぁ。ちょっと少ない気がするけど」

「そうだな、少ないだろうな」

青髪の喉が後ろから貫かれる。氷でできた細長い錐のようなものだ。後方には1匹の銀色のコウモリ。

(間一髪で眷属召喚して、眷属に本体を移動しておいて良かったわ。いつか役に立つかなと思って1人でシコシコ練習してた時期が懐かしいよ。ホント過去の俺最高愛してる。さて…)

「な…インチキだ…ゴボ…はんそく…だ…こんなの…みとめ…」

東の空が薄っすらと青みがかっている。

「勘違いするな。知識も教えを請うことも、1人で試行錯誤するのも、何も狡いことじゃない。産まれたままで強い者など存在しない」

もう一度ゴンブト氷柱を形作ると、今度はその中に青髪を閉じ込めた。

「まて…待って…さい…ボクに戦い方を…教え…」

氷柱が完全に青髪を氷漬けにしたのを見計らい、銀色のコウモリはねぐらへと帰っていった。


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